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寅さん談義 vol.4


さて、まだまだ続く「寅さん」談義。
今回はその妖艶さが評判を呼び?2度の出演を果たした大原麗子さん。その大原さんがマドンナの『噂の寅次郎』の巻です。

偉大なるマンネリ


マドンナ「早苗」は、夫と別居中。職安経由で職を求めて「とらや」を訪れます。
ここでのマドンナ像ですが、ご多分に漏れず「早苗」さんも悩みを抱えどこか影のある女性として描かれてます。
(「リリー」さんは唯一そのマンネリから外れたマドンナであったといってもいいでしょう)

ただし出会いの場面は、旅先ではなく「とらや」で、となります。
また、肝心のマドンナが、上映時間の半分以上過ぎないと登場しないという点も異例です。
(大原さんが多忙でスケジュール的にそうせざるを得なかったのかも知れませんが)

ご存知の通り、世界最長の映画シリーズで、偉大なるマンネリとも揶揄されたりしますが、飽きさせない工夫は当然のごとく行ってますよね。

ちなみに前半は、旅先の路線バスの中で「博」の父と遭遇し、一晩を共に過ごします。
(父親役には、『七人の侍』など黒澤映画の常連、志村喬さん)
博のお父さんから人生についての教示を授かり、その事で「とらや」に戻って来るのです。
それだけ伝えて早々にとらやを後にしようとしたその時、店先を掃除している「早苗」さんを発見してしまいます。

魔性の?大原麗子さん


ポーッと見惚れて、それでも出掛けようとしますが、さくらとのすれ違い様に「お兄ちゃん具合でも悪いの?」と聞かれ、本当に?具合悪くなってしまう寅さん。
結局、とらやに舞い戻り。
戸板に乗せられ担ぎ込まれて…

仮病?詐病?の甲斐もあり「早苗」との時間が出来た寅さん。
💘お昼時、仕事の合間に弁当を食べる「早苗」に見惚れていると、
「見ないで」
と言われるシーンとか。
💘正式に離婚が成立した直後には、
「寅さん私、泣きそう。2階に行ってもいい?」
と涙目に訴えるシーン。
💘傷ついた「早苗」を励まそうと、とらやの夕食に招いたその帰り際、
「私、寅さんのこと好きよ」
なんて言ってしまうシーン。
💘引っ越しの手伝い中に、下着の入ったボストンバッグがパカッと開いて、
「ダメ見ちゃイヤ!」
と慌てて鞄を閉じようとするシーンなど。

大原麗子さんって、こんなに可愛いらしかったのか⁉︎とつくづく思うのです。
寅さんじゃなくても、メロメロですよ、こりゃ!

https://youtu.be/2Vdw1CS6Gok

寅さんは振られたのか?


『男はつらいよ』のラストは、毎度毎度寅さんが恋に敗れて旅に出る。
というのがイメージだと思います。
振られるというより自ら身を引く。寅さんと結婚を考えたマドンナも少なくないのです。
まぁ、強がりなのか、意気地がないのか…
『お帰り 寅さん』で満男は、「いざとなると逃げてしまう。そこが叔父さんのダメなところなんだ!」と言ってますしね…
リリーも「ホントにダメな人」と。

そりゃぁ惚れた相手ではあるかも知れませんが、その相手の将来を考えて、むしろ背中を押してあげているという側面もあると、私なんかは思ったりします。

皆さんはいかがお考えでしょう?
是非ともその辺の見解を語り合えたら面白い!なんて思う今日この頃であります。

最後までお読みいいただき、ありがとうございます。

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