親友
「親友」
昔から、この言葉がどうも好きじゃなかった。
正しく言うと、「俺たち、親友だよな?」っていう確認作業が好きじゃなかった。
中学生の俺は、ひねくれていたので、
「親友?親しい友達なんて腐るほどいるだろ。」
といった感じで、無自覚のうちにこの言葉を否定していた。
だけど、今ならこの「親友」といった言葉の使い方が分かる気がする。
俺の前で俺のための文章を読んでくれたあの子も
俺のために手紙を書いてくれたあの子も
一人でいると、必ず通話に上がってきてくれるあの子も、
俺の中では親友なのだ。
友達という関係が、こんなにも幸福感や希望を持たせてくれる関係だとは思えないから。
嫌いだったこの言葉が、しっくりくるんだろうなと思う。
別に、皆の中で俺という存在が「親友」であってほしいなんてこれっぽちも思わない。
ただ、俺の中でみんなの存在は親友。
それだけなのだ。
こんなに親しくなれる友達なんて人生の中で巡り合えないと思うから。
知り合いに「誰それ?友達?」って聞かれた時
「親友」
って言うと決めてる。
この言葉を勝手に使わせてもらおう。