お礼を言いたい

※先に断っておきますが、限りなく主観が入っておりますので、不快に思われた方がいたらゴメンナサイ。

一番好きなアニメは何ですか?と問われたら迷わず”ルパン三世”と言います。

ちょっと前某缶コーヒーとコラボしたが、缶コーヒーもよく飲むので頑張ってみました。外れてしまったけど。

私が声優になりたいと思ったのもルパンがきっかけです。ルパンに逢いたいと思ったから。これは某声優さんも同じ事言ってました。私は叶わなかったけれど。

セカンドルパン、赤シャツ時代と呼ばれているのが一番放映期間も長く、再放送もこれでもか、と言うくらいされてますが、私はファーストルパン、青シャツ時代と呼ばれている、原作に近い、ハードボイルド色の強いルパンも好きです。物心ついた時はこちらが放映されていたのです。あの頃のテレビはコンプライアンスとかいう考えもなくて、子供向け番組でも大人顔負けのテレビがゴマンとありました。元々ルパンも子供向けとしてのアニメという意識は全くなかったのです。(むしろ逆の大人が観るアニメとしてだったと思います)

ファーストルパン後半辺りから、セカンドが始まる時に色々とゴタゴタがあったのは少し聞いてますが、その話は又別の機会に。

そんな私が一回、もう駄目だ、と思った事がありました。初代ルパン三世の声、山田康雄氏が亡くなった時です。

この頃は声優になるための色々を学び始めていたので、ちょっとは声優の仕事というものを学んでいました。ルパンのシビアな場面からおちゃらけの場面、軽いセリフから重いセリフまで、ルパンと言うキャラクターを壊すことなく演じる山田氏の演技力の高さ。そして独特の声質。そんな山田氏の代わりになる人なんて!

今、有無を言わさず定着している栗田氏ですが、当時お笑いのモノマネの人というのは勿論知っていて、テレビでの活躍も拝見していました。でもモノマネと演技は違う!声が似てるってだけで選ばれたのか。

......案の上、栗田氏が初アテレコしたバビロンの黄金伝説で、ルパンは終わった、私はそう思ってしまいました。

この頃辺りからテレビオリジナルストーリーのルパン三世は、正直面白くなくて、そして制作側も思ったのか、ルパンのセリフが少なかったように思います。話の主役もルパンではなくて、事実上は別の役の人の物語が多かったように思います。

落胆しつつもそれでも気になる私は、時折新作放映されればテレビをつけて見て、そしてため息の繰り返し。

そんな年月が過ぎたある日、こんな噂を耳にしました。

『ルパンの声が栗田氏になったのは山田氏の遺言だった』

まことしやかに流れているような情報でした。

そうなの?!

半信半疑のまま、また時が流れました。

たまたまこの噂の真実を知っていそうな方(山田氏が所属していた劇団の関係者)と話す機会があり、私は思い切って訪ねてみました。

「もう先は長くないと薄々感じていたらしい山田氏が酒の席で、もしルパンの声の跡をついで欲しい人がいるかと問われ、三人の名前を挙げたという。その中の一人が栗田氏だった」

と言う事でした。(その場に居合わせていたのかどうかは不明)だから亡くなった後、栗田氏に白羽の矢が立ったと。

そして又時が流れて、ある日こんなキャッチフレーズと共に発表されたテレビオリジナルストーリー”ファーストコンタクト”

10年待ちました。

面白かったです。そしてそこにルパンがいました。嬉しかったです、本当に。そして呼応するかのように以降創られたストーリーは、どれも面白くなりました。

栗田氏の実力が付くと共に、ハードボイルド性の高いファーストルパンが好きな人が成長して、制作に携えるようにもなったのだろうと勝手に思っています。

ルパン三世完全復活!

また時が流れて声優陣の大幅交代が行われましたが、これも栗田氏の成功があったから出来たと思います。

名探偵コナンとのコラボなんてもう涙物でした。コナンも好きなアニメで、映画はほぼ全部観てます。黒の組織関連の話だけ抜粋してコミック出してほしいと思っていますが、それはさておき、ルパンとコナンなんて登場してからウン十年差のある作品が、同時期スクリーンで大暴れしている。現実の人間だったらおおよそありえない話ですが、アニメだからイケた。そしてルパンが復活したから出来た。

少し前のイタリア編も、あまりにも夜中なので起きてられなくてあまり見れなかったが、でもとても面白かったです。そのうち絶対全部観ます。

スピンオフ作品もいくつか創られました。こちらもいずれ絶対観ます。

栗田氏の苦労と努力話もチラホラ聞きます。当時の声優陣の栗田氏への励まし話も耳にします。

この間も新作、テレビと、そして映画と。

ルパン三世は時代を超えて存在しうる稀有なアニメだと思います。今最先端のAIもルパンなら華麗に使いこなし、時には対決して最終的には破壊しても違和感のないキャラクターしてます。でもそれも栗田氏の存在がなかったら、あの時で活躍は終わっていたかもしれません。

栗田貫一さん、本当に本当にありがとうございます。

子供の頃のワクワク感が今も変わらず味わえるなんて本当に嬉しい限りです。

もうすぐ声優陣(セカンド時より)が全て変わってしまうだろうし、原作者も既に黄泉の人ですが、ルパン三世の持つ変わらないけれど変わり続ける、変化に対応出来得るキャラクターと精神と、どこまでかはわからないけれど、末長く続く事を願いたいと思います。

✢この記事をアップした夜に、井上真樹夫氏の訃報が入りました。冥福をお祈りしたいと思います。

✢訂正とお詫び:栗田氏が初アテレコした作品は”くたばれ!ノストラダムス”の様です。私の記憶違いの様でした。ここに訂正しお詫び申し上げたいと思います。

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