ぶどう農家さんのお手伝い①

朝5時45分アラームが鳴る。
本当は少し前に目が覚めているけれど東京のアパートでは聴こえない鈴虫や鳥の鳴き声を布団のなかで聴いているのが好き。

6時少し前。手ぬぐいを頭にかぶり用意をしていると2階から三浦さんが降りてくる。「おはよ」「おはようございます。行きますか?」「うん」軽トラへぶどうをいれるコンテナを積み、蚊取り線香へ火をつけて身体中に虫よけをスプレーをしてぶどう畑へ。

窓を全開にあけて走る軽トラ。空は高く広がっているし山も見える。桃や柿、ぶどうの木や畑が車窓から流れていく。風が気持ちがいい。

途中、自販機でコーヒーをご馳走になり畑へ到着。


通称「学校前」と呼んでいるぶどう畑へ着くと、蚊取り線香とハサミをズボンにかけネコと呼ばれる一輪車にコンテナを乗せ、ぶどうや葉っぱに頭があたらないよう身体をかがめながら奥へ進んでいく。このぶどう棚。いつも思うけどもう少し高くしてくれると嬉しいですよね←

「ぶどうを切るのはどこからでもいいよ。」という三浦さんの言葉で、途中になっている場所のぶどうを切る。袋で中は見えないけれどずっしりとした重みが伝わってくる。この重さだと左手で持てるのは2房かな。落としたら大変だもの。


4日間お手伝いをして、この文章を打っている左手は今も筋肉痛。原因は左手でぶどうの枝を持ち、ハサミで切る。その時にかかる重み。と、もう一つは収穫したぶどうを作業小屋で手入れをする時、左手でぶどうの枝を持ちながら悪いところはないか点検しているその時のものだ。ぶどうの重みで筋肉痛とは名誉なこと。

↓こんな風に枝から切ってぶどうを持つ。


畑で切ったぶどうはコンテナへ入れ、一段ならべて入れると畑の入口まで運ぶ。そして軽トラの一番上に乗せるコンテナは山盛りにぶどうをいれるのだ。

「次から山盛りでいいよ。」この山盛りも積み方があって上手に載せないと、ぶどうが痛んでしまうのでなるべく立てて優しくたくさん積みあげていく。
「さえちゃんの山盛りの本気を見せてみろ」と笑いながらいう三浦さん。任せてくださいとたくさん載せてドヤ顔してみたのがこちら。

三浦さんには「普通」と言われた。ちえ。次こそは山盛りにするぞ。

2人で1時間と少しかけて収穫し軽トラいっぱいにぶどうを載せ帰宅。

「ただいまぁ」玄関を開けると「お帰りなさぁい」と香穂子さんが迎えてくれる。このお帰りなさいは女の私でもきゅんきゅんするやつ。

続いて「ご飯できましたよ~。」の声。もちろん香穂子さん。くぅぅ。追いきゅんきゅんかっ!

掘りごたつの食卓には手作り味噌の味噌汁や焼き魚。納豆にたらこ、梅干しなどたまらないやつばかり。

一人娘のあきちゃんに声をかける。「あきちゃんはどこに座る?」「さえちゃんのとなり」

ひとりずつお茶碗へご飯を盛り、皆揃っていただきますで始まる朝ご飯。すこしすると隣であきちゃんが「母ちゃん、おかわり」と茶碗を差し出している。うん。いつもの風景。

今回の初日もそう。
朝5時電車へ飛び乗り、塩山駅からタクシーで飛び込むように三浦家へ。到着してザックを降ろすとともに「ご飯にしましょう」と声をかけてくれる三浦家には私が何を目指してきたかばれている。

そう。私は三浦家の朝ご飯の時間が好きなのだ。

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