日本BLドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」第4話を本気で見た

人生とは何が起こるか分からないし、事実は小説より奇なりとはよく言ったものです。
私事ですが、先日そこそこ大きなターニングポイント(転職)がありまして、過去のブログを読み返したりしてたんですが、本当にメンタルしんどい感じで笑いました。大学時代から就活、卒業したすぐ後らへんなんかは特にしんどそうで。この先の人生への不安もあったし、両親からの期待と言う名の強いプレッシャー、自分がいかに出来損ないかをずっと考えていた日々でした。友達を含めた周りの人たちの優秀さを見ながら、根暗MAXで劣等感そのものって感じ。
今も普通に劣等感はあり、自分を好きになるのは一番難しいことだなと思ってはいますが、ブログやTwitter、noteを書いたりしてるうちに、色んな機会に恵まれて少しずつ世界が開けてきたような感覚があります。これは完全にBLのおかげ。嘘みたいだけど、BLが私の人生の風穴になりました。実は今回の私の転職もBLのおかげで決まったようなものです。いやー、何が自分の始まりになるか分からない……生きていこ……っていう話……(着地点見失い事故)。

冒頭から急な自分語りを大変失礼しました。でもこの4話、珍しくリアタイしてみたら個人的にものすごく考えるところがあったので語ってしまいました。超良い回です。

3話終わりの安達による「嫌じゃなかったよ、お前のキス」から完全に確変中の黒沢によるダイレクトアタックから始まります。
さあ……キスまであと数センチ……と言ったところで、安達のスマホが鳴り響く。ここのビクッ!!!ってする安達がめっちゃよくて、赤楚さんの驚き方の動き、演技がとってもユニークであり小動物的であることに気付きました。かわいい。
電話に逃げる安達の感じと、逃げられてしまった黒沢の持て余す手とか表情がまた秀逸でした。ずっと町田啓太が勝ち続けている。
安達の電話の相手は柘植で、柘植は「天変地異が起きた……」とものすごく思いつめた感じになっている。
それから「実はさっき……」と言いかけて言葉を濁した後に「お前の事、疑って悪かった」と言って電話を切る。一方的に切られた安達は一体何だったんだ?と言った感じで呆れていると、後ろから黒沢が「終わった?」って声をかけるんですけど、ここ!!!ここの声の感じが、電話に邪魔されてちょっと拗ねてるっていうか、隠してるつもりでも不満そうなのがにじみ出ているっていうか、うまいことフィットする言葉が見つからないけど、町田啓太がテレ東で負け知らず。
そしてまた安達へと迫ってくる黒沢(顔が良すぎ)……といったところで六角「あ~~!!いたいた!!」と飛び込んでくる。ここの安達の驚き方がまた最高で、見えないところを見ようとしてコマで見た。六角に頼んでいた胃薬を受取り、一度飲み会をお開きにするために一度店に戻る。そこでちゃっかり安達の背中にそっと手を添えてくる男、黒沢「(ちょっと舞い上がり過ぎたかも……)あ、水ありがとな」と口では感謝を添えつつ「(続きは、また今度。ゆっくり、じっくり……俺の事少しでも好きになってくれるように)」
と、安達に対して積極的にモーションかけていくことを決意する。
そんな決意が丸聞こえな安達は、胃薬を胸の前で握りしめて動揺。黒沢は一体何をゆっくり、じっくりされるおつもりなのか……。

出勤してきた安達は、エレベーター前で黒沢を見かけるなりピャッ!!!と柱の陰に逃げる。ここの逃げ方すごくユニークで好きです。オリジナリティがすごい。
「(また今度ゆっくり宣言から、二週間。黒沢と二人きりにならないように必死な二週間……正直怖い。これより先に足を踏み入れるのが……)」
えっ。二週間ですか!?!?あなた、二週間も黒沢から逃げてる?!!?え???黒沢も黒沢でマジでゆっくりじっくり行くんだ?!?!とびっくりしてたら、安達の脳裏にあの夜の黒沢の「どういう意味か分かってるの?」がフラッシュバックする。
「(ええ、全然理解できてませんでしたよ!急に現実味を帯びてきたというか、ぐっと黒沢が俺の奥に入り込んできたというか……!あの時、誰も止めに入ってなかったら、俺たち……)」とあの先を想像して「アーーー!!!!!!!」と発狂して壁に頭をぶつけまくる(エレベーターの中)。
ここのぐっと黒沢が入り込んできたっていうセリフが印象的で、人とは距離を取りながら生きてきた安達が、初めて誰かと向き合おうとして相手の心に触れた感じが良かったです。
いやはや恋愛って人を狂わせるよね……と思ってたら、柘植も同じ発狂の仕方をしていました。童貞二人が初めての恋愛に発狂している。

一通り発狂し終わった柘植「(落ち着け、俺。よし、整理しよう。30になって人の心が読めるようになった。もうそこは受け入れよう。けれ!ども!だ!きゅんとは何だ?きゅんとは……!!相手は男で、しかも俺の嫌いなチャラチャラしたパーティーピーポーじゃないか!やっぱり安達に相談……いや、ダメだ!!昨日電話してる時に気付いただろ。今更俺の真実を打ち明けようものなら……ハア?こいつ童貞かよ!って安達に思われて……そしたら、俺はもう………)」
あの金髪の配達員への胸きゅんを思い出して悩み、唯一の親友の安達に相談しようにも今までうまいこと童貞を隠し通せてしまったために今更相談もできない。魔法を得たことによっていよいよ八方塞がりになってしまう柘植……。
ここの柘植(浅香航大師匠)の独壇場具合がめっちゃイキイキとしていて最高だったので何度でも見よう。表情と緩急がすごい。
柘植「(こんな能力、本当にいらん!!)」
安達「(こんな能力、マジでいらねえ!!)」

会社では、黒沢がさりげなく安達を観察している。しかし目線の先の安達の席に姿はなくて、見るからにちょっと元気がない。そして六角と営業に向かう黒沢。
一方当の安達はというと、デスクの下に体を縮こまらせて膝を抱えている。浦部パイセンもさすがに心配して「お腹痛い?どうした、冷えたか?あったかいの飲むか」とゆるく聞いてくれるんだけど、安達は「情けない……」と一言呟きます。
突然ですが、安達ってどんどん可愛くなっていってませんか?顔はもちろん、全体的にすごく可愛さが増し増し。愛されし者の特権……。
お昼にはあの恒例のおにぎりをかじりつつ、安達はまた黒沢に思いを馳せます。「(あいつのことを知りたいとか思ったくせに、やっぱり怖気づいて……)はぁ……」とため息をつくと同じタイミングで後ろからため息が。
後ろに座っていた藤崎さんのため息で、「ハモっちゃったね」なんて言われてちょっと嬉しそうな安達。
「……何かありました?」「大したことじゃないんだけど、今度母親が田舎から出てくることになって、それがちょっと憂鬱で」「そうなんだ……」
この会話からして、藤崎さんと安達も同期なのかな?と思ったんですけどいかがでしょうか。
「(何か意外。藤崎さん、家庭的だし勝手に仲良し家族なんだろうなって思ってた)」「ごめんね、リアクション困るよね」「ああ、いや」
藤崎さんと一緒にお昼を食べていた女性社員二人は、藤崎さんの憂鬱に同意。心配なのはわかるけど、彼氏や結婚、孫の顔を見せろという親はちょっとうんざりしている。
話を聞いた安達は「(うわあ、困ったな。この手の話ってどう相槌していいかわかんねーんだよな……)」と困惑します。
浮いた話がないからと、突然お見合い写真を持ってこられたりもしている藤崎さん。一人の女性社員が「適当に彼氏の代役でも立ててやり過ごせば?」と言い出して「あ、安達くん!彼氏のフリしてあげなよ」という突拍子極まりない発言。
「エッ!?あ、いや、それは」「そしたらお母さんも安心するじゃん!まあ結果的にフリじゃなくなっても、それはそれで」などと、他人事だと思って面白がってやがる女性社員に、上手の藤崎さんは「うん、いざとなったら安達くんにお願いしようかな」と笑いかけられて「エッ!!!」と目を白黒させちゃう安達。ピュアです。
そこに浦部パイセンがやってきて、安達と藤崎さんにおつかいを頼んで去っていきます。この頼むときの絶妙なウザさ、クセになってくる。

藤崎さんと二人でケーキ屋さんにおつかいに出てきた安達は「(さっきの、勘違いする男いるだろうな……)」と思っていると藤崎さんが「安達くん、ごめんね。彼氏のフリなんてお願いしないから」と言う。
「ああ、いや、気にしないでください」と言いつつも「(ほーーらあっぶね!!勘違いしなくてよかった~!!)」と強がってて内心ちょっとがっかりしてる感が可愛い。
「でも、いやな気持になったでしょ」「いや、いみんな恋愛の話好きだなとは思いましたけど。別に人生それだけじゃないって言うか……俺、恋や愛がなくても毎日それなりに楽しいって言うか」
安達を見てはっとした顔をした後に「そっか」と言って表情を緩ませる藤崎さん。
安達は藤崎さんから荷物を受け取ると、手が触れて「(やっぱり、安達くん好きだな。私)」と藤崎さんの心の声が聞こえる。
「(エッ、今好きって……これがモテ期ってやつなのか……?)」と振り切ったはずの勘違いが勘違いではないかもしれない疑惑を強めて戻ってくる。
とにかくにやけをかみ殺しきれない安達「(あの藤崎さんが、俺のことを?正直めっちゃテンションあがる!けど、あれ?なんか思ってたのと違う……あんなかわいい子に好きって思われてるなら、普通もっとドキドキするっていうか……)」と、違和感を覚え始めたところで事件発生。藤崎さんがチンピラに絡まれてしまいます。
これは大ピンチ。無理!怖!とビビる安達ですが、藤崎さんとチンピラに割って入り、ビビりながらもどうにか仲裁しようとする。
チンピラに突き飛ばされてもどうにか立ち上がって、場を丸く収めようとしたところで、ああ!可愛い顔が!!!チンピラに顔殴られそう……!!!!と思ったら誰かがそのパンチを止める……。
その男はもちろん、どこからともなく現れた黒沢でした。「(安達に触るな!)」という、握力が鬼の黒沢にビビったチンピラはそそくさと散っていくのでした。一件落着。
どんな状況でもスマートな対応を見せる黒沢に、ちょっと肩身が狭めな安達。黒沢は「安達は大丈夫?髪ボサボサになってる」と言いながら髪が乱れた安達をものすggggggっごく丁寧に撫でる。
それはもう、びっくりするくらい丁寧に撫でます。いや、やっぱりトラブル後とは言えど同期にこんな大事大事にされることないのよ。肩に手も置いちゃうし。さすがに心読めなくても大事にされてるなって気付ける丁寧さですよこれは。
「(よかった、無事で……安達に何かあったら、俺……)」という黒沢を見る安達。安達の無事を確認して満足した黒沢は、藤崎さんの荷物を持ち、並んで歩きだす。
二人の一歩後ろを歩いている安達「(こういう時、差を感じてしまう。助けに入ったものの何もできなかった俺と、行動に無駄がなくて何をしてもサマになる黒沢。なんていうか、根本から出来が違う……。ずっと感じている怖さの理由はこれだ。これ以上深入りして、がっかりされるのが怖い。だって黒沢は、俺とは違う。完璧で、色々持ってる。俺にないものを……)」
ここ、実は安達が思っている以上に黒沢は安達のことをよく見ているし、知っているっていうのがポイントかもしれないなと思いました。むしろ安達自身よりも黒沢のほうが安達のことをよく知っているのかもしれないっていう。
そして安達自身、黒沢が自分を好きなのはよく分かっていても、具体的にどういうところ、どういうきっかけで好きになったのか、根本的なところを分かっているようで分かっていないみたいなところもまた良いです。
会社に戻ってきてエレベーターに乗り込むと、安達の隣に藤崎さんが立っていてふと肩が触れる。
「(やっぱり好き)」「(ウワーー!!こっちの問題忘れてた!藤崎さん、マジで俺の事好きなの?)」「(うん、やっぱり好きなんだね。黒沢くんって安達くんのこと)」「(……ん?!!?え、まさか藤崎さん、あいつの俺への気持ちに気付いてる!?)」
ここの、黒沢がチラチラと二人を気にするところ超良くないですか?なんか二人とも雰囲気が良い感じになってない?え、どうしよう?あ、あれ?もしかして安達と藤崎さんが付き合ったりする可能性ある?みたいな不安をそーっと殺して、少し離れたところから微笑みかけるという……拗らせてる……(妄想)
藤崎さん「(安達くんには幸せになってもらいたいな。相手が黒沢くんでも、恋をしても、しなくても。安達くんは好き。人生、恋愛だけじゃないってさらっと言えちゃう感じが。きっと私が恋愛に興味がないって言っても、そうなんですか、って気にも留めないはず。まあ周りにどう言われようといいけど。普通を演じるのも慣れたし)」
ここで安達は、藤崎さんがこれまで普通を「演じていた」ということを知る。いつも笑顔で、すごく気が利いていて、いつもソツなくこなす藤崎さんだったけど、彼女の笑顔は身を守る為だったのかもしれない。何か自分に出来ることはないだろうか……と思う安達。
藤崎さんを何かにカテゴライズすることは野暮なことだと思うんですけど、恋愛に興味がない人って実は結構たくさんいます。
個人的な話ですが、私はわりと安達と近い考え方を持っていて、恋愛の機会があるならすればいいけど、必ずしなきゃいけないものではない。結婚も同様で、興味がないなら無理にする必要ないものです。こんなこと言ったら、想像力が足りない某足立区議に日本を滅ぼしたいのか?などと言われそうですけども。
「恋愛=幸せ」「結婚=幸せ」という考え方は特に否定しないけど、その考え方を当たり前であるという意見はいささかでも同意しかねます。この世には人の数だけ幸せの形があって、他者の幸せの形や大きさを否定したりバカにするようなことは絶対にあってはならない。それはたとえ神であっても許されません。
安達や藤崎さんのように今自分にある幸せを大切にしようとする人が、この先もずっと幸せでいられるような社会になっていくことを願うばかり。
ちょっと話を戻して、人の心が読めると言う魔法を得たことにより、安達は自分の身近な人の悩みや苦労を知ることになりました。そして安達はその人たちのために自分が出来ることはないかと考える。今まで誰かに深く踏み込んだことも、踏み込まれたこともなかった安達が、不器用ながらも人の心に寄り添いながら行動を起こして、自分も成長していくっていう。
まだまだダイバーシティと呼ぶには発展途上な日本で、こういうBLドラマが作られたことは日本人としてすごく誇らしいことです。ありがとう。私たちのテレビ東京。

ふと、安達があのチンピラに突き飛ばされて手を擦り剥いていることに気付き、黒沢が怪我の手当てをしてくれることに。
「これぐらいどうってことない」「だめだって、ちゃんと消毒しなきゃ」「悪い、何から何まで……」「ほら、手貸して」
「(笑顔も優しさも完璧で、ちょっとムカつく。俺が黒沢なら、自分にがっかりすることなんてないんだろうなぁ)」と安達が考えたところで、手当てのために手が触れる。
黒沢は「(失敗した……きっとうざったいよなぁ、こんな風に傷の手当したり、けんかの仲裁だってそう……気付くと体が勝手に動いてる。本当に安達の事になると余裕ないな、俺。でも、何もしないよりは、出来ることはしたい。こんなんじゃ引かれるかな)」
ムカつくくらい完璧な同期が自分に振り回されて自己嫌悪に陥ったりしていたことにびっくりしつつ、安達は黒沢の不安を払拭しようと立ち上がる。
「黒沢、ありがとう。本当に感謝してる……手当ても、さっきのことも」と感謝すると、黒沢は嬉しそうにふふっと笑って「大げさだな」………良かったね……本当に嬉しそうで…………。
「(悩んで焦って、俺と一緒だ……それなら、俺も何かできるかも)」
そこで怪我の手当から戻ってきた安達に、心配した藤崎さんが声を掛けます。すると安達はおもむろに「藤崎さん。俺、藤崎さんのお母さんに会いますよ」と言うのです。
「ああ、彼氏のフリなんて」「そうじゃなくて!俺から見た藤崎さんは仕事めちゃくちゃ頑張ってて、毎日楽しそうだから安心してって……俺がお母さんに伝えますよ」
安達に対して藤崎さんはハッとしたような、あっけにとられたような顔をして「ううん、ありがとう。いつかお願いするかも」と言ったあとの藤崎さんの表情とかが超よかったです。この、距離が縮まって打ち解けた二人がうっかり推せるくらいの雰囲気の良さ。
「(こんな力いらないと、今でも思ってる。でも、誰かに触れるたびに寄り添いたいっていう気持ちが強くなる。これはいつも足踏みしてばっかの俺がちょっと変わるチャンスかもしれない)」
安達を通して、ドラマの視聴者にもちょっと変わるチャンスを与えてくれるのは本当にありがたいことです。

さて、安達が藤崎さんの手伝いをしていると、社内がちょっとザワついている。浦部パイセンによれば黒沢がやらかしたらしい。
そして奥では平謝りの黒沢。それを見ていた安達の心に火が付き、浦部パイセンに資料を押し付けると黒沢の元へと向かうのでした。
というところで4話終わり!
このエンディングのDEEP SQUADの曲「Good Love Your Love」が配信になりました。黒沢目線での曲と聞いて俄然解像度が上がりました。

この4話を見て、どれだけ救われた人がいたことかと思います。
この先、恋をしてもしなくても、結婚してもしてなくても、子供がいてもいなくても、幸せになることはできる。
みんなが幸せになれるように、安達や柘植のような魔法はないけど人の心に寄り添える人間になっていきたいなと言ったところで終わります。今回もお付き合いいただきありがとうございました~!


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