日本BLドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」第10話を本気で見た

連ドラウォッチャー的に、話数が二桁になった途端に急にヤダちょっと待って早くない?急に?という気持ちになるというあるあるを今回も感じつつ、早速本題にいきたいと思います。

冒頭、先日めでたくご卒業された柘植先生からのありがたいお言葉「毎日、おはようだのおやすみだのを言う相手がいるというのは、実にいいことだ」
唯一の親友である安達に電話を掛けながら、今の幸せとありがたみを噛みしめる柘植先生に「よかったな」と言う安達。
「まあ、部屋にモノが増えて少し窮屈になったというのは間違いないがな」というところで完全に柘植の趣味ではない、つまり湊の趣味のものが部屋のいたる所に増えている。たぬき的なペアマグカップとか、ピアスがおいてある猫のトレイとか、歯ブラシは2本とか、パーマかけたあとにカール付ける時とかに使うCOSME CURL……ていうか最初は気づかなかったけど柘植の洋服の感じも若干変わってない??!!あれ?!?!なんか古着的なものを取り入れ始めてない???!!気のせいかな?!!?気のせいかも!!!
そして何よりも地味に枕2つ並んでるのがヤバくて、おお……ってなりました。ずっとそのサイズ感のベッドで寝ていく感じでしょうか。いいと思います。
「今度自転車を買いに行こうと思ってな。実は湊が俺と一緒にできる趣味がほしいと言ってな。フフフ」「そっかー、よかったな」「自転車なんて柄じゃないんだが、湊がどうしても俺と一緒にやりたいって……可愛いこと言うよなあ……」
ここでもう湊の健気さというか、ちょっとでもいいから好きな人と出来事を共有していきたい性格みたいなところが出てきちゃってて大変かわいい。さては彼、結構恋人に尽くす子なのでは?と睨んでいます。
安達はそんな浮かれまくった柘植の惚気を「んー、良かった良かった」とうまく聞き流していると、さすがに流されていることに気づいたらしい柘植が「他に無いか?!さっきから良かったしか言ってないぞ!?」とちょっと怒るの笑っちゃった。何その軽い理不尽。
「あ、ごめん。ちょっとコンペのこと考えてて」と謝る安達。根っからのいい子。「コンペ?」「うん、ちょっとやってみようって思って」「そうか……新たな挑戦は人を大きくする。頑張れよ、安達」と名言で応援してくれます。ここにも根っからのいい子が。
「ありがとう」「忙しいみたいだから、そろそろ本題に入るが」
いや本題じゃなかったんかい!と、安達と同時に視聴者の8割くらいはツッコんだんじゃないかなと思います。柘植先生ボケ(天然)の才能もある。
「安達、俺は、脱・魔法使いしたぞ」
待って。こんなに落ち着き払ってハキハキといい声で童貞を卒業したことを発表する人いますか?すごい。
「マ!?マジでえ!?!」と立ち上がって驚く安達。
「ああ、あの都市伝説に間違いはなかった」「やっぱりそうなんだ……」「お前もいずれ、脱・魔法使いするから安心しろ」「ん、うん」ここの頷く安達……私達はどうすれば保護できますか?国が保護しないなら一体何で保護できますか??仕草にいちいち保護を掛けたくなってくる不思議……。
「まあ、先輩の俺から言わせてもらうがな」「なに?!」「喪失なんて言葉を使われたりするが、何も失われない。大丈夫……そんなに恐れることはn」という浮かれきったのなんとも言えないウザさに思わず電話を揃る安達。正解だと思う。
そんなこと、言われてもなぁ……と脱・魔法使いについて思いを馳せる。

回想に入りまして、あの柘植と六角がバチバチやりあったと思われる喫茶店で黒沢と話している安達。
「コンペの参加申込書出したんだ?」「うん。今日から本気で頑張る」「じゃあ、しばらくデートはお預けか……」「えっ」
ここでデートしないの!?みたいな感じでびっくりする安達の可愛さ。全然デートはする気でいた模様。
「コンペに集中しなきゃだろ?俺も安達の邪魔はしたくないし」「あ、え、でも」「言ったろ?俺、楽しみは後に取っておきたいタイプなんだ」ここまでくるともうどこかで悟りでも開かれましたか?としか言いようのない強い精神力を見せつけてくる黒沢。
自分を思いやってくれる黒沢が嬉しい安達はニコニコして「じゃあ、俺も楽しみに頑張る」という。いい子ですね。
すると黒沢は、何も言わずに企んだような笑顔で安達を見つめます。そんな黒沢に対して「なんだよ?」と聞くと二人してすっと顔を近づいて「お預けされた分、ご褒美期待しちゃおっかな」
ここで……ここで黒沢という男、ご褒美というワードを選びましたか……ものすごく含みをもたせてきた……と思ってたら「ごほうび?」と聞いちゃう安達。まあ当然、黒沢は笑みを湛えるだけで答えません。喫茶店では言えないご褒美をご所望で……。

回想から戻ってきた安達は、テーブルに顔を乗せて、ご褒美というのはすなわち……「やっぱそういうことだよなあ」となんとなく黒沢の下心を察する。
そして、まだ心の準備が……いや、黒沢となら別に……と思考が行ったり来たりする安達。コンペに集中!と思いながらも結局ご褒美案件に思考を奪われるの繰り返し。お疲れ様です。
ここで視聴者的には、ちょっと定義がよく分からないフェーズに入ってきた「脱・魔法使い」的なことでいうと、安達が黒沢を?それとも黒沢が安達を?いやむしろ相互で?といったポジションが気になる方も多いかと思うんですけど、そこはもう「ちっちゃいことは気にすんな」でお馴染み、ゆってぃ精神を心に携えて行きたいと思います。あのワカチコの意味知りたすぎて調べたら少年隊のデカメロン伝説のイントロらしいです。少年隊以外のワードが全部よくわからなくてただただ謎が深まりました。

会社では、藤崎さんと安達と黒沢の3人で安達のコンペのためのアイディアの詰めを行っていました。
「あーどうしよう。締め切りまであと3日しかないのに」という安達に、黒沢「焦るなよ、まだ3日もあるんだから」藤崎さん「そうだよ納得行くまで頑張ればいいじゃん」と応援してくれる。
「これどう思う?」と提示された安達のアイディアを覗き込む二人。安達の字が可愛くて、あらあら、性格がここにもにじみ出てくるんだなと……字が可愛いのいいな……筆圧が強強女的に羨ましいです……。
安達のいい感じのアイディアを見た藤崎さんは「悪くないんじゃない?!」といい、黒沢も「俺も面白いと思うけど」と言われ「ホントに!?」ととっても嬉しそうに驚きます。このときのニッコニコな安達を見ている黒沢と、安達のアイディアが書かれたノートを見ている藤崎さん、という対比がめちゃくちゃ面白いです。いつでも安達をガン見している男、黒沢優一(Kurosawa is always looking at Adachi.)。
そんな盛り上がってるところに後ろからやってくる六角「なんかフツーっすね」。「六角(怒)」「ちょっと言い方(怒)」と二人から咎められてしまう六角。ズバズバ行くのいいよね。びっくりするくらい憎めない。
しかし安達は「普通かぁ……そうなんだよなぁ……」と本人も分かっていたところだった様子。考え込む安達に黒沢は「あんまり考えすぎるなよ。こういうのって何でもないときにふっとひらめいたりするもんだし」といい感じに緩めてくれる。いいパートナー。

自宅でアイディアを練っている安達。なかなか思うように行かずにいると、パーカースタイルの黒沢がマグカップを持ってきます。
いるんかい。デートはお預けという話だったのが秒でお家デートをしている。いやもうこれは逆にすごくない?一緒に家にいて、頑張る安達を応援して、いい頃にコーヒーを持ってきてあげる人になれる黒沢、ものすごいんじゃない??そしていろんな定義が分からなくなってきた。
「ありがとう。……なんかごめん。せっかくの休みなのに、俺こんなんで……」「俺は安達といれたら嬉しいけど?」
あ……さては黒沢という男、安達の家にやんわりと押しかけましたね……?休みの日はどうしても一緒に過ごしたい黒沢ですね……?と思ったんですけど、安達が嬉しそうだったのでもしかしたら「なんもやることとか無かったら……俺ん家来ない?」って言った可能性もあります。
「少し休憩しよっかな」と言って、ベッドにもたれて座る黒沢の隣にやってくる安達。黒沢がなんか本読んでるな……と思ってよく見たら柘植の著書「別れのブルームーン」でした。小道具使いの良さ、テレビ東京。
「そういえば昨日、六角が言ってたよ」「え?」
会社にいる六角が「黒沢さん、俺営業頑張ります!」「どうした急に」「安達さん見て、やる気スイッチ入りました!」とやる気が漲っている六角。
自分も安達みたいにもっと頑張んなきゃって思ったみたい、と黒沢に言われた安達はただ「そっか……」と言う。
「どうかした?」「嬉しいけど、なんかちょっと複雑で。実は、昨日の帰りさ……」
オフィスで仕事に勤しむ安達に、先に帰る藤崎さんが「コンペ頑張ってね」と言ってチョコレートを2つおいて行ってくれる。すると後ろにいた浦部パイセンが「後やっとくから、帰っていいぞ」といつもとは真逆のことを言う。しかも肩に置かれた手からは「(コンペの準備があるんだろ。早く帰れよ)」と頑張る後輩を応援してくれている。パイセン……。
「浦部さんってそんなこと言うんだ?」「言ったっていうか、まあ……うん……」と心の声を読んだことを濁します。危ない。
「藤崎さんも浦部さんも、みんな安達のこと応援してるんだな」「そうなんだけど、みんなの気持ちに答えられなかったらって思うと……」と、早くもプレッシャーに押しつぶされそうになっている。
「黒沢すごいよな。いつも周りの期待に応えて、完璧でさ……」と言う。
安達は何気なく言った言葉なのかもしれないんだけど、黒沢には結構心の闇の部分というか、かなりデリケートなところを突いてこられたんじゃないかなと思うんですよね……。
なぜなら黒沢は、期待やプレッシャーを受けることを他の人よりもずっと多く経験してきた。常に見た目のイメージから頑張って結果を残すことが当たり前で、結果を残し続けていけば見た目だけじゃなくて中身を見てもらえると思い、結局どんどん追い込まれていったという経験があります。
ひょんなことからそんな黒沢のことを救ったのは安達だったわけですけど、そこはまだ安達自身は分かってないところだったんですよね。
しかも、やっぱり安達の中では「黒沢のおかげで」っていう部分がとても強くあるから、安達は自分が黒沢のためになっているっていうのがよく分かってないような感じでしょうか。これまでの安達の考え方を思えば、そんな人間誰でも急に自分に自信を持てるわけがないし、仕方ないことなんだけど、黒沢のことを思うとちょっと切なかったな……。
すると黒沢はおもむろに「ちょっと出かけない?」「えっ」「デートの練習だよ」
デートの、練習……???付き合ってる二人が……デートを練習する……?

そんなわけで二人がやってきたのは遊園地。
なんか近未来的な変形ティーカップに乗っている二人。安達はきょろきょろしていますが相変わらず黒沢は安達をガン見です。
「なんか、やっぱ俺たち浮いてない?」と黒沢に聞く安達ですが、黒沢はそんなことどうでもいいのでとにかく安達を撮りまくり。普通に安達のイベントスチルを集めるオタクみたいなことになってて笑いました。
ひたすら嬉しそうだし「これ見て」とか言って笑いながら安達に見せるのもマジ……まあ楽しそうだからなんでもいいですね……世界平和……。
ちゃっかり待受にしたがるあたりが抜かりないし「絶対やだ」っていうのを「しちゃおー」って返すし、なんかもうずっと平和。平和以外に感想がなくなるくらいの平和さ。
一緒に水鉄砲のゲームとかして、クレープ食べたり、メリーゴーランドに乗ってみたりして、その時も動画撮られて笑い合ってたりしてずっと平和。
ちなみにこの遊園地、ほぼアドリブですよという公式からのお知らせを見て納得しました。やけにメリーゴーランドでの安達からの「俺(乗ってるのが)カバなんだから」押しがすごいなと思ってたけど解決した。赤楚エモーショナル衛二先生、おもしろいぞ。
そして画面のエフェクトも相俟って、ま〜〜〜〜ずっとかわいい。安達モードの時はきゅるんきゅるんがガガガッと来ますよね。キラキラのきゅるんがガガガですわ。
メリーゴーランドを終えた二人。
「少しは息抜きになった?」「うん、おかげでスッキリしたよ。ありがとな」「俺も楽しかったよ。安達とデートの練習ができて」「ていうかこれ、ふつーにデートじゃん!」
あっ、だよね!?!?よかった〜〜すごい新しい概念すぎて考えまくってたけどやっぱりそうだよね?!!?と思ったのもつかの間。
黒沢は頑なに「いや、練習だって。デートはもっと特別なものにしたい。だって安達にとって初めてのデートだろ?」と言い張ります。
いや、いいんだって……そんな特別じゃなくても、こういう気負わずキャッキャした平和なのがデートでいいじゃないの……黒沢ってばセルフハードル設定に慣れすぎてんのかな……という個人の感想はありますが、安達が黒沢にすごく大事にされてるんだなということがよく分かるのでいいと思います。
すると安達が急にアトラクションのバイキングに食いつく。「バイキングじゃん!いいなあ!ああ〜あれ乗ってみたかったんだよな……!」と体全身のワクワクが止まらない。安達が乗りたいものに乗らないという選択肢はないのですぐ乗りに行くことを提案してくれる黒沢。
意気揚々と乗り込みまして、最初は二人とも「うおお〜〜」と楽しんでいましたがだんだん酔ってきて白目剥いてくる安達。この酔い方が妙にリアルでありつつコミカルな白目で笑った。おもしろのさじ加減。なんか分かりませんけど赤楚エモーショナル衛二先生に体調不良の演技させたら、今のところ右に出るものいないのでは?
おおはしゃぎの黒沢と酔いでグロッキーな安達が面白くて、なんか黒沢と安達は噛み合ってるんだけどたまにズレて二人して「アレ???」ってなるのが好きです。人と付き合うってこんな感じあるよね、みたいな。
テーブルでぐったりしている安達に急いで飲み物を買ってきてくれる黒沢。
「大丈夫か?」「あ、うん。ありがとう……こんなに酔うと思ってなくて」
と、だんだん申し訳なくなってくる安達。
「(何やってんだ俺は……最後の最後に空気壊すようなことして……黒沢もテンション下がるよなぁ。せっかくのデートの練習、台無しにされて……)」
いや違うのよ。安達。そもそもこのデートの練習は、誰とのデートの練習かって話ですよ。これは安達とのデートの練習なわけだから、安達がデートの練習を台無しにするということはまず有り得ないわけ!!!!安達が黒沢との時間を楽しんで、安達と黒沢がお互いに乗りたいもの乗ったり、やりたいことをやっていこう、っていうデートでもいいわけですよ!!!ましてや練習なんでしょ!??練習は失敗してナンボじゃん!?!ねえ黒沢さん!!!
なんとかこの空気をリカバーしたいので「で、でも今日は楽しかったよ!また行こうな!」っていう安達に、黒沢は何やら複雑な面持ちでうなずきます。
その反応を受けて「(も、もしかして怒ってる!?いや、黒沢はこんなことで怒るやつじゃ……きっと疲れてるだけだ)」と思った安達は「黒沢も疲れたんじゃないか?」と試しに聞いてみますが、さらっと「俺は別に」と言われてしまいパニックに。
「(ええ〜〜??やっぱり怒ってんの?ヤバい……黒沢の考えてることが分かんない!)」と、たびたび黒沢の考えてることが分からなくなってしまう安達は、ふと自分の魔法のことを思い出す。
「(そうだ、こういう時は……)」とそれとなく黒沢に触れる。えっ、そこ?触るのそこなの?しかもちょっと摘むような手で……?逆に難易度が高くない?と思っていますと、黒沢の心の声が聞こえてきます。
「(元気付けるつもりがなにやってんだ。安達がこんなに具合悪くなるまで気づかないで……頑張ってる安達も好きだけど、俺といる時は楽しんで笑っててもらいたいのに)」善意と好意が大渋滞。
それでここの黒沢の気持ちを知った安達の表情がすごく良いです。安達はもともと相手の気持ちに寄り添うタイプではあったけど、相手の気持ちを知ることで相手の中へと踏み込んでいけるようになるっていうのがよく見える。
帰ってきてコンペにやる気を出す安達。

企画開発部から出てきた安達は、会社に戻ってきた黒沢の後ろ姿を見つけてお疲れと声をかける。そして「今日って、空いてる?」「うん」「あのさ……でっ、デートの練習、したい」っていうんだけどこれヤバくないですか?何がヤバいのかって言われるとアレなんですけど、ちゃんとデートの練習という概念を持っている安達。そして黒沢にデートの練習がしたいと言う安達……そしてこのインパクトを受けた黒沢の顔……。
そんなデートの練習として向かったのは、まずは本屋さん。
ここで地味に原作の漫画と共演するの笑いました。わかりやすいド派手な等身大パネルとかじゃないところがいいですよね……地味さが好き……。
「今日、ラグナクリムゾンの発売日!」と言ってみせる安達に、黒沢も喜びます。唯一とも言える共通の趣味、ラグナクリムゾンの話で盛り上がる二人。平和ですね。そしてその作中の眼鏡が伊達というカミングアウト草。
本屋の後は安達が行きつけの居酒屋に行き、黒沢は安達の行きつけに行けたという嬉しさを溢れされます。
安達は一冊のファイルを黒沢に差し出す。それはコンペの企画書で、「エールクリップ」という普段口に出せないエールを同僚に伝えたい時に使えるクリップを考えていました。
「照れくさくてなかなか言えない言葉を、クリップにして相手に伝えられたらなって……」ファイルの中身を見た黒沢に「安達らしくていいと思う」と言われ、にこにこしながら「ありがとう」という安達。
そして「俺さ、気づいたんだ。こないだ、黒沢とデートの練習して……大切な人には、ちゃんと自分の気持ち伝えなきゃって。気持ちがわからないと相手も不安になるし。俺は、黒沢と一緒に楽しいことしたい。俺ばっか楽しませてもらうんじゃなくて、黒沢も楽しくなきゃデートの意味ないと思うし。俺といる時には黒沢には楽しんで、笑っててもらいたい」と言い切る。
このセリフでいいなと思ったのは、まず安達がただ魔法の力に頼っているだけじゃなくて、ちゃんと人に気持ちを伝えることが大事だって言うことに到達できたことだなと思います。それをまた素直に受け止めて、ちゃんと自分にフィードバックできるところも素敵だし、こんなの当たり前で誰もが分かってることだと思われがちだけど、実際はすごく難しいところだと思うので。
そんな安達の気持ちを聞いた黒沢は「もしかして、それで今夜の居酒屋?」と察し良く気が付きます。それで「……文句あるか」っていうのズルすぎ。
「いや、楽しいよ。安達といるならどこでも」と言う黒沢もいいですよね。ずっと相手への善意が行き交ってる。
すると黒沢は「じゃ、俺もちゃんと伝えないとな。安達、言ってくれてただろ?いつも周りの期待に応えて完璧だって」「うん」
このときの安達の頷きと曇りなき眼が真っ直ぐすぎ問題はありますが、とりあえず続行します。
「昔から自分に何が求められてるのか、考えて行動してたんだ。求められてることを完璧にこなせば、本当の自分を見てもらえると思って。だから、安達に対してもつい……ごめん、結局気遣わせて」
私の中では、別に求められてることを考えて行動するのは、なんにも悪いことじゃないと思う。むしろすごい才能。だけど、そのことだけにずっと集中していると、自分を出すタイミングがだんだん分からなくなってくるところもあるし、バランスが難しいですよね。何事もバランス。
黒沢の気持ちを聞いた安達は「いや、こっちこそずっと甘えっぱなしで……たまには、俺にも甘えてよ。完璧な黒沢も好きだけど、俺の前ではもうちょっと方の力抜いてほしいよ」と、ここまでで安達が、きっちりとあの遊園地での黒沢の心の声にアンサーを返していってることがわかります。律儀だね。
そしてまさか安達から俺にも甘えてよなんて言われるとは思ってない黒沢さん、目が泳ぎつつ「だって、安達に嫌われるの嫌だし……」。
安達はさらっと「嫌いになんねーよ」「ほんとに?」「当たり前だろ」
「ハンバーグ黒焦げでも引かない?」「作れるほうが尊敬するよ」「イビキうるさくても?」「俺のがうるさいし」「朝起きて鼻毛出てたら?」「それもぜんっ……それはちょっと……」と真剣に考えたところで急に笑い出す黒沢さん。全然良いんだけどその不安ポイントが独特じゃないですか?そして安達の引っかかるポイントも独特だね?カバには及ばないけど。
「なんだよ〜!人が真剣に話してんのに!」「ごめんごめん」と言いながらずっと笑っちゃう黒沢。いやもう楽しそうでいいです。幸せそうでなにより。人間は幸せと平和が一番大事。あと健康。

居酒屋からの帰り道。
黒沢が「良い店だったなあ。料理もうまかったし」「よかったぁ。あそこ、12月入ると混んでてなかなか入れないんだよ」「へー……12月。俺達付き合って、初めてのクリスマスだな」「そうだな」からの、さりげなく安達の手を狙いにいく黒沢。
そこで手をつないだ安達は意図せずに聞こえる黒沢の心の声により、クリスマスイブが花火デートで最高の初めてにするというキメキメのデートプランを聞いてしまい、うっかり「イブに花火なんてあるんだ」と心の声に普通に答えてしまう。
「え?」「えっ?」「今俺花火って言った?」「(ヤベッうっかりしてた!)うん、言った言った!」「うーわ、なんでだよ〜もう。せっかくサプライズで驚かせようと思ったのに」と、とんでもないサプライズ計画を企てていた黒沢は口を滑らせたと思って自分にがっかり。
安達は「(どうしよう、俺のせいで……今まで考えたことなかったけど、普通他人に心の声を聞かれるのとか嫌だよな……このまま秘密にして付き合ってて良いのか)」と律儀な安達は考えます。
このタイミングで黒沢が「でもびっくりした。一瞬、安達に心読まれたのかと思った」と言うわけです。それに加えて「(もし読まれてたら、俺……)」
これ以上黒沢の心を読んではいけない、読みたくないと思った安達は黒沢の手を離す。とっさに携帯どこいれたかな、と言って探すふりをする。
「(そうだよなあ……いくら黒沢でも、この力のこと知ったら、きっと俺たち……今まで通りじゃ……)」

といったところで、以上が10話でした。
後半につれてこのストーリーの核である「人の心を読むこと」について、残り2話で深く踏み込まれていくと思うとすごく楽しみです。
ただの思いやりが溢れた恋愛ストーリーだけで終わらずに、人の心を読む魔法という、このチェリまほのオリジナリティを最大限に活かしていってくれたらいいなぁなんて思っているところです。
恋愛することの高揚感や楽しさもそうだけど、人生それなりに生きてると、いっぱい考えたりいっぱい悩むことって面倒だし、大変だから心に余裕がない時とかだと避けがちじゃないですか。
でも、何だかんだ言って、考えたり悩んだりすることで人は成長する。成長することによって、また今まで見られなかった新しい景色を見ることができるんだなって、とっても人として本質的なことを感じ取れるドラマになっていると思います。
なぜかもう前回辺りから余韻が最終回みたいなテンションになっちゃってますけど、まだまだあと2話+TSUTAYAでの特別編がありますので最後まで全力で楽しんでいきましょう。

ところで12月、チェリまほ原作6巻の発売が迫っております。早。めっちゃ先だと思って予約したけどもう今月……。

というわけで、今回もお付き合いいただきありがとうございました!


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