日本BLドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」第7話を本気で見た

前回のnoteがついに10,000字を越えてまして、1時間ならまだしも30分のドラマの話を10,000字……?と私の散漫さと情報をまとめる力の無さを痛感しています。語彙ないのに何で……?
今まで「書く」がゴールという感覚で、もう自分で書いたものはそんな興味ないねっていう感じで自分で書いたものを読み返したりすることってあんまりなかったんですけど、最近は読み返して「え……話のまとまりとは……?」と思う毎日です。
マジである程度タイトにしたい。
と言うわけで早速本題にいきます。タイトタイト。

さっそく冒頭、黒沢の告白のシーン。
安達に「俺……お前の事、好きなんだ」と告げるときの、声の震えの繊細なこと。最初、このキャスティングが町田啓太の時点で、いやいやこんなの見る前から勝ちでしかないけどと思ってたけど、見れば見るほど勝ちですね。勝ちを越えた勝ち。
そして、この時の安達の表情を絶対に見逃してはいけないなと思いました。目の動きと息遣いがマジですごい。安達はもう黒沢が自分のことを好きであることはとっくに知っていて、でもその気持ちはあくまでも黒沢の心の中で終わるものだって思ってたからこの顔になったのかな。
黒沢は「少し前まで、近くに入れればそれでいいって思ってた。でも……近くにいたら、欲が出た。同期としてとか、友達としてとか、そんなんじゃ嫌だ。初めてなんだよ、誰かをこんなに……」と言って、安達に向かって手を伸ばす。
ここで手を伸ばすのは、安達への淡い期待なのかな……黒沢の健気さ……。そしてここで自分から誰かを好きになった経験がないのは、実は黒沢も安達と一緒だったということになるのかなと思います。
いくらモテ・オブ・モテ人生であろうと、人の心に触れて、自分の心を動かされて好きになったのは安達が初めて。だからこそ余計に安達のことが自分にとって特別だと感じていたっていう。
手を伸ばされたとき、安達は落ち着かない様子で目を逸らす。
ここの黒沢は、多分また安達を怖がらせてしまった、自分の気持ちを受け入れられなかったと思ったんじゃないかなと思うんですが、安達は触れられたら黒沢の心を読むことになってしまうから身構えたと私は思います。今の黒沢の心を読むのは申し訳ないし、怖いし、どうしたらいいか分からない。
安達に伸ばしていた手を下ろした黒沢に、安達はあれ?と黒沢の方を見ます。黒沢は小さく息を吐き、あの笑顔を作って「ごめん、やっぱり忘れて。俺もそうするから」と言う。
戸惑う安達を前にして「どうしても、気持ち、伝えたかっただけだから。自分勝手でごめん。次会ったら、全部元通りだから」とちょっと詰まりながら笑顔を崩さないように必死な黒沢。
安達は呆然と立ち尽くしながらも、黒沢のことを引き留めなきゃ……と思う。また同時に、引き留めてどうするとも思っていて、結局「もうわかんねえ……」と頭を抱えます。見るからに無理して笑顔を作って、今にも崩れそうになってる黒沢を放っておけないっていうのもあるけど、勢いで引き留めたとして、まだ自分の中で黒沢への気持ちをちゃんと言葉にできていない状態で向き合うなんてことはできない。黒沢姉の件で、黒沢の気持ちが自分以外の誰かに移ってしまうのは寂しいとまでは分かっていても、ただ寂しいからって黒沢を引き留めていいのか。そもそも寂しいって思う理由が分からない……いやあでも、一気に頭で処理するのって大変だよね……。自分だけの問題じゃないから余計に……。
黒沢は少し歩いたあと、立ち止まって息をつくんですけど、この時の今にも泣きそうな感じが、どれだけの気持ちを抱えてきたかをすごくよく表現していて素敵だった。さっき、ちゃんと笑顔作れてたのかなとか、好きでどうしようもなくて伝えたけど、やっぱり言わなきゃよかったかもしれないという後悔とか、ああ言っても元通りになんかできるわけないのにとか、次会った時の安達が自分にどんな態度を取るんだろうとか、それはもう色んな気持ちがあったんだろうなと思って泣いた。本当によく頑張った。黒沢はすごい。
そして町田啓太の俳優として、人間としての心の深度が伺えてとんでもなく素敵でした。

さて、黒沢は大阪出張へ。
多分黒沢はちゃんとこの一日分の冷却期間を狙って安達に告白をしていて、安達が自分とすぐに顔を合わせなくていいように、そして自分の気持ちに区切りをつけようとしていたのかなと思ったら切なさが倍増しました。
そして、この場面の安達が出社してきたオフィスの感じの演出に優しさというか細やかさを感じました。状況の説明と、安達の思い悩む様子がすごくよく分かる。
出張中の黒沢はこれまでの自分を振り返っていく。
「(昔から気付いてた。自分は見た目で得してるんだって)」
学生時代から色んな女子に告白されてきて、黒沢が「どうして?」と聞き返すと女子が言葉に詰まる感じ。なぜならその理由は、見た目だからです。
会社の受付を済ませた黒沢が、受付嬢たちが黒沢がかっこよかったと沸き立つ様子を背に感じながら歩いていく。
「(外見しか見られていないようで嫌で、でも口にすれば嫌味になると分かっていて、気にしてないふりをした)」
黒沢のデスクにはいろんなプレゼントというか差し入れみたいなものがたくさん置かれているのが妙にリアルだったし、それを放置して仕事をする黒沢もまた……。
「(そんな俺が、入社してしばらくたった頃)」
仕事の後に、急な社長との飲み会に呼ばれることになる。「あの人イケメン好きだからご機嫌だろう」と言われて、また自分は見た目で呼ばれたんだとすぐに察する。
そこにうっかり残っていた安達も、若いからという理由で呼ばれるけど戸惑いが全開。
「(この頃は、まだ安達は同期の一人に……いや、冴えない同期の一人にしか過ぎなかった)」
そして連れてこられた社長との会食の場で、食べるタイミングもよく分からないくらい慣れていないコース料理を食べる安達。そして女社長に「やっと会えてうれしいわ。噂のイケメンくんに」と声を掛けられる黒沢。
黒沢は経験から、そういう相手に対する予防線の張り方とかわし方も分かってるし、これは逆にチャンスだと思って事前に仕入れた情報で社長にちゃんと気に入られて仕事に繋げようと頑張ります。
そんな黒沢にすっかり気をよくした社長は「さあどんどん飲んで!そこの暗い君も、全然飲んでないじゃない」と安達に言うと「あ、すみません……僕、お酒弱くて」という。しかし「何言ってんの、飲みなさい。男でしょ」と言われ、どうしようかと思いつつ酒に手を伸ばそうとすると、黒沢が安達の分まで酒を飲むわけ。
ここでの黒沢は、このままだと場が冷えるし、安達に無理に飲ませて潰れたりされても迷惑掛かって会社の印象が悪くなると思ったんじゃないかと思う。まだ安達のためにって感じじゃなさそう。
安達はそんな黒沢をみて申し訳なさそうにする。そしてこの流れで死ぬほど飲まされてしまった黒沢、疲れている体でもうベロッベロなんだけど、仕事の緊張感はあるしでおかしくなってくる。
社長に「あはは、可愛い!酔っぱらっちゃった?」と言われても「お酒は強いんです」とどこからどう見ても無理しまくりの黒沢。すると社長が黒沢の手や体に触って耳元で「どっか休めるところ行く?」なんて言うわけです。すがすがしいほどのセクシャルハラスメントのど真ん中。黒沢は思わず体が拒否して社長の手を払いのける。
場が冷えるどころか社長は怒って会食はお開きに。
ふらつきながらレストランを出て、後ろをついてくる安達に「さっきはごめんな、迷惑かけて」と言う。
すると黒沢を連れてきた上司らが「社長怒ってたなあ……でも黒沢のあの態度はないわ。普段から調子に乗ってるからああいうミスするんだよ。役得と思ってわりきればいいのに。顔だけが取り柄なんだから……自分のポジション分かってないんだよなあ」とトイレで話しているのを聞いてしまう。
「(何ショック受けてんだよ……役得の自分を、周りが求める自分を受け入れろよ……顔だけが取り柄とか、そう言われるのが嫌で、仕事も人間関係も完璧にこなそうとしてきた、のに……)」
後悔しまくりの帰り道、ふらついて倒れてしまう黒沢の体を誰かの手がそっと支える。
「あれ?」と目を開けると、視界にひょっこり入ってくる安達。いつの間にか近くのベンチに寝かされていました。
「だ、大丈夫か?」と声をかけられてびっくりした黒沢は体を起こそうとするんだけど、安達は「ああ、む、無理すんなって、しばらく横になってろよ……」といってあげる。ここの安達の手が超すごいので何回でも見てください。本当におっかなびっくりな小動物だし、陰キャの再現具合がすごい。本物の陰キャが言うんだから間違いないです。陰キャの太鼓判。
横たわった黒沢「何やってんだろ、俺……」「えっ」「顔要員で連れてこられたのに、社長のこと怒らせて……結局役立たずでさ」と、今まで誰にも言えなかった弱音を安達に少しずつこぼす。
そして安達を見て「(なにこいつに弱音吐いてんだろ……ほら、案の定困ってんじゃん)」と思ってるんだけど、安達は「そ、そんなことない……社長の事すごくリサーチして、製品の事も全部覚えてたし……俺の代わりに酒飲んでくれたり、十分すごいよ。黒沢は」と言う。
グロッキーな黒沢をみてちょっと笑う安達に怪訝な顔で「なんだよ」って言うんだけど、安達は意に介さず「黒沢っていつも完璧ってイメージだからさ、弱ってるところみるの新鮮で。なんかいいな」という。ここはこれまで非の打ち所がない完璧な黒沢の人間らしい一面を見たことで「なんかいいな」になったのかなと思いました。安達にとっては、何もかも完璧でないことが当たり前だったから、そんな弱っている黒沢のことを見て安心したのかな……なんだ、黒沢も同じ人間じゃん、みたいな……なんか黒沢のレアなところ見ちゃったな~みたいな……。
そう言われた黒沢は「なんだよ、それ……」といいつつ、心臓がドキドキして涙が出そうになっている。安達は「ほら、ちょっと寝ろよ」黒沢の胸にそっと手を置いて、子供を寝かしつけるみたいに優しくとんとんしてくれる。そして思わず泣いちゃう黒沢。
安達は自分の弱ってるところを見ても幻滅しないし、がっかりしない。つまり、完璧でいることを求められない。顔じゃなくて、ちゃんと自分の努力を見ていてくれる。
顔だけで評価されることに対して躍起になって、顔以外の要素で自分を見てもらえるぐらいに完璧にこなしてやろう。そうやって自分をストイックに追い込んで、結果上手くいかずにしんどくなってしまっていた黒沢にとって、安達は本当の救世主でした。
今まで黒沢が欲しかったものが全部、冴えない同期だと思ってた安達の手から与えられていったわけです。

「(それから好きになるのに時間はかからなかった)」
ここで映り込む2013年のカレンダーに、ウワ~~~マジの7年間~~!!!ってなっちゃったよね。行間は長ければ長いほどいいです(行間パテ職人の人格)
「(しょっちゅう寝癖が付いてて、自分のことにはだらしないのに仕事は丁寧で、人がいいからよく仕事を押し付けられて、普段は無表情だけど笑うとふわっと柔らかい雰囲気になって、清楚な女の子が好み。……始まった時から、分かってただろ。いつかは、この好きを終わらせなきゃいけないって。もう忘れるんだ。次会ったら……)」
そうして黒沢は安達のことを目で追うようになって、密かに7年間思いを募らせていたのでした。この気持ちには必ず終わりが来るんだと分かっていながらもずっと思いを捨てきれずに今まで来てしまった。
安達が魔法を得てからだんだん状況が変わっていって、ただの同期、趣味の合う友達……と、段階的に安達の近くにいけるポジションを得ようとして、やっぱりそんなんじゃ嫌になった。
理由なんて必要なくもっとも安達の近くにいられる存在、すなわち恋人として安達とデートしたり、一緒に飯食ったり、手つないだりしたいって思うようになっていったんだなあと思いました。
あともしかしたら黒沢は、もともと料理してなくて、安達がおいしそうに食べるのを見てから料理をするようになったんじゃないかなという拗れた妄想もそっと広げおきました。やりかねない。

一方、安達もあの「次会ったら、全部元通り」という黒沢の言葉が気になっていました。
「(けど、元通りってなんだよ。頭から離れない……黒沢との間であったこと……何もかも、全部、全部全部、全部、離れない!)」
安達はここで、黒沢の存在が自分の中で大きくなっていたことを自覚します。
気付いたら動くまでが早いのが安達のすごいところで、また浦部パイセンに仕事を押し付けられそうになるのを突っぱねて退社。そして会社を出るなり走っていく。
「(気付いたら黒沢の事探してる。黒沢のこと考えてる。気が付いたら黒沢でいっぱいで……そうだよ!俺……)」
冴えない自分のいいところをたくさん見つけてくれて、誰にも気づかれないと思っていた部分までずっと見ていてくれたこと、そしてどこまでも黒沢は自分のことを気遣ってくれて、気持ちを無理に押し付けたりもしなかったこと。そして、逃げてばっかりだった自分を少しずつ変えてくれたのは、魔法と、他でもない黒沢がいたからだった。
平たく言ってしまうと安達は黒沢に「好きだって言われ(思われ)たから、好きになった」と言えると思いますが、ただ黒沢に優しくされて流されただけじゃない?童貞チョロい?とも取れるみたいなんですけど、そういう訳でもないんじゃないかな?と思う。
私が考えるのは、この黒沢の中にある安達への真っ直ぐな愛情が安達に響いたからということ。これは本当に人を好きになるプロセスの中でめちゃくちゃ大事だということを強調したい。
そしてむしろ、この場合の童貞は全然チョロくないんだぞと言っておきたい。何かと臆病だし疑ったりするし、人の好意を素直に受け取るのもやっとで、傷つくのが怖いから出来るだけ勘違いしないようにって注意を払っています。
だから黒沢がすごいのはもちろんだけど、ちゃんと気付いて見て見ぬふりをしないことを決めた安達もすごいです。最高。黒沢はマジで人を見る目ある。
というわけで、安達は黒沢だけじゃなく自分の気持ちに真正面から向き合って、しっかり自分の心の答えを出すことができました。ここまで来たらもう行くしかない。

走っていって陸橋みたいなところで黒沢を見つける安達。
「黒沢!」「安達……?どうしたんだよ」「よかったあ、会えて」っていう。この「よかったあ」が声裏返ってるところグッときたので、赤楚さんのことは今日から私の中で赤楚エモーショナル衛二先生と呼ばせていただきます。ありがとうございます。
そんなセリフを聞いて、赤楚エモーショナル衛二先生は脳の聴覚野がかなり発達してるんじゃないか?なんて勝手に思いました。言葉の抑揚とか声の裏返るポイントとか息遣いの感じとか、演技(感情を表現)するうえで自分の声を含めた聴覚の情報をすごく多く取り入れてるからセリフがものすんごいエモなのかも。さすが赤楚エモーショナル衛二先生……。
「どうした?」という黒沢に対して、安達は「ごめん!!」と一回画面から消えるくらい頭を下げて謝る。
この黒沢の表情に現れる驚きと戸惑いすごくないですか?眉毛の使い方?なんて表現力豊かなんだ。そして安達からの「ごめん」を自分の告白に対する「ごめん」だと受け取り、改めて傷つく……。
「昨日は、ううん、これまでも……本当にごめん!俺、ほんとビビりだから、何回も、何回も逃げて傷つけた……だって、俺たち男だし、同期でいた方が楽だし」
ここで安達がちゃんと男同士であることに言及したのがよかったですよね……絶対言及しなきゃいけなかったことだから……。
黒沢はわざわざ自分の告白の答え、しかも告白を断るためにやって来たと思っているので安達に「うん、分かってるよ」って話を遮ろうとするけど、安達は「いいから聞けって!」と強く言う。
この時の黒沢の顔がぱっと変わるのヤバくないですか?ヤバすぎて何なの?……町田啓太か。
「黒沢といると、びっくりすることもあるけど、気付いたら笑ってて……一緒にいるのが心地よくて、そんな時間も、悪くないなって、思えて……いや、そういう理屈とか抜きで、俺……」
あ~~~~理屈抜き!!!!そうなんだよね!!!!好きの始まりって、理屈じゃないんだよね!!!!人を好きになる理由とか理屈を超えて、ただ心から好きだって思えること!!!!!!!
この「……」の時に唇がもごもごするところに、安達の緊張してるところとか、誠実に言葉を選んでいこうとするのが見えてたまらなかったです。最後に意を決するときの横顔はなんとも勇敢でした。
「俺、黒沢が好きだ。へ、返事遅くなってごめんだけど、これが俺の」と言いかけたところで黒沢が安達を抱きしめに行く。
抱きしめに行く前の黒沢の顔が超~~~~~~~~~~いいです。
え、うそ、ほんと?ほんとに?え?すき?俺のこと、好きだっていった?え?俺、これからも安達のこと好きでいてもいい?俺、好きでいるの、終わらせなくてもいいの?みたいな気持ちがぶわっとこみ上がる様子が見える。すごさがすごいよね。すごい。
黒沢は抱きしめたまま「本当に、いいの?」って聞いて、ここで多分興奮して声が揺らぐのまでが超(以下略)
「逃げ出したくなっても、もう離さないけど」「おう……」と、任せとけと言わんばかりの安達に笑う黒沢。
安達をぎゅうぎゅう抱きしめる黒沢が本当に幸せそうで、一度は後悔したであろう告白も、ちゃんと安達に伝えられてよかったなと思ったことでしょう。
「(すげー心臓の音早い……言葉にならない黒沢の思いが流れ込んでくる……)」そして黒沢の背中に手を回して受け止める。
言葉だけじゃなく体でも自分を受け止めてもらえたことがまた嬉しくて、またぎゅっと安達のことを抱き込む。美しい。
「(俺は、こいつの心に触れるために魔法使いになったのかもしれない)」
はい!!!!!そうです!!!!!!!!そうなんですよ!!!!!!さすが安達さん!!!!気付いてからの核心までがとっても早いね!!!!!

抱きしめ合った後、二人で並んで帰る。
もう後ろ姿からめちゃくちゃぎこちない安達。そしてそんな様子を見て笑みが止まらない黒沢。幸せの絶頂にいます。
「そんな緊張しないでよ。俺まで、なんか……移る」っていう黒沢で気付きましたが、安達から告白を受けた後は言葉と言葉の間合いがキュッと詰まってるんですよね。関係性が変化して相手に気持ちを許す感じを会話のテンポで魅せてくる……これはリズム感の鬼だ……ケイタ・マチダ・パーフェクトエモーショナルアクトオブザイヤーの町田啓太さん、受賞おめでとうございます。
「黒沢でも緊張すんの……」「当たり前だろ!さっき聞こえなかった?俺の心臓の音」「……聞こえました」「やっぱり……ふふっ」という尊いやり取り。
これは1話を振り返り、エレベーターに乗り合わせてドキドキして安達に心臓の音がバレてないかを気にしていた黒沢が確かにいたことを、忘れずに覚えておきたいですよね。
そこでぎこちなさMAXの安達がいきなり「えっと!……これからどうする」「え?」「あ、あ、えっと、なんか、飯食ってく?あ、いやそれとも……」「それとも?」
お??????なんだ????黒沢、急に覚醒したけど???
「それって、安達の家に行っていいってこと?」「?!あっ……」
あっちょっとやめてください!!!急にモテが持てるだけのすべてのモテを使ってモテの圧をかけていくのやめてあげてください!!!だって相手は童貞なんですよ!!!!ほらびっくりしちゃってるじゃない!!!舞い上がるのは分かるけどちょっとゆっくりめでお願い!!!!
ということで、ここまでが幸せと尊さいっぱいオブザイヤーな7話でした。ここで、黒沢の抑え込んだ気持ちが解放されてしまいましたので、次からどえらいことになりそうな予感がします。でも幸せだからオールオッケーだよね。オッケー!!

さて今回、黒沢が見た目に対することで色々考えていた場面から、ルッキズムについてすごく考えさせられました。
ルッキズムとは、容姿至上主義または外見至上主義のことで、人を見た目の美しさで評価し、美しくない人を差別的に扱うことをいいます。
私は幼少期から思春期にかけてルッキズムの強い環境で過ごしてきて、眼鏡を掛けていることとかでしばらくいじめられたり、バカにされたり、人格否定みたいなことも度々ありました。
だから私はこれまで差別される側のことしか分からなかったけど、実は評価される側と差別される側って表裏一体ではないか。
ドラマを見ながら、黒沢の悩みと自分の悩みに、不思議と通ずる点が見えてきたのが大変に興味深かったです。
美しい人が全員幸せだとは限らない。美しい人にしか分からない、また美しさに限らずその人自身にしか分からない悩みと苦しみがあるのだと、至って当たり前のことに改めて気づかされました。
そしてその悩みに対して他人が推し量ったり、深刻さを決めつけるようなことはあってはならないとも思います。人は見かけだけじゃ分からないことが沢山あるよねっていう。

こんな感じで、私がテレビドラマを見る理由にただエンタメとして楽しむだけじゃなく、カタルシスと言う部分もあります。
たかがフィクションのストーリーに何をそこまで本気になってるんだ?と思われることも多いですが、ドラマには必ずテーマがある。そのテーマは普遍的なものが多いから、何か悩みとか壁にぶつかった時に抜け出すヒントが見えてくることもある。
そして人の心は人しか動かせないので、人間が作ったドラマやコンテンツに触れると感動する。つまり、ドラマを見て人間らしい心の動きを思い起こさせてくれたりもします。
今は人と人との関わり方が色々変化していくご時世。なかなか適応できずにもどかしい思いや寂しい思いをする人たちが多い中、この世界でタイをはじめとしたドラマが流行ってるのは、この人と人と関わるときの心の充足感や刺激を、人の代わりにドラマが一端を担うところもあるのかなって思うんですよね……そう思うと改めてチェリまほって良いドラマだな……私たちのテレビ東京……。

ドラマを信じる者はドラマに救われる。そう信じて来週からのチェリまほもハッピーに本気で楽しんでいきたいな~~と思います。イエーイ!
タイトタイト!とか言っておきながら全然長々としてしまいましたが、今週もお付き合いいただきありがとうございました。


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