ある日のこと

昨日、たくさんの食品をご提供いただいて
この食品をいつ持っていこうかとか
皆喜んでくれるだろうなぁと考えながら
眠りについた

朝4時、眼が覚めた。
それは思いついて眼が覚めた感じ
そうだ。あの人へお渡ししよう

毎日、通勤で通る新宿駅で
いつも同じ所に座っている男性

前に炊き出しで貰ったお弁当を
渡したことがあるけれど
それからは渡すタイミングもなく
通りすぎる毎日で

よし。缶詰に飲み物、クラッカーに
ワカメご飯等々
ワカメご飯はお水でできるから
煮炊きできない環境でも大丈夫だよね。

今日はいるだろうか
いなかったら帰りに渡せばいい。

いつもの場所に....いた!

おはようございます。
あ...おはようございます。

あの、これクラッカーや飲み物で
お裾分けなのですがもしよければ
いかがでしょうか

いいんですか?有難うございます

お裾分けって言葉があっているかは
分からないけれど
そんな会話をしてお渡しした

実はいつもその人を見かけているのに
私はどこか「そこに居るのにいない人」
みたいに思っていたのではないかと
罪悪感を感じていたのかもしれない

でも、嬉しかったのは
「あの人に渡したい」って
心に浮かんだこと
いないことにしていなかったんだって
なんだか嬉しかった
 
仕事帰りに同じ場所を通るから
いたら話しかけようかな

あ、いた。
手には今朝お渡ししたワカメご飯の袋を
持っている

近づこうとしたその時、
その袋を服をめくりお腹のあたりへ
いれてそっと押さえた

なんだか話しかけられなくて通りすぎ
さっきの行動はどういう意味か考えながら
家路についた

あ。
お腹にいれて温めてるんだ。

お水で作ったワカメご飯を
温めてるんだ。

なんだかもう言葉はいらないなと

私にできるのは
皆さんからお預かりした食品を
必要とする人へお渡しさせてもらうこと
それで十分な気がした。

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