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MD04 やりくり変異

■はじめに

 当時私の周りではビート系のカオスがほとんどを占め、地雷としてロックバーンが少数であった。(最先端の地域ではサイエンカタパの他、変異カオスやガジェも研究されていたようだが。)そして私はバーンが好きになれなかったため、お触れ型の戦士カオスを主に使っていた。そのため当時やりくりターボが話題になっても、「揃えば強いので結果を残した人の運がよかったのだろう。罠が増えるなら好都合だ。」と食わず嫌いでいた。そして登場からたった3か月後の制限改定で蜃気楼・苦渋・やりくりに規制がかかったため、一度も使ったことはなかった。
 そのため私の中の評価は低いままであり、MD04では苦渋や第六感が無いため論外だと思っていた。しかし今回えんがわさんが開催してくださった大会で1位,2位が揃ってやりくり採用型の変異ネフだったので、恥を忍んで自分も使ってみた。

参考レシピ

■デッキレシピ

 数ある変異の中でもアドを取る能力に長けており、取ったアドで何をしたいかが重要。変異ターボのようにワンショットを取りに行くのか、相手の攻め手を奪ってコントロールするのか。
 ワンショット型はネフ・混黒の弱体化およびサイポの未実装により開闢を引けなかった時が厳しい。開闢同族変異早埋なら8100だが、ほとんどが制限カードで、コンボパーツが蜃気楼で落ちてしまう。一方コントロール型は死デッキのエラッタやハンデス未実装によりワンショットに弱い。どちらにも一長一短があり好みの問題だが、私は開闢を引けなくても勝てるデッキを作りたかったので、コントロールを選択。
 0503で結果を残しているタイプの変異カオスはミラーを重めに意識しているものが多いため、ガジェやバーンの1本目が厳しく、マッチ単位でも勝率が安定しないと思われる。そこで今回はバック破壊などを多めに採用して、ミラーや戦士GS、RRCへの勝率を多少下げてでも、全体の勝率の向上を目指した。

■採用カード

・サンドラ
 通常のカオスではサンドラが増えても変異の素材や同族のコストくらいにしかならなかったが、やりくりと蜃気楼のおかげで有効札に変わる。貴重な光枠であり、能動的なサウサク解除もできる。個人的には必須枠。心変わりや変異が腐りにくくなるのも◎。防御力の低下には注意。
・偵察者
 サイドラ実装前のため、モンスターでの対処は限定的で、バルターや貫通にも強い。基本長引くほど有利なため、ビート相手の勝率に大いに貢献する。通常のデッキでは3枚目は腐るが、蜃気楼やりくりギミックや月で3枚目を処理できる。無視できない程度の打点もあり、お気に入りの1枚。
・月読命
 無限にアドを稼ぐカードであり、ミラーやハイビート相手ではこのカードの有無が勝敗を分ける。1枚だけ引きたいカードであり、採用枚数には議論の余地があるが、やりくりで戻せるし、蜃気楼で落ちることもあるので2枚採用。また今回は不採用だが、転移との相性も良い。ガジェ相手にも壁になり、腐る対面は少ない。
・月の書
 優先権の廃止により強化された1枚。
 ①リバース・サウサクの再利用
 ②強奪・破壊輪・皿回避
 ③ブレイカー・同族・サウサク・カオス阻止
 ④ラヴァゴダメージ軽減
 など、できることは非常に多い。またコンセプト的に重い月読命やバルター対策にもなる。聖マジゲーをする際に、月読命と違い激流を踏まない。2枚採用だが、カオスが多ければ3積みもあり。
・変異
 変異先としても素材としても優秀なサイバー系が未実装のため、腐る場面が多く2枚採用。3積みするなら素材を増やさなければならないが、見習いやスケゴはバーンに腐る。月書が増えれば貫通用に3積みしてもよい。
 スケゴと上級だけでは事故だが、変異やエネコンがあれば繋がる。
・スケゴ
 事故軽減及びワンショット対策として必須だが、バーン相手に腐り、ガジェには一瞬で処理される。そのほかの対面でも1枚引ければ十分なため3枚はやりすぎに思える。とはいえ減らすと変異ミラーでワンショットされてしまう場面が多発したため2枚採用。単体ではアド損だがライフがなくなれば元も子もなく、ワンショットをいなすことで勝ちにつながる。
・成金
 パワカを引く確率を上げるカード。能動的に打てる魔法カードのため、聖マジの事故率軽減にもなるが、相手のライフを2000回復することになるのでワンショットを狙うならアンチシナジー。今回はアドで勝つコンセプトのため回復はさほど気にならない。コンボデッキのドローは重要。
・クロソ
 抹殺枠。サンドラにより腐ることは少なく、ショッカーやメビウスを採用可能になる。決まると強いが、心変わりもあるので1枚が安定。
・砂塵
 エンド時に雑に使うと腐ったカードや1枚目のやりくりを踏んでしまう。そのため基本的には永続や装備を狙う。このデッキではサイクを蜃気楼に使ってしまうことも多いので追加で採用。

■不採用カード

・見習い
 転移や月読命との相性が良く、デッキ圧縮できるのも強い。相手が2体で攻撃してきたときに同名をサーチしたいため、採用するなら2枚が良さそう。とても丸いカードだがミラーやバーンでの役割が薄く、能動的に動けて打点も出せる偵察を優先した。
・ネフティス、導き手
 シルクラと共に採用することでガジェだけでなく、バーンへの勝率も多少上がる。しかし導き手は優先権の廃止と破壊輪のエラッタで厳しく、カオス系相手に腐るため不採用。ツインが無いため変異早埋でも5900どまり。
・死霊
 ミラーにおいてハンデスは特に強力で、ワンショットやスピリット対策にもなり、相手に対応を強要する。強奪や心変わりでは自壊し、サウサクで吸われても痛くない。
 攻守ともに優秀なカードだが、現環境で死霊のダイレクトが通る場面は少ないため器用貧乏感は否めない。ガジェには腐った突進・収縮を有効利用されてしまうため過信は禁物。
・デコイチ
 ミラーで無視できない程度の打点があり、やることがないときに出すカードとしては悪くない。ただコントロール奪取を考えると死霊に軍配が上がる。またガジェやビート系相手ではテンポロスが目立ち、やりくりを引くと更なるタイムラグが生じるので不採用。
・転移
 トークンを用いたコントロール奪取は変異と似ているが、月読命やお邪魔トークンも利用できるため比較的腐りにくい。それでいて、対裏守備や相手のバックが多いときなど、こちらのほうが優れる場面もしばしばある。ミラーやガジェ相手にはそれほど有効ではないが、それでもゴミにはならない。見習いなどのリクルーター型なら採用する。
・抹殺
 対ガジェやビートが気になるが、月読命・月書により比較的腐りにくい。サンドラ採用や見習い不採用のため聖マジの依存度が比較的低く、ミラーで強い。今回はクロソ採用のため不採用。
・シルクラ
 聖マジ除外はこちらにも刺さるので、抹殺とは相互互換。キラスネがエラッタされているため裏目も少ない。ネフ採用の見習い型ならこっち。
・手札抹殺
 サンドラやキラスネ、1枚目のやりくりを捨てることで実質アド損せずに使用可能。ミラーでは月読命や開闢など、相手の溜め込んだ手札を交換できるのが強く、LOも選択肢に入る。ただしこちらのデッキの方が少ないことも多いので注意。ワンショットが増えれば選択肢だが、LOは疲れる。
・バインド
 非常食やショッカーのおかげで能動的に解除できる。蜃気楼やスケゴで相手の大嵐を対策できるのも相性が良い。
 ワンショット向きのカードだが、偵察者や転移で細かく削ることもできなくなる。そのため8000打点を出せるコンボが複数欲しいところだが、前述のとおり混黒のエラッタやツインの未実装が厳しい。
・お触れ
 このデッキ以上に罠が少ないデッキは少なく、発動タイミングはこちらが選べるため、ガジェやバーンが多いなら腐ることを承知で採用しても良い。非常食との相性も良いが、さすがに事故要因でありサイドへ。

■感想

 私が好んで使っていたお触れ型と違い、バーンやガジェへの解答札の枚数は減るものの、潤沢なドローソースとデッキ圧縮によってアクセス率を高められる。当然パワーカードやサイドカードへのアクセス率も上昇するため、当初の想定ほど勝率を落とさずに丸い構築ができたと思う。ただガジェやバーンを意識した結果、ミラーではアド差をつけられてしまいがちであり環境次第で調整が必要。
 ルルさん主催の直近の大会(https://note.com/rrbell/n/n9a61d4780c30?sub_rt=share_pb)では魔デッキ型の戦士GSが優勝したこともあり、現環境ではお触れ型があっているように思う。だが食わず嫌いは選択の幅を狭めるということが身にしみてわかったので、気が向いたらバーンも使うかもしれない。


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