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ショートストーリー

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2021年12月の記事一覧

おじいちゃん部│#完成された物語

最近、公民館の予約表に『おじいちゃん部』がよく登場する。 「何かしら、おじいちゃん部って。老人会の男性版?」  私は、サークルの会議使用を申し込みに受付に来た。 「とんでもない、おじいちゃん達は一流会社『G社』の元エライさん達よ。会社が表に出せない何かを暴露される事を恐れ、会社が監視しているのよ。表向きは…新しい生き方とかのスクーリング」 受付のおばさんが耳打ちする。 「なんだかね、皆さん可哀想なの。ため息ばかりが聞こえるの」 おばさんの心配そうな顔。 監視するって、2

蛍のホテル

ある水辺に、あなたが決して訪れる事ができない ホテルがある。 行けないのも当然。ここは蛍だけ、蛍の為だけのホテル。 場面はこのホテルの地下にあるbar。 蛍の男達が寛いでいる。 「いらっしませ」従業員は絶え間なく声を出す。 命の乱舞を終えた蛍達が集まり始めているのだ。 男達が息も絶え絶えにやって来る。 最初で最後の刹那的な恋。 生涯ただ一つの権利であり義務。 終わったんだ。 彼らは、、、最後の静かな時間を過ごす為にここを 訪れた。  蜂のバーテンダーの作ってくれたカ