OTODAMA 5/3

夜中の3:30。前日は21:30に寝て、目覚ましの前に目が覚めた。着替えもせず荷物を持って、とりあえずサンダルを履いて車に乗った。夜の地元には車いなかった。ただ、高速を乗ったら、車が山ほどいて、「GW凄え」という気持ちになる。PAは赤い文字で混雑表記ばっかりだった。私は気づいたら寝ていて、刈谷を過ぎた後目を覚ましたらもう大阪だった。車のナビに惑わされながら、9:30頃に泉大津フェニックスに着いた。駐車場スタッフが「あそこら辺に止めてください」って、イントネーションが関西弁で、おぉと。大阪に来たな、という気持ちになった。清水温泉特有の登りの中から今日見るアーティストを探して入場した。


トイレを済ませて、私はROTENステージに向かった。結局最後までROTENステージにいた気がする。足早にステージ前に行くと、帝国喫茶の四人がリハーサルをすでに始めていた。四人とも、キャラが服装や見た目に出てるというか、個性がそれぞれあってそれが一つのバンドにまとまってるのが凄くいいなぁ、と思った。上手側にいたファンの女の人が凄く嬉しそうに、心の底から楽しそうに帝国喫茶を見ていたのがとてつもなく印象に残っている。ボーカルの杉浦くんの声が私はすごく好きで、鼻から出てる声というか、とにかく凄く好き。

しばらく経って、清水さんが出てくる。「拍手はいいから笑」というので、結局話し終えてからしか拍手はなかった。「みんなに見てほしいバンド」と紹介されて帝国喫茶が出てくる。

「みんなまだ眠そうやね」
「一番風呂です、よろしく」

と言った後に始まった君が月。君が月を初めて聞いた時に、凄いバンドだな、と思った。友達が好きだったから帝国喫茶を聞いたし、帝国喫茶を見るとその子のことを思い出してしまう。夜に叶えて、じゃなくて。全体的にバランスがとっても良くて、穏やかで、OTODAMAの気候に合っている。帝国喫茶、かっこいいなぁ。なんて思う。
燦然と輝くとは。かっこいい。早くて、かっこよくて。素敵。ボーカルが何回も前に出てきて歌って、「お客さんたち、もっと行けるやろ?」という顔をしてくる。客も呼応して拳を上げる。彼らがライブハウスにいるところが容易に想像できるほど、ライブハウスが似合いそうなバンド。
カレンダー、ガソリンタンク、春風往来。ああ、自分このバンド好きだな、と思った。速いしかっこいいし。ボーカルがステージから降りてきて、柵を飛び越えてこっちに来た。靴がなくなって、他の残りのメンバーは笑いながら持ち場で自分の楽器を弾いていた。それが良かった。また見たい。

KALMA。
リハでSIX LOUNGE の天使のスーツケースとくるりのロックンロールをやった。最初ゆづきくんが「スーツケースに」って歌い始めた時、びっくりした。金田くんとりくとくんが忠実にベースとドラムを再現していて良かった。本番出てきた三人は、この前渋谷で見た時より金田くんは背が高くなってた気がした。上京おめでとうございます。

「僕が一番、一番大きい声で歌いまーす!」

と言った後にファンが飛びまくって、ねえミスターが始まる。盛り上がった。その後、後ろの方にいたお客さんにゆづきくんが話しかける。

「誰見にきたんですか?」
「フィッシュマンズ」
「じゃあそんなお兄さんに歌います!」

そう言って始まったバンドは、良かった。君の好きな人じゃなくて、好きなバンドになりたいよって、バンドマン的思考でカッコいいなぁ、と思う。KALMAは常に、やりたい音楽とかやりたいものがはっきりとわかりやすくていいバンドだな、と思う。

オレンジスパイニクラブ。
ROTEN側で見ていたけど、リハでスリーカウントをやっていて、CDJでバッグを壊したことを思い出した。そんなバンド。本編はゆっきーくんのベースから始まる君のいる方へでスタート。かっこいい。私はこの曲が一番好きだ。五月の初めだけどもう夏はすぐそこまで来ていた。オレンジスパイニクラブの最大限の魅力、ハモリとか歌詞とか楽器の精密さとか、それが全部表れていて好きだ。

「ずっと思ってたこと言っていい?混浴ですやん」

とユウスケさんが言った後、客は若干笑っていた。レイジーモーニングや、タイムトラベルメロン。新譜もいい曲が沢山合って、それが凄い。新譜を受け入れられるバンドって本当に凄いと思う。オレスパには特にそれを凄く実感する。タルパも聞けて、いつもかっこいい敏感少女も聴けたよかった。給食は二回やった。おかわり。なんかおかわりするのって小学生の時とか特に凄く恥ずかしかったけど、おかわりっていい言葉だなぁ、と思う。次はワンマンで見たい。

ヤユヨ。
リ子ちゃんの服装が可愛くて、リハーサルでもオレンジスパイニクラブを口ずさんでいるところがかわいかった。時折ファンのことを心配しながら

「水いる?」

など言っていて可愛かった。リ子ちゃんの力強い綺麗な歌声がOTODAMAの空に響いていて凄く良かった。さよなら前夜も良かった。四人の表情が楽しそうで、それぞれソロの時に自分の魅せ方がすごくわかっている可愛いバンドだなぁ、と思った。

ネクライトーキー。
一気に人が増えて、メンバーが出てくると名前を呼ぶ声が聞こえる。ネクライトーキーは素敵な世界観があるバンド、サブカルチャー文化の代表的なバンドだと思う。ボーカルの声が可愛くて、楽器もみんなレベルが高くていつか見てみたいと思っていた。

「OTODAMA、源泉かな?」

と見た目からは想像できない関西弁の面白いMCが飛び出して、お客さんは笑う。多分源泉やろうな、とそこで落ち着く。盛り上がりがすごくて、素敵なバンドだな、と思った。

SIX LOUNGE 。
私はこの人たちのために大阪まで来たと言っても過言ではない。昨夜シンタロウくんが、腰を痛めたという文言のツイートをしていて、出れないのかなと心配していたが「這ってでも出る」と言っていたので信じて待っていた。しれーっと三人が出てきて、よかった、とほっとする。隣のお姉さん達と談笑して、ラウンジのファンは優しいなぁ、やっぱいい人ばっかだな、と少し涙が出た。リクくんは髪の毛が黒くなっていた。
先ほどKALMAがカバーした天使のスーツケースを一曲目に持ってきて、そのままいつもの流れのようにナイトタイマーをやる。ピアシングで優盛くんがよくわからない空手のようなことをしていた、なんかそれも面白くてみんなで真似していた。メリールー。キタカゼ、僕を撃て、トラッシュスピード。かっこいい曲が沢山並ぶ。少し経って優盛くんがおもむろに

「ナガマツシンタロウーーー」

と呼んだ後

「ぎっくりごしでーーーす」

と言い、シンタロウくんは中指を立てていた。
スーパードラマー、ナガマツシンタロウ。その後のドラムソロは今まで見たことない凄いドラムだった。そういえばLPDでバイク事故のその日に怪我した足でライブに出たけどいいライブができたと言っていたから、彼は常人ではないと思う。
そんなシンタロウくんをずっと心配していたリクくんも最後の最後には笑っていた。三人が楽しいならそれでこっちも楽しい。ピアシングフィーバー楽しかった。

「なんでもするんで、来年も出してください!」

って普段あんまこんなこと言わんのに珍しいなあ、と思って。でも出て欲しいなぁ、と思った。初めてなのにこのフェス良かったなあ、って私も思った。来年も出て欲しいし見に行きたいと思った。出てください。

清水さんが「ライブハウスでかっこいいと思ったバンド」を呼んでいると言っていた。確かに、彼らみんなライブハウスが似合う。ラウンジを見てる一分一秒一日すらも愛おしくて、もう何も忘れたくない脳裏の限界メモリーに経ってしても、記憶喪失になっても、このバンドのこと、このフェスのことを死ぬまでずっと忘れないで生きて行きたいと思った。


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