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カーテンを開けると春の日差しだったことについて。

大学生の春休み、時間はこれでもかと有り余っている。そのこととは反対に、冷たい風と晴れない空が私の心を酷く状態の悪いものにしていた。
だからと言って自暴自棄になることもなく、以前よりも健康な生活リズムを保っている。朝起きて、何杯か水を呑み、まだご飯はいいかなと思い、ベッドに戻り小説を読む。昼過ぎに軽くご飯を食べて、またベッドに戻り今度は映画を観る。天気予報の一桁の温度表示を見ながら春を待つ。動物の冬眠と、さしてやっていることは変わらないが、外が晴れないとどうにも動ける気がしない。それでも、毎日少し、ほんの少しだけでもいいから写真を撮るようにしている。とは言ってもカーテンの隙間から入る光を撮る程度である。

その日の寝相、カーテンの空き具合、光の角度、毎日違う影を見るのはとても心が躍る。「ベッドでできる趣味」という理由で小説を読み始めたわけだが、写真だってベッドでもできるという事に気づいてしまった。現像に関しては冬場はベッド以外の作業場所を知らない。こんな風にして寒い冬を乗り越えたわけだけど、ついに、ようやく、やっと京都にも春がきた。暖かい日差しは僕を外に連れ出してくれるし、何より、服装の選択肢を増やしてくれる。シャツのボタンを止めて薄手のコートを羽織る。少し暑いかな、荷物になるかもしれない。と思い、トレーナーとスラックスに着替える。でもやっぱり、せっかくならシャツを着よう。そんな風にして僕は服を決めて、髭を剃り、カメラを首から下げて家を出た。

出かけた日に出逢った猫ちゃん達

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