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僕と神保町の730日戦争 〜that's life 〜

遡ること約3年前、僕たちは当時所属した無限大から神保町へ移籍する事になった。

突然の事で芸人やお笑いファンに不安が渦巻いた。

僕はそれを払拭できればとnoteに知っている情報をまとめ、動画を作り、少し恥ずかしい真面目な内容で「前を向こう」と声を上げた。

その後、「花鳥風月」というシステムになったが当初あまり説明されていなくて、戸惑いの声があったので社員さんに提案をさせて頂いてSNSで説明をしてもらったりした。



僕が作ったシステム説明動画を見た
大袈裟な誰かがくれたダイレクトメール

「安心できました。なんか救世主に見えました笑」

救世主なんて大それた表現も。




それから現在の「劇場メンバー制度」となり、奇数月に【jimbochoグランプリ】という劇場メンバー総出演のバトルライブが開催。

上位は劇場出番が増え
下位は下のクラスとの"入れ替え戦"にいき
出番が大幅に減る。

第一回3位、第二回2位と、1位まであと一歩。

さぁ、僕が主人公になる時間だ。





それから月日は流れ




















僕は今、入れ替え戦常連となり
劇場の敵と呼ばれている。




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初めて、入れ替えに行った時は笑えたものだ。



まさか入れ替え!?
と言われるくらいにはウケてたので


後輩「ちょっとなにしてるんすか!w」
僕「やらかしたわw」

同期「入れ替え戦!?嘘でしょ!」
僕「いやー、ウケたんだけどねーw」

プール高橋「罰あたったんすよ🤪」
僕「あ?」



他に「#立ち上がれあとむ」というハッシュタグで

「サンジェルマンが?なんで?」
「サンジェルマンが入れ替え戦だと…」

などファンからの労いがタイムラインを埋めた。






そして入れ替え戦で1位を宣言、
宣言通り1位をとった。

作家さん「君らがいる意味がわからない」
芸人たち「ちょっと、さすがすぎたわ」



そんな言葉に気を良くした僕は


後輩たちと謎すぎる勝利記念の集合写真を撮った。


なかなか手の届かなかった1位。
それがたとえ、入れ替え戦だとしても手に入ったのが
情けなくも嬉しかったんだろうと振り返る。


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そして次のグランプリの時期が来た。

この2ヶ月で劇場ポスターから僕らの写真が消えた。



だから作った。







そして下剋上を目指した。名作の言葉を胸に。



 











また入れ替え戦にいった。





悲しみは拍手笑いを貰い上位を期待した分、大きい。





2回目というのは残酷だ。

「ちょっとなにしてるんすか!w」といった後輩
「入れ替え戦!?嘘でしょ!」といった同期

みんな消えていった。

2回目で自虐の精度を上げて待っていたのに。


残ったのは

「もう落ちちまえ🤪」と言いに来たプール高橋。



ファンのツイートも「残りますように🥲」

僕らの1位を心待ちにしたはずなのに
いつしか残留を祈らせてしまっている現実。





周りから入れ替えに行ったことへの
温度が珍しさが下がっている事を肌で感じた。



グランプリ優勝者専用のポスターを
本来作られない入れ替え戦に用意した。苦肉。

好評ではあったが一部では批判の声も










そして迎えた2度目の入れ替え戦

ここで1位をとって改めて勢いを。

今回も1位宣言。連覇へ。
















めっちゃ3位だった。



1位にもたれかかった前回の優越はそこにはなく
残ったのは定番ネタで残ったセーフティコント師。


3位で落ち込んでいたら後輩に肩をぶつけられたが、脱力で何も言えずに無言でそのままどこかに行った名を知らぬ彼の顔は灰になった時、やっと忘れられるのかもしれない。

主催ライブも集客で打ち切りの話が出たりした。






戦友たちの背中が遠くなる
僕は周回遅れのランナーのようだ。
近いようで、遠い。









どうにでもなれ。








YouTubeチャンネル板橋ハウスで話題の
ピュートが呼んでくれたコーナーライブで

「これに勝ったら収益よこせ」
「ポイントいらんからポスターの枠くれや」

彼らのファンの前で悪態をつこうがどうでも良かった。


ネタでウケてもフォローは減るが
文句を言うとフォローが増え続ける亜空間が
そんな思いの背中を押す。



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そして何度目かもわからぬ、グランドバトルの日。


前ならTwitterで1位宣言をしただろう。

今は個人的にやってるオープンチャットで


声低らかに1位を宣言した。




ただ、吹っ切れた事が大きく影響し新ネタのウケも良くなり、1,2年心を覆っていた靄が晴れかけたりもしていた。KOC2022の候補ネタもできたし、無限大の上質コントライブでも手応えを感じる事もできた。



俺は面白い。面白い。大丈夫。















またまた入れ替え戦。




もう絶対1位宣言とかしない。絶対。



先輩 バイバイスプリットさんが3位に輝き、記念に撮影した写真に後輩に慰められる哀愁爆発男が映り込む。





3回目いうのは不思議なものだ。

2回目で消えた後輩たちは、逆に寄り添ってくれた。


「1番面白いと思ってます!」「僕もです!」

これを言ってくれたのは
「収益よこせ」「ポスターの枠よこせ」と
僕が悪態をついたピュート竹内とめぞん吉野。


「花鳥風月最高でした!!」

今更、さようなら花鳥風月の話を引用し
僕を慰めてくれた純白パリジェンヌ弁慶。


日常に馴染んだ入れ替え戦の知らせは
「サンジェルマンが入れ替え戦?!」
というツイートを0件にした。

唯一、あったのは

正直すぎる言葉。
これぐらいが今は愛を感じ取れてしまう。




1人でいられず後輩と汗を流し、傷を舐めた。

 

後日、3人共入れ替え戦が決定した。



特に真ん中の衝撃デリバリーかつやまは
僕のポスターが好きで自宅に貼ってくれた味方だ。

今「縁起悪いから外せ」と言われてるらしい。






あの日胸に刻んだ、想いはどこに。



空回りした想いはいつしか憎悪に変わり
噛みついて、噛みついて、噛みついていると






あの日、大袈裟な誰かに救世主と呼ばれた男は

「神保町のヴィラン」


と呼ばれるようになった。





正義は、ヴィランとされた正義は、道を逸れた。


英語の意味もわからず、音に寄せられ毎日聴いた
映画「ジョーカー」ED曲
Frank Sinatra「that's life」

That's life (That's life), 
that's what all the people say
人生とはそんなものだ、それが人生だ
みんながそう言う

You're riding high in April, shot down in May
4月には好調でも、5月には撃ち落される

But I know I'm gonna change that tune
だけど僕はその旋律を変えて見せる

When I'm back on top, 
back on top in June
僕がトップに返り咲いたとき、
6月にトップに返り咲いたら

I said, that's life (That's life), 
and as funny as it may seem
僕はこう言う、これが人生だと


歌詞を調べて耳に馴染み過ぎた意味が腑に落ちる。


















ただ、考えてみてほしい


僕らが知る悪役たちは正義に高く立ちはだかるものだ














こんな弱いヴィランは存在しないのだ。









劇場の場合、人気者を跳ね除けて上位に君臨し
邪魔がられて初めてヴィランではないか
「ジョーカー」はこんなあっさり負けない。







僕はもうショッカーだ。










僕は劇場が嫌いと思っている人には
それはマスクを外して飛沫させてでも否定するし

「審査員が…」「出順が…」「相性が…」
そんなプライドを守る為のゴミにも塵にもならない
言い訳をする輩と同じにしないでほしい。


賞レースで優勝した賞金で
他のコンビのネタが見辛い楽屋モニターを買い替え
お尻が痛くなるらしい椅子を買い替えたいくらい
僕は神保町が大好きだ。


僕が好きな言葉
「正義の反対は、もう一つの正義」

この言葉が自分に当てはまる日が訪れるとは。







人生は近くで見ると悲劇だが
遠くから見ると喜劇だ。







次のグランプリで優勝するのは俺だ。

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