日本BLドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」第6話を本気で見た

突然ですが、私たちには基本的人権というものがあります。
日本国憲法第11条には「侵すことのできない永久の権利」、第25条には「生存権を保障」、「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」。
まあ健康で文化的なのはいいんですけど「最低限度の生活」っていうのは、今の世の中において果たして具体的にどんな??と思いながら今週一週間を過ごしました。

いきなり真面目ぶってみましたが、私は最近電車でチェリまほを見て、よく人権を失ってます。体がこみ上げる感情に耐えきれないのか、なんか声は出さないけど体の動きがおかしなパントマイムみたいなことになってライトな柘植状態。一応は30歳までまだ時間はありますがさすがに落ち着きたい。
と言うわけで、安達が愛されていることに気付くことによってみんなの心に掛かった呪縛を解く魔法もかけてくれるドラマ、人権に変えがたいチェリまほの6話を本気で見て行こうと思います。イェーイ!

冒頭からインパクトしかない映像。なぜか黒沢に暗い部屋の中のベッドの上で押し倒されてる安達。この時の安達の「あっ……」みたいな小さい声が、視聴者と黒沢のことを何となくやましい気持ちにさせてるような、させていないような……とにかく二人の視線に妙な緊張感がある……。
そして時は30分前までさかのぼる。5話ラストで体調悪いうえにタクシーでまさかの黒沢と元カノ(そして黒沢が好きな人:俺)という修羅場に巻き込まれたと思った安達、完全に居心地最悪の顔してるの笑う。
苛立つ黒沢が「何で乗ってんだよ……」というと、元カノ(仮)は「今日も優一の家に泊まるんだから」と毛先をいじりながら答えます。「お前、勝手に決めんなって!」と強めに抵抗する黒沢。
サンドイッチされてしんどい安達は「あの、俺……降ります」と言うと、黒沢は「何言ってんだよ、病人だろ?」と気遣う。
「これから安達を家に送ってくんだよ。だから今日は彼氏んとこ帰れ」と元カノ(仮)を突っぱねたい黒沢ですが、あっさり拒否。
とにかく病人の安達を無事に家に送り届けなければならないので、もう一段階ほど苛立った黒沢が「勝手すぎだぞ、姉貴」とバチバチに諫めたところで衝撃の「姉貴!?」。
安達が黒沢の元カノだと思って大ショックの末に体調不良を引き起こした女性はなんと黒沢の姉というオチ。
黒沢姉は「安達くん、ごめんね。具合悪いのに……」「ああ、いえ……」と言いつつ、お姉さんだったんだ……と修羅場が秒で終了。分かりやすい安堵。
「安達くんって一人暮らし?」「あ、はい……」「じゃあ!優一が泊まり込みで看病してあげたら?!」「「……え?」」
見事に息ぴったりの「え?」でした。相性がいいぞ。
あと、ずっと姉に苛立って外見てた黒沢が、バッと振り向いた後に「おい姉貴……ナイスアシスト……」の声が聞こえた気がします。※魔法ではなく妄想

安達の家に到着し、黒沢がぶっとび気味な自分の姉のことを謝っていると安達はなんだかフラフラしていて、くしゃみをします。
とにもかくにも心配でしょうがない黒沢は「冷えてきたんじゃないのか?早くベッドに……」と言ったところで、うっかり安達が床に置いた鞄に躓いて安達もろともベッドにドン。
そしてあの妙な緊張感の冒頭に戻る。不意の安達の「あっ……」がやっぱりちょっとやましさを掻き立ててくるところで、黒沢がどうにか壁に手をついて自らの体を支えているという。ここで黒沢の手が壁からずずずと少しずつ下がってくるところ、まさに理性と本能の熾烈な戦いのカウントダウンをしているかのようでドキドキした。結局はベッドに手をついてドンして二人して「あっ……」ってなるという。
戦いの火蓋は切って落とされました。く、黒沢……!!と、もはや気持ちは蛇に睨まれた蛙の安達に、距離といいシチュエーションといい心臓バックバクの黒沢ですが「(何ドキドキしてるんだ……!安達は病人なんだぞ!もっと体を労われ!)」。
これはもう接戦でした。個人的にはもうダメなんじゃないか?と思った理性が最後にとんでもない粘りを見せましたよね。
まさかの黒沢の理性の粘りに「(え?)」ってなる安達。そして黒沢は平静を装って「あ、熱出てきたかもな。体温計取ってくる」といって、笑顔とともに「ごめん」と言って安達の上から退く……。
この一連の町田啓太がすごくないですか?もし「この町田啓太がすごい!」大賞があったら一回はこのシーンでグランプリ取る。
何がすごいって、ちゃんと理性が粘り勝ちした後の笑顔になってるんです……他の何物でもない、理性が粘って勝った後になんて事ないと平静を装う時の笑顔……。
ベッドの上に残された安達は「(ほんと良いヤツなんだよな……なのに俺は何ビビってんだよ……)」と自己嫌悪。
ちなみに、ベッドから降りたあとの黒沢は全く落ち着いておらず、安達の部屋で在処の分からない体温計を探して彷徨う羽目になっていました。本当にお疲れ様です。

寝ていた安達が目覚めると、黒沢が顔を覗き込みながら「おはよ」って声をかける。まるでひだまりみたいな優しさの眼差しで見つめてくる黒沢に、目線がぎこちなくなってしまう安達。
「体調どう?」「うん……だいぶ楽になった」「ならよかった。キッチン勝手に借りてるぞ」と、黒沢はさっとジャケットをハンガーにかけてキッチンへと消える。
安達は自分のおぼろげな記憶の中、黒沢に夜通し甲斐甲斐しく看病されていたことを思い出す。この記憶のなかで部屋着に着替えてバタンと電池切れみたいな感じで寝る安達と、そのそばで洋服をたたむ黒沢に母性などを見出してしまい、ちょいちょい親子に見えたりもしました。眠っていても熱に魘される安達に気付き、心配そうに見つめる黒沢。安達への愛の深さがマリアナ海溝より深い男です。
そして、部屋の中には黒沢が自分のために色々やってくれていた形跡がいっぱい残されている。それに気づいた安達は黒沢に「ありがとな。黒沢の看病のおかげだよ」って言うんだけど、この時にキッチンから「ん?」って出てくるのがまた愛である。絶対に聞き逃さない。しかも「別に大したことしてないって。おかゆ作ったけど食べれるか」……あんなほぼ徹夜でつきっきりの看病をしておきながら、大したことしてないと言えてしまう黒沢……マリアナ海溝……。
そして用意されたおかゆの完成度がよく見たら地味にすごいし、そのおかゆを見るなり笑顔で声をワントーン上げた「うまそー」という無邪気な安達。完全に子です。そして黒沢も当然のようにおかゆをお椀に取り分けてあげる。こっちは完全に親。
おかゆを取り分けながら「あ、今日はちゃんと自分ん家帰るから」と言った黒沢に、安達は「別に、す、好きなだけ、泊まっていいよ……」「え?」「あ、ほら、お姉さんも困ってたみたいだし、黒沢には世話になったから」
ここの安達はどう考えて「好きなだけ泊まっていい」って言ったのかが大変興味深いです。
安達の中で黒沢に対する懸念が解けた(黒沢は自分のことが好きだけど、自分を襲ったりするようなことはないから好きなだけ泊まっていってもいい)からなのか、本当に言葉通り(黒沢には世話になったから困ってるなら泊まる場所を提供してあげよう)なのか……どっちもか……。
そんな安達から突飛な提案を受けた黒沢は「あー……じゃ、しばらく泊めてもらおうかな」って言うんだけど、ここの目線と表情とんでもなくないですか?頭の中で理性をフル稼働してる中で、本能の方がその倍くらいの速さで追い越していった感ある。
そして、安達は黒沢からスプーンとお椀を受け取るときに手が触れると「(10月28日。今日は安達との同棲記念日)」
ここでまさかの突然に黒沢日記が始まってしまい、さすがに戸惑ったので声を出して笑ってしまいました。そして同時に電車の中で何度目かの人権を喪失。全然つらくない。
まったく想定外の事態に「(エッ!?!)」となる安達に対し、黒沢は表情こそ平静を保ちながらも「(今日から二人っきりのスイートライフ)」と、さっそくペアな色違いパジャマでキッチンで安達とイチャつく妄想を展開させます。
安達に自分が作った料理の味見とかしてもらっちゃったり、一緒に洗濯したりする……。何も大したことしてない日常なのにめちゃくちゃ楽しそう……表情だけ見たら二人ともどこかのテーマパークにいるのかな?と錯覚せんばかりのとびきりの笑顔……。
なんか黒沢って、安達との記念日がめちゃくちゃありそうじゃないですか?初めて安達から挨拶された記念日、初めて安達から飯に誘ってくれた記念日……と増えていって、最終的に毎日が記念日になります。日めくりで安達との記念日カレンダーが作れそう。
そんなスイート同棲ライフ妄想が止まらない浮かれまくりな黒沢は無意識のうちにニコニコしていて、ご丁寧におかゆを息で冷ましてからの「やけどするなよ?」。ガッツリかまされてしまった安達は小動物なのでビビりまくり「(もうすでに、やけどしそうです……)」と思いながらおかゆを食べてアチチってなっちゃう。
さて、ここで「黒沢優一が舞い上がった時の心のギア、入れるのちょっと急すぎる問題」が露わになってまいりました。なんとなく終電逃した安達を家に泊まらせるあたりで強引さを感じていましたが、とにかく心のギアの入れ方、加速が急です。これは危ない。
安達的には向き合ってみようとちょっと勇気出してアクションを起こすと、ギアが入った舞い上がり黒沢から予想の3倍くらいの勢いのリアクションが返ってくるためびっくりしちゃうんですよね……しかし黒沢の舞い上がる気持ちも理解できる……。

会社にて、とにかく仕事をしながら定時が来るのが憂鬱な安達。
こんな日に限って仕事を押し付けてこない浦部パイセンは、あとよろしく~と言ってあっさり退社。
安達が憂鬱な理由の一つは、あのギアが入った黒沢のスイート同棲ライフ妄想で、思い出しながら「(ああ~っ!俺どうなっちゃうんだよお!)」と頭かき乱して困惑しまくり。それを見た藤崎さんが笑いながら「どうしたの?髪ボサボサ」と言いながら自分で乱した髪を直してくれる。
個人的に、ここでの安達の態度からしてもう藤崎さんのことは恋愛対象としては意識していないことが分かるし、黒沢に対する振り回され具合との対比が明らかに見えてくるかなと思います。
しかし、そんな仲良さげな二人をうっかり見かけた黒沢は当然ながら嫉妬。なんと安達のデスクのすぐそばで帰ってくるのを待機するという、なんかもう本気度がすごい行動に出ます。黒沢は今舞い上がってると同時に、藤崎さんに嫉妬したりして焦りのようなものもあってか、だんだんギアもおかしくなってきている。
戻ってきた安達は少し離れたところから「(何で黒沢が?!)」と思っていると、黒沢から「何時ごろ終わる?一緒に帰ろう」とメッセージが来る。自分を待っていると分かり「少し、お時間ください……」と言ってこっそりその場を離れようとする……と、そこに来るのがタイミングのよい六角。それでこそ六角です。
声大きめの「あ!!!安達パイセン、発見!!」を聞きつけた黒沢が笑顔で「安達、ここにいたのか」と駆け寄ってきます。六角~~と心の中で責める安達。
そこを無自覚にたたみかけていく六角「黒沢さんと安達さんってマジ仲良いっすよね。今日一緒に出社してましたよね」と切り込んでいく。安達は見られた!?と焦って「あれは、たまたま駅で」と誤魔化そうとするも、すかさず黒沢が「安達の家に居候させてもらってるんだ」と被せにいったところで、心のギアはどこかへ飛んでいったのを感じました。六角から(客観的に)見て、安達と仲良いって言われたのめっちゃ嬉しかったんだろうな……。
ええ!?言っちゃう感じ!?と戸惑いしかない安達に意味深に微笑む黒沢。もうこの暴走は誰にも止められそうにありません。
なぜか居候してる理由が気にならない六角は「めっちゃ楽しそうじゃないっすか!俺も遊びに行っていいですか!?」とぶっこんでいく。あれ?!もしかして……六角ならこの暴走を止められるかもしれない……。
「俺も仲間にいれてくださいよお!安達先輩と俺の仲じゃないっすか!」と言いながら安達にじゃれつく六角。どうみてもただの小動物同士のじゃれ合いにしか見えませんが、完全に心中穏やかでない黒沢。六角を安達から引きはがして遠ざけながら「でも、ほら、大勢で押し掛けると安達に迷惑掛かるから」と、どこからどう見ても六角は一人なのに大勢でと言ってしまう動揺具合。視界がブレてるのかな。
そんな中、安達は「(六角が遊びに来るってことは……)」と、何かをひらめいて「いいよ!」と快諾。めっちゃ盛り上げますよ!と意気込む六角に対して普通に死にそうな黒沢……六角の参入によってお預けにされたスイートライフ……強く生きて……。
黒沢的には、あの安達からの食事の誘いも突然の六角参入のせいで流れてしまった経験があるので、本当にかわいそうです。しかも今回は安達の方から回避しに行ったのでよりかわいそう。

一方、その頃の柘植は、何やら恋をすると愚かになるという言葉をかみしめていました。そしてあの配達員と会いたいがために、迷惑と分かっていながらも時間指定で1時間ごとに鬼注文するというアウトな荒業を決行。よい子は真似しないでね案件ですが、柘植の頭の中はあの配達員と会う事だけしか考えていません。
インターホンが鳴って意気揚々と扉を開けると、残念ながらあの配達員ではありませんでした。次々に届く荷物、しかしお目当ての配達員には全然会えません。
あまりにも会えないので偵察に出てきた柘植。担当エリアが変わったのか、シフトが入っていないのか……と可能性を考えていくうちに、もしかしてあの配達員に自分の気持ちがバレていて二度と配達なんか行くか!と思われているのではないかと妄想して激しく頭を抱えます。マジで柘植の独壇場。
しかし、その直後で少し離れたところであの配達員がダンスの練習をしているのを発見。そして微笑む柘植……。
「愚かであることが、止められない」と安達にちょっと恋愛哲学LINEするの笑いました。柘植の愛くるしさと親近感が回を追うごとに増しています。

そんなLINEをみた安達は「最近どうしたんだろ、こいつ」と全くその恋愛謎哲学が響いてない模様……と思ったら、六角からのたこ焼きあーん事件が発生。
陽キャのライトなノリに戸惑うも、素直にあーんと口を開ける安達。私からすれば全然小動物の戯れですが、そんな二人をものすごい顔で見ている黒沢。ついに表情が言語を越えてきました。「この町田啓太がすごい!」大賞にノミネートおめでとうございます。
六角が作ったたこ焼きを食べて「中とろとろ!」と褒める安達、そしてはしゃぐ六角。黒沢はあーんの衝撃と六角のたこ焼きを褒めたことによる思考停止で、ぼーっとしたまま熱いたこ焼きを唇に付けちゃって普通にやけどとしそうになってたのがあまりにもかわいそうで笑ってしまった……いや本当、黒沢って全然完璧じゃないんだよね……そもそも完璧な人間なんていないもんね……。
そして絶対に六角のたこ焼きを褒めたくない黒沢は「うん、悪くないな」という言葉で乗り切る。
そして六角は、安達の口にソースとかが付いているのを見つけて「安達さん、ついてますよー」とティッシュで拭いてあげる。
何ともかわいい小動物の戯れが続いて大変癒されるところですが、黒沢はガチギレ。ああ……今度こそ六角でもこの黒沢は止められないのでは……と見守っていると「今度は俺が焼こうかな」とたこ焼き生地を手に取ります。あくまでも後輩という立場の六角は、ゆっくり食べててください!と生地を譲りません。
何だこの生地の取り合い?と思ってたら、やっと六角に生地を譲ってもらえた黒沢さん。おめでとうございます。安達もなんか黒沢の勢いがガチすぎたせいかいつもと様子が違うな?と感じていると、なぜか出来上がったのがアヒージョ。
えっ……あの……生地は……??黒沢さん……まさか……本気を出して生地を消したんですか……?安達に褒められたいから大量にたこ焼きを作ったんですか……???中がトロトロのやつを……???
忽然と消えた生地の行方はさておき、アヒージョに「ん~!うんま!!」と素直に感動している安達。安達に褒めてもらえてうれしい黒沢。やっとここに平和が訪れました。ラブアンドピース。
皿を受け渡すときに触れたところから「(そろそろソース以外の味が欲しくなるころだもんな~。分かってるよ、安達のことは全部!安達のうんま!は俺だけのものだ)」という黒沢の心の声が聞こえる。何!?!すごい急に独占欲をぶっ飛ばしてくるじゃん……!?そしてもう今は生地の行方とか超どうでもいいけど、多分大量にたこ焼き作った後説が濃厚です。締めのアヒージョ。
「(でも少し大人げなかったか……六角に嫉妬するなんて。会社では藤崎さんに嫉妬して、もっと余裕持たなきゃな)」とビールを煽る黒沢。お疲れ様です。
そして安達は薄々感じていた黒沢の異変が嫉妬が原因だったことが分かると「(黒沢、可愛いかも)」とにっこり。安達はとっさに黒沢とのスイート同棲ライフを回避こそしたものの、安達の中の黒沢への気持ちはどんどん深くなっていくという大変不思議な展開です。まあ急がば回れって言いますしね……。
ここで名探偵六角、安達の部屋にたくさんの文房具をみつける。「俺こういうのめざといんですよね~!大学の時もサークルの奴がエロサイトお気に入り登録してるのすぐ見つけちゃって」「それ全然違うだろ」「ふふふ、ですね」という小動物の戯れ。かわいい。
そこで黒沢が「サークル何入ってたの?」と聞くと、ダンスサークルに入っていたと言う。そして当時の写真を見せてくれる六角。あれ……?なんか一緒に映ってる見覚えのある金髪……と思っていたら「同期で一番うまかった奴はまだ続けてるんですけど、何事もあきらめが肝心ですからねぇ」とちょっと寂しげに言いながら安達の肩に腕を乗せ、新しい写真を見せてくれます。
「(なに夢諦めた話してんだろ。ダサ)ま、才能がなかっただけなんですけどね」と、六角の心を読んだ安達が思わず「いいじゃん。今は営業部のエースになりたいんだろ?新しい夢見つけて、また頑張ろうって思えるのすごいと思うけど」と言うのです。
まさかそんなことを言われるとは思わなかった六角はびっくり。「俺なんて夢も才能もないし、ただぼーっと生きてるだけって言うか……六角がうらやましいよ」と安達が話すのを、何とも言えない顔で見つめている黒沢。励まされた六角は「ありがとうございます!」と言っていつものテンションに戻る。激辛ロシアンルーレットやり始めるところで終わったので……きっと誰かが餌食に……。

夜も更け、寝ている3人。安達はベッド、下には黒沢と六角。爆睡してる六角のいびきで寝れないが寝たいので目を瞑っている安達と、胸の上に腕を放り出されてる黒沢。するとおもむろに黒沢が起きます。
黒沢は眠っている安達を眺めていたと思ったら、ちょっと腕に触る。それではだけ気味の布団をかけなおしながら「(六角がうらやましいって、本心なのか?なんでそんなに自信ないんだよ。俺なんて、なんてもう言うなよ。安達は俺にとって、特別なんだから)」この時の横顔のすばらしさったらない。暗い部屋の中に照明で輪郭がぼんやり浮かび上がるのも、柔らかい光が入った目線も、全部すごすぎ。この度は「この町田啓太がすごい!」大賞グランプリの町田啓太さん、本当におめでとうございます。
それで黒沢は、安達の顔に向かって手を伸ばす。その伸ばした指先がちょっと震えてる感じと表情の繊細なこと。そして寝返りを打った安達に、我に返った黒沢はキッチンに逃げる。
安達は「(びっくりしたぁ、急に何だよ……)」って感じだけど、黒沢はもう自分自身に動揺しまくり。「何やってんだ、俺……」と、安達を求めるようになってしまった自分に苦しんでいる。
自分が今眠っている安達に何をしようとしたのか、そしてだんだんコントロールを失いつつある自分自身が怖くなっているのではないか。今までの安達との距離感だったら完全に自分をコントロールができていて、表情にも出さない、変に焦ったり嫉妬もしない。ただ密かに、少し離れたところから思いを募らせるだけ。
それは黒沢が、安達からの見返りを全く期待していない、最初から自分の恋心は成就するものではないと思っていたところがとても重要かなと考えます。
でも、今は少し状況が違う。なぜか急に安達が自分からこちらに近づいてくれるようになって、本当に今まででは考えられないような、黒沢にとってご褒美みたいな瞬間であふれている。
安達と一緒にいられるのは幸せだけど、これ以上安達に近付いたら自分のコントロールができなくなってしまうことに気が付いた。
すぐに手を伸ばせば触れる距離にいるのに、それができないという大きなジレンマを抱えている。これは相当苦しい。

翌朝。六角のスマホのアラームで起きた安達。
しかしそこには黒沢の姿がありません。残されたのは丁寧にたたまれたシャツ。
「(何も言わないで出ていくのは黒沢らしくないよな……LINEも既読スルーだし、やっぱ昨日の夜の事……また俺のせいで苦しんでるのか……)」
すると黒沢の方から「今日何時ごろ終わる?一緒に帰ろう」という返事がきます。そこで安心した安達は「(なんだ、考え過ぎか)」とオッケー!なスタンプで返事をします。急にキャッキャする。
この時黒沢のLINEの画面が映るんだけど、遅くなってるとすぐ手伝おうとする黒沢が安定の健気でした。そして思い詰めた横顔。

約束通りに一緒に帰る二人。
昨夜のアヒージョを褒め倒している安達と黒沢。
そして安達は「でも、この前のおかゆには負けるけど。俺さ、家族以外におかゆ作ってもらったの初めてで感動しちゃってさ……」と言うと、どこか心ここにあらずな黒沢。
「感動とか、大げさだったかな」と言うと、ううんと笑う黒沢。ここで安達は「(そうか、こういうのが重いんだな)」と学生時代の頃の自分を思い出す。同期の子たちが彼女がいたことのない自分の話をしていて、それちょっと重いよね、なんて言われているのを聞いてしまう。ショック。
個人的にマジで思うんですけど、経験がないことに対して重いとか面倒とかそういう風に感じる風潮は一体どこから始まったのか、甚だ疑問です。負い目に感じる必要なんて全くないのに。
そもそも恋愛経験に限らず、自分の経験は他人と比べるようなことではないわけですよ。自分の経験は自分だけのもの。
それを勝手に比べて下に見て、重いとか面倒とか思われるのであれば、相手が自分をその程度にしか見てないというだけの話です。シンプルに関わらなければいいだけ。とってもシンプル。
もし自分の近くで大事にしてくれる人と出会えなかったとしても、世界は広いので焦る必要は皆無。そして私たちにはどこにでも繋がるインターネットがあるので。
急に話が逸れたので一回戻します。安達は自虐的に「この年だったら普通、恋人とかに看病されたことくらいあるよな」と言う。何も言わない黒沢に落ち込んじゃう安達。
すると黒沢は「安達と付き合うやつは幸せだな。デートしたり、一緒に飯食ったり、手つないだり、全部初めてってことだろ?すっげー嬉しいと思うよ。……俺だったら、めちゃくちゃ嬉しい」という。誰とも付き合ったことないことを負い目に感じたり、自虐するような安達がもどかしいし、その相手になる誰かのことがすごくうらやましい。そして好きな人の恋愛の相手が自分だけであることがどれだけ嬉しくて奇跡的な事なのかを、黒沢は痛いほど分かる。
そして自分にとって特別な存在の人が自分のことを肯定できずにいることがいかに切なくて悲しいことなのかが改めて心に来ます。ああ、自己肯定感…………。
そして黒沢は何かを心に決めたように向き直って「もう泊めてもらわなくて、大丈夫」と言う。安達が「でも、まだお姉さんが」と言うと、「これ以上一緒にいるのしんどいんだよ」と言ってしまうのです。
安達は自分に思いを寄せているはずの黒沢にそんなことを言われるとは思わなかったので、当然驚くしショックでもある。
それから黒沢は、かすかに声を震わせながら「俺、お前のこと好きなんだ」と自分の思いを吐露する。
ここは第n回全日本告白する町田啓太コンクールでゴールド金賞。
安達と一緒にいてしんどい理由を変に誤魔化したりせず、ちゃんと素直に告白した黒沢の思いの深さ。
そして「しんどい」ことに対して安達に原因があるとか、安達が悪いんじゃないことを強調するために自分で身を切ったのではないかと思うんですよね。すごい。
多分黒沢は一生言うつもりなかったはずで、距離が縮まったら今までよりも安達の事がどんどん好きになって、ダメだって分かってても期待して焦って嫉妬して……と、今までになく心を揺さぶられている。そのたびに大好きな安達には今も、これから先も、恋人という立ち位置で自分を求められることはないと目を覚ますのがどれほどつらいことだったのか。ストイックすぎ……。
それで黒沢が出した答えというのは、安達を求めるわけではなく、安達から距離を取ろうとするんですよ。すごくないですか?大事で特別だからこそ、自分で遠ざけようとしてしまう。とんでもない拗らせ方だ……という6話。

中盤まで安達が相変わらず小動物になったり、子になったりするので終わりに近づくにつれて大変忙しい気持ちです。
しかもちょいちょい黒沢の愛と献身具合が深すぎるあまり、普通に親子みたいな状態になったりしていましたが、マジでそろそろ安達への愛がマリアナ海溝ぶち抜いてマントルに届きそう。安達への愛で地球を割りそうな男、黒沢優一。
さて来週7話の予告、まさかの黒沢片想い歴7年という衝撃の年月が明かされましたので楽しみにしていきたいです。ほとんど生殺しですが今週も頑張って生きましょう。
ところで、もうプラスアクトはご覧になりましたか。完全に買いのやつです。

今回も騒がしいところお付き合いいただきありがとうございました~。


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