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ショートストーリー

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2024年4月の記事一覧

途中下車 ショートストーリー

最近、同じ夢を繰り返し見る。 夢は、いつも男性のナレーションから始まる。私の心情と状況を事細かに語る。でもそれは、ほとんど的外れで私は苛ついている。訴えても、いつだって彼からの返事は無い。私は彼を無視することに決めた。 気がつくと私はSLの木の座席に座っている。夜なので窓には自分のような女が映っているが、私ではない気もする。 やがて汽車は停車し、新しい乗客が数名現れた。ほとんど空き座席なのに、わざわざ私の隣に座る一匹の白い猫。 汽車は再び動き出す。 それが合図だったかの

ねんねの赤子 詩

ねんねの赤子の見た夢は 星の世界のお母さん ただいま 星の世界のお母さん 星めぐりの旅から帰ってきたよ ボクはこれからどうするの 一番好きな星に行くのです 嫌だよ嫌だ 星の世界のお母さん ずっとずっと一緒だよ 私の役目は終わったよ 行くべき場所が待っている さあ、お行きなさい 可愛い子よ 私の子よ ねんねの赤子は 夢から覚めた 優しい声が聞こえたよ 優しい手に包まれた ねんねの赤子は 忘れていった 星の世界のお母さん **************** 赤ちゃん