備忘録2

8月4日

祖父と母が喧嘩した。祖母の遺体の前で。

そこにいた私は泣きそうだった。というか泣いた。喧嘩の理由は割愛するが、母が祖母から聞いていたことと違うことを祖父がしてしまい、『ばあばがこう言ってたのに』と怒った。祖父はそれを知らなかった上での行動だったのだが、母の怒鳴りに祖父も怒ったのか、かけていたメガネを投げた。また母は怒った。もう嫌だ!と部屋から出ていった。

今はテレビの音と、祖父の咳払いしか聞こえない。この空間には祖父と祖母と私しかいない。私も母の所へ行きたいけど行きたくない。どちらも悪くないのはわかっている。でも私は祖母の前で喧嘩したことに本当に腹を立たせているのだ。なんで既に亡くなった人の前でこんなことをするのだ。祖母は穏やかで明るくてこういう事が嫌いだったと思う。今も穏やかな顔で眠っているのに、なんでそんなことをするのだ。

祖母を巻き込まないでほしかった。

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