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プロペラシャフトのピニオン角の測定データと考察(ピンククラウン)

時々、お買い上げ頂いた方より「この治具のおかげで」と言っていただける場面があり、大変うれしく思っております。

また、「知人が使用しており、興味を持ったから」とお買い上げ頂ける事が増えており、お勧めしていただいた方々には頭が上がりません。


さて、今回はピンククラウンを使用している場合の測定データと考察についてまとめました。

原理は私が以前書いたものを参照して頂ければと思います(あくまで仮説ですが)

なお、今回の測定データはダイさん(Twitter:https://twitter.com/m4tuning1?s=20)に提供していただきました。


この方は毎日yotubeでミニ四駆の改造をライブ配信されています(毎日すごい)

カッターナイフでホイールやタイヤを加工する技術やペラシャ受けを改良して、黒VZを蛍光イエローVZより空転できる方法を公開されています。

また、リアルタイムで加工をされているので、1つの作業に時間はかかってしまいますが、改造のポイントなどを直接質問できるので勉強になります(それでよく話が脱線しますがw)

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また、以前Twitterで挙げたこれについてもダイさんと黒田洋和さんのお二方にテストをお願いしています。

黒田さんのTwitterはこちら。

https://twitter.com/actionshine14?s=21

筆が遅い私が書くより、ダイさんのyotubeでの方が先に話を聞けるかもしれません(今回のデータもずいぶん前に頂いてました・・・筆が遅くてすみません)

興味がある方は是非見て下さい^^


では、本題に入ります。

◯結論と考察

結論:今回測定した0、0.75、15、22.5、30°の角度の中では0°が1番速かった。

考察:今回の結果では0°が速い事は判明したが、ピンクピニオンの構造が特殊な為、理論値がまだ出せていない事、ならびに今回はマイナス方向の確認までは出来ていない事を考慮すると、断定まで出来ない。

しかし、最適もしくはそれに非常に近いと判断できる。

以上です。


間違いなく0°付近なのですが、まだズレる可能性も残っている感じです。

その辺は購入して頂いた方々に色々と試して頂きたいと思います(それもミニ四駆の醍醐味だと思うので)


◯測定条件

今回使用して頂いた、測定マシンはこちらとなります。

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図1.測定マシン

見えない部分は下記の通りです。

ギヤ:3.5:1

モーター:レブチューン

使用電池:アルカリ(1.622V、同メーカー・同ロット)


小径レブバンパー車ですね。パーツもポン付との事です。これでも秒6.65以上出てます。

井桁や超大径が無い分、取り掛かりのハードルは低いので興味がある方は是非^_^

走行コースはこちらです。

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図2.走行コース

なお、今回測定した時の走行映像もダイさんのアーカイブに保管されています。

興味がある方は是非そちらもご覧になって下さい^_^

なお、比較動画は電圧確認前に行ったテスト走行の結果も含まれています。その為、結果の数値がこのnoteと異なっています。ご承知おきください。


さて、上記の条件でピニオン角を変えた状態で4周づつ測定をして頂きました。

その結果が下記となります。


◯測定結果

結果をまとめると下表1〜5の通りです。

表1.1週目の測定結果

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最速:0°(15.222)

最遅:30°(15.418)


表2.2週目の測定結果

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最速:0°(15.262)

最遅:30°(15.482)


表3.3週目の測定結果

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最速:0°(15.333)

最遅:15°(15.429)


表4.4週目の測定結果

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22.5°の1週目未計測の為保留


表5.4週の平均タイムの結果比較

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最速:0°(15.282)

最遅:30°(15.445)

差:0.163


0°から30°にかけてタイムが落ちていく傾向が見て取れます。


以上の結果より、今回の実測結果としては0°が最速であると判断しました。

しかし、マイナス方向(例:-5°)に関しては不明であり、なおかつ理論値が算出できていない為「最適」と断言まではできません。


◯最後に

ダイさんには各周回毎にピニオン角を変化させた物に交換し、マシンの状態変化も考慮し、角度ごとの測定順をズラして頂くなど、出来るだけ正確なデータを取る為に多大な労力を費やして頂けたこと、改めて感謝致します。

(私が0と22.5の2パターンを2回測定するだけで2時間掛かった事を考えると・・・)


なお、今回は理論面での説明が出来ていません。この原因は私の不勉強です。申し訳ありません。

0°でのかみ合い状態を目視で見た感じでは前後とも同じなのですが、ピンククラウンは歯車自体が特殊すぎてよく分かりません。

原理はおそらく同じなのですが、あたり角度でトルク伝達率が変わってくる上に0°を中心とした左右対称でもないようなので・・・※参考文献(1)参照

なお、ペラシャのねじれによる影響も考えましたが、ざっくり計算した結果1°も変化しそうにないのでおそらく違うと思います(;^ω^)



◯まとめ

・実測結果から0°付近が最適値であるとの結果が得られた。

・101mのフラットコースで平均約0.16秒の差が生じた。


なお、お買い上げ頂いた方々からの情報をまとめると、立体や走行抵抗が大きいマシンを使用した時に速度の向上が大きく見られたとのことです。

皆さんも是非、様々なコースとマシンで角度を変化させて試してみて下さい。もしかしたら新しい発見があるかもしれません^_^

★追記(8/18)

さんちゅう@CHRONICREWさん(Twitter:https://twitter.com/m4wd_chronicrew?s=20)のyotubeにて動画紹介して頂きました。

ありがとうございます。

この方はモーターの実験動画や様々な治具を使用した走行結果などを挙げておられます。

分かりやすくまとめられていますし、面白い内容のものが沢山あります。

興味がある方は是非^_^


●参考文献

※(1)両角宗晴,インボリュートフェースギアの嚙合い効率について

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