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英語はなぜ難しいか?     文法編 主語とbe動詞

 英語ペラペラ(私自身がまだペラペだが😅)を目指し、音声とシンクロした言語習得を紹介する、「英語はなぜ難しいか?」シリーズ。文法編の第二弾にあたる今回は、いわゆる学校英語で最初に習うbe動詞について考察する。

 広く知られるように、ヨーロッパ言語では主語によって動詞の形が変化する。ラテン語の影響なのだが、比較的変化しない言語である英語であっても、我々日本語話者は戸惑うものだ😰。私にも経験があるし、他のヨーロッパ言語を練習する上でも、動詞の変化は難しい項目の一つだ。

 もちろん、究極的には「大量に練習しろ‼️」という結論になるのだが、それでも練習の際に意識すると良いこともある。本記事は、英文法学習の初期段階で意識すべきことを紹介する。


 Do you wanna master English as your own language? If so, you should understand why it is difficult for us Japanese speakers. And of course, how to learn it.

  Then, let's get started.



①主語とbe動詞をセットで捉える

 英語が苦手な生徒を指導していて感じることは、「be動詞を強く読み過ぎる」ということだ。私にも経験があることだが、日本の英語教育では1単語ずつ区切る傾向が強く、結果として日本語話者の英語は「音がベタベタ並ぶ、不自然な英語」になりやすい。音声実践編① ↓ でも書いたことだが、「音のカタマリ」として認識すれば良いものを、文字列で捉えてしまうとおかしなことになる。

 例えば、「I am a boy.」という英文を読むとする。多くの生徒は「I」「am」「a」「boy」と1単語ずつ読んでしまう。これがいわゆる「日本人英語」で、Englishとは別物であることは本シリーズで何度も述べてきた。
 とは言うものの、生徒側からすれば「実際にそう書いてあるじゃないか」と思う訳で、このギャップを埋めるのはなかなか難しい。

 対策として私が生徒に伝えているのは、
・「I am」で1単語、「a boy」で1単語と思う
・「am」「a」は弱く発音する
の2点である。

 「I am」という1つの音で、1つの情報を伝えているという感覚を持つよう指導するのだ。実際、English speakerはその感覚で話しているし、だからこそ「I'm」という省略形も存在するのだ。

 「am」の「a」をやや弱く発音する練習をさせると、自然な英語の音声に近付くし、上記の「I'm」という省略形の意味も音声として理解できるようになる。このように、音声と結び付いた英文法学習の体系を、覚醒後の2年で私は作りあげてきた。それが実際の指導で生かせるよう、日々奮闘中である。



②一覧表から探さない

 前項で述べた「I amで1つの単語」という感覚は、別の観点からも重要である。
 それは、正しい形を活用表から探すのをやめるということだ。

 「Iに対応するbe動詞はam」「Iは一人称単数形だからbe動詞はam」のように、多くのパターンの中から1つの形を探してしまうと、「I」と「am」を別々に捉えてしまう。その結果、「えーと、heの後のbe動詞は何だったっけ?」というふうに、一々活用表を検索するのがクセになり、英語に触れる機会が減ってしまう。

 そうではなく、「I am」「He is」のカタマリごと覚えることが大切だ。いつも言っていることだが、理屈は後だ。まずは正しい形を体で覚えるようにしよう。

 それでも「一覧表を見ろ」という指導者がいたら、私がスペイン語・アラビア語の動詞変化を教えます😝。英語については偉そうに言っている人間も、黙ること間違いナシ。



③be動詞のあとは名詞か形容詞か?

 言語を文法的に捉える際に、品詞(単語を働きで分類したもの)は非常に重要だ。何と言っても文法とは単語の並べ方の法則であり、単語の性質を意識することは文法の中核をなすと言っても過言ではない。

 一方で、文法や品詞は実際の表現を後から分析したものであり、結果論であることを忘れてはならない。例えば、「be動詞の後にくる品詞は何か?」という問いに対して統一的な答えを出そうとすると、

I am a boy. のa boyは名詞。
I am happy. のhappyはa happy personの省略形であり、やはり名詞だと解釈できる。

I am happy. のhappyは形容詞。
I am a boy. のa boyはbeing a boyの省略形であり、やはり形容詞だと解釈できる。

 という、「???」な謎解釈が生まれる。ちなみに、両方とも私が直接耳にしたものであり、どちらの発言も英語に真摯に向き合おうとしている人間の発言であることは私が保証する(かえって不安?😅)。


 おそらく、ほとんどの読者が感じたであろう、「いや、名詞と形容詞の両方くるでよくねぇ?」が正解で、無理に統一しようとするとおかしなことになる。

 英文法を英語学習に生かすための秘訣がここにある。無理に一元化するのではなく、「こーいう場合もあるんだ、ふーん」という姿勢で臨めば、文法は貴方に新しい世界を見せてくれる。



 という訳で、今回の結論。英文法は英語の新しい側面を見るためのものであって、決して「〜しなければいけない」と貴方を縛るためのものではない。今後、そこのところを念頭に置いて、文法と向き合ってほしい。それでは‼️



文法は束縛じゃない。
可能性だ。

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