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くまりん19の1763戦     (天鳳四人麻雀七段昇段記)

 久しぶりの投稿になる。私のnote愛読者の皆さん、お待たせしました!😆😆

 しばらく記事を更新していなかったのは、1つには受験シーズンで忙しかったためだ。

 もう1つは、本記事で述べるように、天鳳で四人麻雀の七段昇段に挑戦していたからだ。2月中の達成を目標にしていたが、ギリギリ間に合った ↓ 。

2度目の六段昇段から1年半。ゲーム数は1763戦(東風戦)に及ぶ。長かった😭😭😭😭

 本記事は、七段に至る道のり(通称「六段坂」)を登る過程で、私が経験したこと・考えたことを紹介するものである。「スマフォで」「東風戦のみで」六段坂を攻略する方法をお伝えする。
 なお、「そもそも六段になれない」という人にとっては、かなり難しい内容(おそらく)が並んでいる。「六段になってから読もう」でもイイし、「六段になったときのために読んでおこう」でもイイ。学ぶタイミングは、その人の自由だ

注意‼️
 本記事の性格上、麻雀・天鳳に関する用語が多く登場します。ご了承ください。最後の「⑤六段坂を登り終えて」は、麻雀を知らなくても読めるように構成されているので、麻雀未経験者・初級者の方はここだけでもお読み頂き、くまりん19の次回記事にご期待ください。


 「麻雀は上級者だが、天鳳はプレーしたことがない」という人は、コチラ ↓ を読んでから本文に進んでほしい。天鳳は、通常の麻雀とはシステムが大きく異なる。従って、フリー雀荘における勝ち方とは全く異なる方法論が要求される。この違いを理解していないと、本記事を読んでも「何言ってんだ😡、この雑魚!」となるだけだ。

天鳳ってどんなゲーム?

六段坂って何?

 なお、今回は要約はナシだ。六段坂を登る苦労をタップリと味わってほしい😝。というか、1年半に及ぶ苦しみを要約なんかしてたまるか!←本音
 本記事は長いが、全部読んでほしい。例によって重要部分は太字にしてあるが、細部もトバさずに読むこと。本記事を読み終えることもできないような人が、六段坂という「我慢ゲー」を攻略できるハズがない。というか、私の苦労を少しでも味わってくれ!←本音
 
 また、麻雀・天鳳という「キタナイ世界」を扱うため、本記事には一部「不適切表現」が登場する。伏字にはしてあるが、良い子の皆さん(笑)は読まないように。六段坂を攻略を目指す「良い子」がどこにいるんだ、という話だが🤣。私の感情を少しでもリアルに表現するために、敢えて用いた。ご理解頂きたい。

 
 では、始めよう。


①私と天鳳の出会い

 自己紹介 ↓ でも書いたが、例の感染症(具体名を書くと注意勧告が載ってしまうので、書かない)がキッカケだ。天鳳の存在自体は10年以上前から知っていたが、当時の私はフリー雀荘(東風戦)に入りびたっており、「金も賭けずに、よくやるよ」とバカにしていた。

 いわゆる「リアル雀士」にありがちなことではないだろうか? なまじ、純黒(雀荘の場代以上に麻雀で勝つこと。遊んでいるのにお金が増える)を出せる、あるいは純黒を目指しているがゆえに、「ノーレート麻雀」「ネット麻雀」を下に見てしまう(ただし、ネット麻雀でも金を賭けられるゲームは存在する)。私は、そんなリアル雀士の一人だった。

 転機は6年前に訪れた。フリー雀荘で知り合った人に誘われて、週1回のセット麻雀に参加するようになったのだ。4人で打つ三人麻雀(1人は抜け番。長時間打ち続けるのは疲れるため)で、東天紅ルール ↓  を採用している。

 レートは非常に高め(どれくらい高いかって? ご想像に任せます😝)で、基本的に財力がないと打ち続けられない。私以外のメンツは、不動産経営や株式投資で大金を動かしている人達だ。

 このセット麻雀で、私は大きく勝ち越すことができた。考えてみれば当たり前で、ある程度麻雀が上達すれば、ネックになるのは「場代」なのである。対人成績がプラスなのは当然の前提であって、強者はその先の領域でしのぎをけずっているのだ。
 メンツのレベルが下がり(失礼🙇‍♂️🙇‍♂️)、場代が大幅に安くなった(セット料金のため)ことで、「麻雀で純黒」という私の目標は、アッサリ達成された。それ以降、私はフリー雀荘にほとんど行かなくなった。場代と競っているのがバカバカしくなったというのもあるが、三人麻雀のレートが高過ぎるため、フリー雀荘で動く金額に刺激を受けなくなったのが理由として大きい。

 時は流れて、2020年。多くの人々と同じように、「自宅待機って言われても、何をしよう?」となった私は、金とは別のものを求めて、天鳳を始めることにした。


②六段になるまで

 2020年の4月に天鳳を始めて、5月終わりには一度目の六段に昇段した(1000戦弱)。ここまでは順調で、天鳳の「ラス回避」を特に意識することはなかった。フリー雀荘と同じ感覚で打っていたら、自然と昇段したという印象だ。
 低段位のうちはラスによるマイナスが小さいため、ラスを引いても気にせず次のゲームに行ける。ここまでは、ストレスを感じなかった。あくまで、「ここまでは」だがな😱😱。

 なお、私は基本的に東風戦しか打たない。長らくフリー雀荘で主戦場が東風戦だったというのもあるが、通勤中などスキマ時間に東南戦を打つのは難しいからだ。以下、そのつもりでお読み頂きたい。

 六段になると、ラス(4着)のマイナスが大きくのしかかるようになる。特上卓(四〜六段が在籍)でのポイント配分は、1着が+50、2着が+20、3着が±0、4着が−80(六段配分)だ。
 つまり、大トップ→4着→浮きの2着という、フリー雀荘ならば大儲けしている結果でも、天鳳においてはマイナスなのだ。大トップで終われるゲームは、大抵ご祝儀を稼ぎまくっているものであり、この結果には大満足だ😁🎉😻。しかし、その発想が通用しないのが天鳳である。大トップもご祝儀もない。あるのは、ラスを中心にした「着順」のみ。
 天鳳が「ラス回避ゲーム」と呼ばれる所以(ゆえん)である。

 このポイント配分に対応できなかった私は、あっという間に降段した。「なんで周りの奴らより成績がいい自分(これ自体はその通り)が、ポイントを減らさなきゃいけないんだ!」などと思っているうちに😅。↑ のような感想を抱いていること自体が、天鳳六段のポイント配分を理解していない証拠だ。今なら分かるが、当時の私には分からなかった。
 
 五段に落ちた私は、おそらく多くの人がそうであるように、自分の技量の無さを棚上げして(と言うか、何が原因か理解できずに)疑心暗鬼に陥った。

 「牌操作(運営側が、特定のプレーヤーを勝たせる・負けさせるようにしているのではないかという疑惑)」はともかく、「課金者優遇(運営側が、課金しているプレーヤーに有利になるよう、配牌やツモを設定する。天鳳は基本的に非課金でも遊べるが、課金すると参照できるデータが増える。また、鳳凰卓は課金しないとプレーできない。つまり、本来は機能を増やす目的で行なう課金によって、麻雀でも恩恵を受けているのではないかという疑惑)」は本気で疑った。資本主義の原理に叶う(笑)と考えたからだ。
 
 また、10半荘ほど東南戦も打ってみた(私が四人麻雀東南戦を打ったのはこの時だけだ)。とにかく、「何かを変えてみよう」と思ったのを覚えている。変えるべきは打ち方だった訳だが😅。
 
 課金したかいあって(?)、300戦前後で六段に再昇段 ↓

意気揚々と六段坂に再挑戦。この後に待つ地獄を、想像だにしていなかった。懐かしい😁

 待ってろよ、鳳凰卓!


③六段坂は続くよ、どこまでも

 勝てない。勝てない日が続く。いや、勝ってはいるのだ。平均順位2.4前後は十分「強者」と言える。だがそれは、「天鳳の強者」であることとは別の話だ。極端に言えば、平均順位が2.8でも構わない。3着9回、トップ1回、それでポイントは1戦あたり+5となる。六段原点(1200ポイント)から七段昇段(2400ポイント)に必要なポイントは1200。240戦で昇段できる計算だ。トップは要らない、大切なのはラスを引かないことだ。

 ここまでは、天鳳をプレーする人にとっては常識だろう。無論、私も頭では分かっていた。ただ、具体的にどうすればイイのかが見えない。貴方も経験があるのではないだろうか?

 私はもがき続けた。六段坂は勢いだけでは登れない。折り返し地点(1800ポイント)に到達しては、降段危険水域(400〜800ポイント)まで後退することを繰り返した。
 天鳳を始めるにあたって、当初私が立てた目標は「半年以内に七段昇段」だった。ところが、蓋を開けてみれば、七段昇段どころか五段降段の恐怖に怯える日々だ。1ヶ月間苦労して積み上げた300ポイントが、1日の4ラスで水の泡になる。それが六段のポイント配分である。
 連続ラスを引いた悔しさのあまり、スマフォの画面(通常はパソコン画面)に向かって、「つのだ(天鳳の開発者)◯ね!」と叫ぶ(Siri ↓ は反応しない😝)。あるいは、終わらない「地獄モード」の脱出法を求めて、「天鳳は◯ソゲー」でネット検索する。天鳳界隈では、極めてよく目にする光景だ。私も例外ではなかった(つのださん、スミマセンでした🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️)。

 経験者には理解してもらえると思うが、天鳳でのラスは(特に六段配分・八〜十段配分において)、心理面に重大な悪影響を及ぼす。いわゆる「地獄モード」に入ると、どうしようもない・理不尽なラス(通称「定期ラス」「無理ラス」)が続く。自分を慰めようと牌譜検討して、ミスがないことを確認しても、失ったポイントは戻ってこない。分かってはいるが、どうしても失ったポイントのことを考えてしまう。
 「東◯局でリーチしたのがいけなかった」「いや、次局に◯◯をポンしたのがヌルかった」などと、意味のない「反省(という名の愚痴)」が延々と続く。果ては、授業をしながら脳内で牌譜検討が始まる。こうなると重症だ😱。

 天鳳を始めるまで、私は「金を賭けないと真剣になれない」と思っていた。だが、六段坂で停滞している内に、それが大きな勘違いだったと気づいた。金は働けば稼げるが、ポイントは麻雀で勝つことでしか稼げない。ポイントという言い訳のきかない数字の前では、人は真剣にならざるをえないのだ。

 真剣であるがゆえに、ラスが怖くて麻雀が打てなくなる。打たなければポイントは減らない(もちろん、増えもしないが)のである。よく「失敗を恐れずに挑戦しろ」と言うが、天鳳というフィールドにおいては、挑戦すること自体が失敗(熱くなって打ち続けてしまう「熱続行」)ということも多い。
 「打つのを止める」という判断が、冷静なのか怯えなのか分からなくなる。私は「ラスを引いたら、その日は打つのを止める」というマイルールを作った。ジリジリジリジリ、牛の歩みのようにポイントを増やす日々。だがそれも、「1戦目でラスを引く(あるいは、2着以上を取る前にラスを引く)」という日が週の半分もあれば、1ヵ月かかって増やしたポイントがゴッソリ持っていかれる。そうこうしているうちに「地獄モード」が到来😡😡して、全てがパーである。
 
 六段坂を登るのは、「賽の河原の石積み」に似ている。三途の川(五段降段)の前で、子ども🤣達は黙々と石(ポイント)を積み上げる。小さな石を、恐る恐る。だが、完成途中で(場合によっては完成目前で)、「地獄モード」という名の鬼👹がやってくる。一瞬にして打ち壊された石塔を前にして、子ども(笑)達は泣き叫ぶ(ネットに天鳳の悪口を書き込むetc。私は、リアルに叫ぶ🤗)。ひとしきり泣いた後にすることといったら、また石を積み上げることだけなのである。


④六段坂を登るために

 このままではいけない。同じことの繰り返しだ。そう思った私は、いつもの手段に出た。あらゆる分野における成功法、それは「成功した人の真似をすること」だ。様々なサイトや動画を見て、私は学習した(勉強ではない! ↓)。

 だが、六段坂を登るにあたって、何よりも実力向上につながった(と思う)のが、自身による「牌譜検討」である。天鳳では、自分がプレーしたゲームについては、他家のプレーも含めて振り返ることができる。
 非課金の場合でも、最近40試合まで「反省会」ができる。だが、人の記憶はそんなに長く保つものではない。1戦終わったら、必ず牌譜で自分のプレーを振り返る。あるいは、他家の打ち筋を研究する。六段坂の途中から、私がルーティンにしていたことだ。というか、自分のプレーを振り返らない強者などいない。どの分野にもあてはまる話だろう。
 
 牌譜検討において重要なのは、結果論に陥らないようにすることだ。他家の手牌も全て見えるため、「こんな見え見えリーチに放銃してしまった」などという感想を抱きがちだが、リーチの待ちが見え見えなどということは基本的にありえない。
 「プレー中、自分は◯◯と考えていたが、その予想は当たっていたのか、外れていたのか」「他家が◯◯を狙っていたが、自分はプレー中には気づかなかった。それは仕方のないことなのか、気づけるヒントがあったのか」など、あくまで冷静に振り返ることが大切だ。

 以下、六段坂を登るにあたって、牌譜検討などを通じて私が身につけた、「麻雀の方向性」「麻雀に対する考え方」を紹介する。他の人が言及している内容と重なる部分も多いが、私ならではの視点もある(ハズ)。特に、「スマフォでプレー」して、「東風戦だけで」六段坂を登りきった人は多くない(と思う)ので、同じ道を歩こうとする人には(パソコンでプレーした方が良いと思うが😅)参考になるだろう。
 また、ご祝儀アリのフリー雀荘ルールとの違いも述べる。天鳳デビューを考えている「リアル雀士」には、是非とも知っておいてほしい。でないと地獄を見るよ、いやマジで😅。
 
 
 本記事の冒頭でも触れたが、再度断っておくと、「六段になれる(=かなり上級者寄りの中級者。フリー雀荘で純黒とまではいかないが、場代の大半は他のお客さんに負担してもらうレベル)」のは前提として話を進める。具体的には、以下の内容について「当然クリアしている」人達が対象だ。天鳳未経験者は、ここで実力をチェックしてみてほしい。

・麻雀の基本ルール・役は全て知っている
・点数計算(50符までで良い)ができる
・ドラや手役などが絡まなければ、ある手牌からどの牌を切るのが最も手広いか判断できる(牌効率)
・多少無理をしてでも高打点を作ることの重要性を理解している
・アガリやすさと打点の折り合いがつけられる。意味なく手役を追わない
・基本的に、字牌を切るときは「ダブ東(南場はダブ南)」から(自分が親ではない場合)
・鳴きの重要性を理解している(「鳴けない」雀士ではない)
・テンパイしている状況から、他家のリーチに対して危険牌を押し続けられる(いわゆる「全ツ」ができる。勝手な読みで、「この牌だけは切れない」などと判断がブレたりしない)
・テンパイしていない状況で、他家に危険な牌を切らない。満貫イーシャンテンよりも1000点テンパイの方が価値が高いことを理解している
・ベタオリが丁寧にできる(自分勝手な読みを入れて「回し打ち」などをしない)
・愚形リーチを躊躇しない。手替わりを待っていいのはレアケースであることを理解している
・「一発消し」「海底ズラシ」の鳴きを入れた結果ツモられても、気にしない(結果論者でない)
・「前局からの流れ」「牌のエネルギー」「体勢の差」「余計な鳴きでゲームを壊す」「アヤ牌」などのオカルトに耳を貸さない(「昭和雀士」ではない。あるいはそこから脱却している)
・「自称上級者」ではない(フリー雀荘の収支など、麻雀の結果を数字で客観視している)
・(この項目は、私自身必要なのか否か判断できないが、一応載せておく)他家の捨て牌から、山に残っている牌をある程度予測できる(山読み)

 天鳳をプレーしているのならば、自分があてはまるかどうかは明白だ。六段昇段までに要する時間は、六段坂を登るために必要な時間(牌譜検討などの学習時間を含む)の3分の1以下(もちろん人によって異なるが、最低ラインを提示した。現実的には、もっと大きな差になるだろう😭😭😭😭)。「六段になる実力がある」と感じる人は、実際になってから以降の記事を読むのも「悪くないだろう」(ぺこぱ風に)🤗。

 前置きが長くなってしまった😅。それでは、始めよう。


・和了率を下げる
 「え? 上げるじゃないの?」と思ったかもしれないが、書き間違いではない。
 ご祝儀アリルールでは、チップ収入が伴えば美味しいし、他家のアガリによるチップ支出の危険性を下げているので、アガリ自体に意味があることが圧倒的に多い。
 
 だが、完全順位制の天鳳においては、「他家のアガリが嬉しい」という場面も多く存在する。3着目が誰かに放銃して、ラス目の自分に近付いてきた。ライバルの親番を流したいが、自分の手牌はどうにもならない、そんな時に他家がアガってくれたetc。
 和了率が高いということは、「自分にとって嬉しい他家のアガリ」を邪魔している可能性がある。この視点を持てるかどうかが重要だ。

 また、和了率が高いということは、あまり意味がないアガリが多いということでもある。典型的なのが、タンヤオ赤のツモアガリ。ご祝儀アリルールならば、「点棒は要らないから(笑)、ご祝儀1枚オール」となる、非常に効率の良いアガリだ。しかし、天鳳では単なる「500-1000」であり、局面によっては良くないアガリ(高打点のチャンスを逃している)となる。
 最も注意が必要なのが、親番でのアガリ方だ。開局(東1局)に「500オール」をツモって連荘したはいいが、1本場で「2000-3900(天鳳は繰り上げ満貫ナシ)の1本付け」を親カブリ、という展開が待っている。100点差以内に三者がひしめく、地獄のラス争いの始まりだ。はい、何度もやっちゃいました😭。
 「500オールをアガるくらいなら、横移動でラス候補ができた方が嬉しい」という感覚をもつことが大切だ。
 
 とにかく、自分のアガリが局面にマッチしているかどうか、常に考える必要がある。六段昇段直後の私は和了率が25%近くあり(上卓までは周りのレベルが低かったのもあるし、ラスが痛くない四・五段時に押しまくっていたのもある)、アガリを見過ぎる傾向が六段のポイント配分で苦戦した原因になっていたのではないかと、振り返ってみて思う。


・平均順位を下げる
 先程のアガリ率と似た話である。通常の麻雀の場合、順位分布は「1位率>2位率>3位率>4位率」となるのが強者だ。実際、六段昇段直後の私もそうだった。
 だが、長い六段坂を登り切るのに必要なのは、多くのトップを取ることではない。定期的に訪れる地獄モードにおいて、いかに多くラスを回避するかである。そこで重要になるのが、3位率だ。フリー雀荘では「地蔵」の象徴である3着だが、天鳳においては「ラス回避」の勲章だ。
 
 「無理にトップを目指さない」「2着・3着で良しとする」打ち方をしていると、順位分布は「1位率<2位率>>3位率>>>>4位率」のようになる。フリー雀荘やMリーグルールで有効な「トップラス麻雀」は、天鳳では負け組の打ち方なのだ。
 結果として、平均順位は自然と下がることになる。六段再昇段直後の私は、平均順位が2.39。二度目の六段には1763戦在籍したが、その過程で2.42に下がった(四段・五段時と同じく特上卓で打っているので、周りのメンツのレベルは変わらない)。それが良かったと思っている。



・放銃率は低めで維持する
 「低く」ではないところがミソ。放銃率が低過ぎる場合は、「勝負すべき局面で日和っている」「必要な場面で差し込みをしていない」可能性がある。よく言われる、「攻撃型だから〜」「守備型の自分は〜」などは、単なる言い訳にすぎない。少なくとも特上卓東風戦で勝ち抜くには、放銃率は12〜13%の範囲に収めるべきだ。
 なお、鳳凰卓では放銃率11%台のプレーヤーがいるそうだが、これについては今の私はコメントする立場にない。
追記: 鳳東(鳳凰卓東風戦)でプレーしてみたところ、放銃率はむしろ高めだった。他のプレーヤーのデータ(天鳳ブログなどで一部紹介されている)を見ると、放銃率14%台の強者も多かった。この辺りは今後の研究課題になると考える。

 フリー雀荘スタイルで行くと、放銃率が15%前後になってしまうことも多い。私は六段昇段直後の放銃率が13.5%あった。明らかに「勝負し過ぎ」だ。
 ただし、六段坂で苦戦した理由はむしろ逆で、過度に放銃を恐れることでバランスを崩していた。特に、天鳳を長年プレーしていると、「放銃=悪」となりやすい。そうすると、本来はラス回避の手段であるはずの放銃回避が、目的になってしまう。
 小競り合いが増える東風戦では、放銃していればラスを回避できていたというケースも多い(安手に放銃していれば、ラス目の逆転大物手を阻止できていた)。私自身、牌譜検討の際に何度も叫ぶことになった。「なんで止めてんだよ!」。


・「和了率−放銃率」の値を10%以上にする
 広く知られている指標だが、私は当初からクリアしていたので、あまり気にしなかった。達成できていない人は、「押し引きのバランスが悪い」と言わざるをえない。
 本記事の趣旨と関係が薄い項目(六段坂を登る以前の問題)だが、一応載せておく。


・リーチ率は低めで維持する
 「1000点の投資」で、一発・裏ドラによるご祝儀を含め、期待値が跳ね上がる「リーチ」。自身のアガリ点を高めるし、他家の行動を制約する効果もある。現代麻雀における「バランスブレイク役」であり、フリー雀荘での基本戦略は、「テンパイしたら、何でもリーチ!」でおおむね間違っていない。
 
 だが天鳳においては、「リーチ」の一言が自らの首を絞めることも多い。動画配信などでもよく言われることだが、「ラス目の親番」は、特に注意が必要なシチュエーションだ。
 天鳳の至上命令である「ラス回避」とは、言い換えれば他の誰かにラスを押しつけることだ(なんて陰湿な。社会の縮図ですな😅)。そして、ラスを最も押し付けやすいのは、現状ラス目の親なのだ。従って、子方3人で協力して親を流し、親番維持という分かりやすい目標を目指すラス目に何もさせないことが、三者にとって「得な選択」となる。
 それなのに、自分がテンパイしたからといってリーチをかけると、子2人はオリてしまう可能性が高い。そうなると、絶対にオリない(オリたらラスが決まってしまうが、勝負すれば着順が上がるかもしれない。天鳳は完全順位制なので、素点を守る意味がない)親との「一騎討ち」という構図が待っている。不要なリスクを負っていると言えるだろう。
  
 さらに東風戦においては、リーチ棒を出すこと自体がラスの確率を高めてしまうことがある。極端な話をすれば、東1局に貴方が先制リーチをかけたとする。この時点でのラス目は誰か? そう、有利な立場にいるはずの貴方なのだ。
 「そんなバカな‼️ 期待値の高い行動なのに、ラス率が上がるなんて!」と思うかもしれない。確かに上記は極論だが、リーチ棒が致命傷になるケースは確実に存在する。
 東風戦を主戦場にするプレーヤーは押しが強く、ケイテンもしぶとく取ってくる。場に供託した1000点は、アガリを必要とする他家(主にラス目)にとって、分かりやすいプレミアとなる。点数状況を判断せずにリーチ棒を出す行為は、即地獄(ラス)行きに直結するのだ。私の体感では、自分のリーチ棒を回収できなかったゲームは、ラス率が上がる。
 
 さらに、リーチには「以降はアガリ牌以外全てツモ切り(カン材を除く)」というデメリットがついて回る。もちろん、それを上回るメリットがあるからこその「バランスブレイク役」なのだが、1回の放銃が致命傷になりやすい東風戦においては、リーチ宣言には繊細な判断が必要となる。なにしろ、一度リーチをかけたら、守備力は裸単騎以下になるのだから(裸単騎は2枚から選べる)。

 具体的には、以下のようなケースではリーチを控えた方が良いと考える。
 ①ラス目の親番(前述)
 ②オーラス(東4局)、自身がトップ目or2着目
 ③オーラス、リーチ棒を出した瞬間にラス落ち
 ④オーラス、自身が親で、リーチ棒を出して
  「500-1000」以上の親カブリをするとラス落ち
 
 特に意識したいのが②のケースで、「トップ目でリーチ → ラス目がヤケクソ気味の追いかけリーチ → 一発でアタリ牌を掴み、自身がラス落ち」という悪夢のような経験は、貴方にもあるだろう。ええ、私は何度もありますとも😭😭。
 天鳳における大罪は、「リーチをかけずにトップを取り逃がすこと」ではない。「リーチをかけたがゆえの2着順落ち」である。3着順落ちなど論外で、②のケースでリーチすることは、「場に点棒を供給する(ラス目の逆転条件を緩めている)」上に、「リーチをかけて無防備になる(ラス目の攻撃目標になる)」という、危険極まりない行動なのである。「トップ目からさらにカッパギリーチ!」はフリー雀荘での勝ち方であり、天鳳でそれをやったら単なる「養分」だ。
 忘れてはいけない。オーラス、ラス目は絶対にオリないのだ。上記のような悪夢は、天鳳においては「レアケース」ではないのである。

 リーチ率については、私自身最も考え方を改めた項目だ。六段昇段直後は20%を超えていたが、七段昇段時では17.5%である。
追記: 鳳東でプレーしていると、さらにリーチ率が下がる。

 もちろん、リーチを目指して手組みするのは麻雀の基本だ。それを実践できることは前提として、リーチを控える場面を見極めなければいけないのだから、本当に大変だ😅。タンヤオ赤のカンチャン待ちをリーチするのに、ピンフドラ1の三面張はダマにする。状況によって判断を変えなければ、東風六段坂は登れない(少なくとも私はそうだった)。


・副露率を上げる
 よく言われることで、私も同意見だ。30〜40%が理想値で、この範囲外の人は、「鳴きが下手」か「鳴き過ぎ」のどちらかだと思う。一部例外もいるが、少なくとも六段坂で苦戦する人間(私のことだ😅)が参考にするスタイルではないと考える。
 副露率はリーチ率とtrade-offの関係にあるため、「リーチを我慢できない」という人は、「鳴きを我慢しない」にマインドシフトすると良いだろう。私も、六段再昇段時点で30%を切っていた副露率を上げることで、リーチ率を下げた。

 鳴きの技術向上におけるポイントは、「安牌をキープしたままの手牌進行」「テンパイ後にリーチを受けたときの押し引き」の2つ。これらを抽象化するのは難しい。コチラ ↓ の動画をご覧あれ。

 Mリーグファンなら、小林剛プロ ↓ の打ち方を参考にすると良いだろう。鳴きをどう捉えるかについて、丁寧に解説されている。

  

 ここからは、応用編だ。
 細かい話が続くが、実際に六段坂に挑戦中の人にとっては特に重要な内容(のハズ)だ。

・一発消しについての考え方を改める
 ご祝儀アリのフリー雀荘ならば、「自分のアガリが厳しいならば、とりあえず一発消し」が正解になりやすい。だが、天鳳では別の考え方が必要だ。
 「自分のアガリが見込めるならば、一発消しのために手牌を崩さない」は当然として、親番が誰かによって判断が変わってくる。リーチがかかり、上家の捨て牌をチーできる(ポンは安牌を減らしてしまうため、そもそも一発消しに向いていない)状況において、鳴くか否かをどう判断するか? なお、念のために断っておくが、「一発消しをして、逆にツモられたら〜」などの結果論はご遠慮ください😝。

 結論から言えば、「リーチ者が子、自分も子ならば一発消しをしない」となる。それ以外は一発消しをする。以下、各ケースについて考察する。
 
 ①リーチ者が親 → 一発消しする
 親に高い手をツモられる確率を下げることで、自身のラス率を下げる。このケースは理解しやすいだろう。

 ②リーチ者が子、自分が親 → 一発消しする
 ここまで何度か登場したが、ラス回避麻雀を理解するためのkey wordは「親カブリ」である。自分ではどうしようもない現象によってアガリ者以外の2人にも遅れをとる、それが親カブリだ。
 この危険性を理解していれば、親カブリによる自身のダメージを小さくする一発消しは当然だ。

 ③リーチ者が子、自分も子 → 一発消しをしない
 先程の話の裏返しだ。親に高い手をカブってほしいのだ。ついでに、裏ドラものってほしい(笑)。他家がリーチ後にツモアガリした時に、「裏ドラのれ!」と念じるのが天鳳というゲームである😄。
 この辺りは、天鳳の実況動画を見ると実感できるだろう。youtuberが、「裏ドラのれ!」と他家のアガリを高くしようと(叫んでも何も変わらないが)している姿を見ることができる。もちろん、私も叫んでます😝。

 実際のところ、一発の発生確率自体が低いため、一発消しをするか否かの判断は、ほとんど成績に影響しない(私自身、この戦略の恩恵を受けた記憶はない)。ならばなぜ紹介するのか? それは、一発消しの話を通じて、他家のアガリに対する認識を変えてほしいからだ。
 フリー雀荘で、他家が「リーチ一発ツモ、あっ、裏3。ハネ満のチップ4枚」と言った時、貴方はどう感じるだろうか? 余程の人格者でもない限り、「バカヅキ野郎、◯ねよ!」となるだろう。
 同じ現象が、天鳳で起きたとする。オーラス、3着目の親と2800点差でラス目の貴方は、テンパイすらできない苦しい状況だ。ところが、奇跡の親カブリで貴方はラス回避できた。そんな貴方には、アガリ者がメシア(救世主)でもあるかのように神々しく見えるだろう。ちなみに、私の体験談です😆。

 自分のアガリ中心に捉えているうちは、麻雀中級者だ。圧倒的に多い他家のアガリをどう捉えるか、それが上級者への道だと考える。


常に全員の点数状況を把握する
 「常に」とは、文字通りの意味だ。東1局から全員の点数状況を認識し、どういう方針で手牌進行するか(何点くらいのアガリを目指すのか、そもそもアガリを目指さないのか)を考える。慣れてきたら、他家がどういう方針で手牌進行するか(どういう方針をたてるのが、そのプレーヤーにとって合理的か)まで考える。
 「東1局なんて、全員配給原点(25000点)じゃないか!」と思うかもしれない。そんな貴方に質問だ😝。東1局、親番は貴方だとする。この時点で、最もラス目になる危険性が高いのは誰か?
 正解はもちろん、貴方である。ロンアガリのパターンは等確率だ。ツモアガリも各家等確率だ。では、アガリの全パターンのうち、最もラス目になるのが多いのは? そう、子方の誰がツモっても親カブリする、貴方なのだ。
 東1局は「点数が平たい」場面ではあるが、「ラス目になる確率が等しい」場面ではない。
 
 「何を極端なことを」と思うかもしれないが、東風戦では、オーラスで全員が2000点差圏内にいるなど、ざらにある現象だ。リーチ率・一発消しの項でも述べたが、僅差になればなるほど、親カブリのダメージ・リーチ棒支出のリスクは増大する。ここを実感できるかどうかで、親番での立ち回りや、リーチ判断の精度が変わってくるのである。

 東風戦において、東3局は「ラス前」、東2局は「ラス前の前局(?)」である。言い換えれば、ほとんどの局で点数状況判断が要求される。「ピンフのみはリーチ」は、確かに局収支期待値としては正しい考え方だ。だが、そもそも局収支だけで判断できる場面が少ないのが東風戦なのだ。
 東風戦は「東場だけの戦い」ではない。「南場だけの戦い」が正しい認識だ。東南戦における南2局以降の接戦を常に行なっている、そう捉えてもイイだろう。
 
 例えば、東3局、点数状況は東家18000、南家33500、西家26000、北家22500とする。南家の貴方は、6巡目にピンフのみをテンパイした。場に動きはなく、明らかな先制テンパイ。リーチする?
 
 
 いったん記事から目を離して、考えてほしい。


 自分なりの結論は出ましたか? あらゆる分野の学習に言えることだが、自分で考えてみることが大切だ。「正解(とされる考え方)」とのズレを認識することが、自身の成長につながる。


 本当にその答えでイイですか?


 私の考える正解は、「リーチしない」だ。なぜならここで1000点をアガった場合、次局(オーラス)、高確率で貴方はトップ終了できるからだ。次局に親番を迎える貴方は、西家(次局は南家)の「2000-3900」以上のツモアガリがなければ、トップをとれる。放銃に気をつけてさえいれば、1人ノーテンでもトップ終了である。つまり、この局面では打点を追う(そして、その代償としてアガリ率を下げる)意味がほとんどない。
 「北家(次局は西家)の満貫ツモアガリは、同点2着(上家取りで西家がトップ)になるのでは?」と思った人は鋭い。その質問には、「天鳳には、繰り上げ満貫はない(2000-3900を親カブリしても、200点差で貴方がトップ)から」と答えておこう。
 ちなみに、上記のシチュエーションは、リーチ率の項で散々述べた「ラス目の親番」にも該当する。私に言わせれば「鉄ダマ」のケースだが、貴方はどう思うだろうか?


・アシストや差し込みを意識する
 先述の「点数状況判断」と密接に関連する技術だ。「アシスト」は(主に)下家に鳴ける牌をわざと捨てること、「差し込み」はわざと放銃することだ。オーラス、自身がトップ目or2着目で、下家が2着目orトップ目の場合には、絶大な威力を発揮する。お互いにある程度相手の手牌を読める強者の、利害が一致した局面における打ち回しは、「コンビ麻雀」の様相を呈する。
 上級者同士の「アシスト要求&アシスト」は、観る者を感動さえさせる。昨年(2020年シーズン)のMリーグセミファイナルにおける、多井隆晴プロと勝又健志プロによる、チームのポイント状況まで踏まえた芸術的なコンビネーション ↓ は、記憶に新しいところだ。


 もちろん、自身が3着目でトップ目or2着目をアガらせてラス回避するパターンもある(↓ の動画も、そのケースにあたる)。
 
 アシストや差し込みの優位性は、ツモに依存しないところにある。何と言っても、麻雀は不確実性のゲームだ。配牌・ツモ次第では、トッププロが初心者に負けることもある。その不確実性を、2人のプレーヤーによって限りなく「確実」に近づけるのが、アシストや差し込みなのだ。
 
 その威力は、自身がラス目でアシストや差し込みをされた時に、真に実感できる😱。思わず、「出来レースだ!」と叫んでしまうものだ。実際、その通りなのだが(笑)。
 
 アシスト技術については、コチラ ↓ の動画を参考にしてほしい。アシストの重要性や威力を体感できるだろう。「ツインアシスト」ワロタ🤣。(オーラス、アシストの場面は、10:30〜)

 アシストや差し込みにおいて重要なのは、細かい技術を学ぶことよりも、アシストや差し込みという選択肢を持っていることである。意味もなく「鳴きに対して絞る」「放銃はイヤだ」と思っている人は、一生身につけることはできない。逆に、「この場面はアシストもありだな」と思えるようになったら、貴方も上級者の仲間入りだ。


・ダマテンしている他家を見抜く
 「捨て牌からダマテンを読む」というのは高度な技術が必要だ。ここで言うのはそういうことではなく、点数状況からダマテンを選択するであろう他家の事情を考慮する、ということだ。点数状況把握と自身のリーチ判断ができるようになれば、その考え方を相手にも当てはめられるようになる。
 例えば、オーラスのトップ目が、いかにも早そうな捨て牌をしているとする。「リーチがかかっていないから、まだ大丈夫だろう」という軽い気持ちで捨てた牌に、「ロン、タンピン赤、3900」の声がかかる。「えっ? なんでダマテン?」と思っているようでは、点数状況把握ができていないと言わざるをえない。トップ目は27500点持ち。3900をアガってトップ終了できるのに、わざわざリーチをかけるハズがないのである。

 逆に、過度にデバサイ(出場所最高)放銃を恐れるのも考えものだ。
 オーラス、ラス目のラス回避条件は、3着目の貴方からの満貫直撃か、ハネ満ツモ。タンピン赤ドラをテンパイしたラス目は、ダマテンを選択するか?  

 こういう場合は、「自分ならばどうするか?」と考えてみると良い。貴方がラス目の立場ならば、どうするだろうか? 本来嬉しい「ツモ」は、この場合自ら「ラス終了」を決定づける愚行となる。
 ダマテンにしていて嬉しいのは、3着目である貴方からの直撃のみ。ならば、リーチという選択に傾くだろう(リーチをかけてもデバサイが無くなった訳ではないし、裏ドラ期待でヨソからアガる選択肢も残る)。
 それなのに、「ラス目のダマテン満貫に放銃したら、ラスに落ちてしまう」という自分視点だけで局面を捉えていると、テンパイしていないラス目に怯えて、自らの着順upのチャンスを逃してしまうことになる。


・南入条件を意識する
 天鳳のルールでは、東4局終了時点で誰も30000点に達していない場合、南場に入る(東南戦では、西場に入る)。そして、誰かが30000点に到達した時点でゲームが終了する。いわゆる「サドンデス」ルールである。
 ここで注意しなければいけないのが、ラス目から脱出したはいいが、トップ目の点数を過剰に削ってしまい、南入してしまうケースだ。
 
 東4局、北家の私は3着目、親がトップ目で31300持ち、南家が私と1000点差のラス目だ。5巡目、私の捨てた「東」を南家が大明カン。数巡後に南家が「ツモ」。七段昇段を目前にしていた私は、思わず天を仰いだ。「また昇段直前で失速か😱」。
 だが、点数表示を見ると「800-1600」。親カブリしたトップ目が30000点を割り、南入だ。南家はカンしなければ、「700-1300」の和了で3着終了だったはず(カンドラはのっていない)だ。カンしなければツモっていない(カンによってツモ番が変わっている)というのも1つの正論だが、私が南家の立場なら、「親からロン牌が出たら、南入させないために見逃しもアリか?(相当選びにくいが)」とまで考える場面であり、大明カンしてテンパネさせることなど絶対にない。
 結果論になるが、南1局に私が「2000-3900」をツモアガリ。件(くだん)の南家は、親カブリで再びラスに転落(親カブリでなくてもラス転落だが)だ。南2局も和了した私は、何とトップでこのゲームを終えることができた。ラス終了を覚悟してから5分足らずの出来事であり、嬉しさも一入(ひとしお)だった。気を良くした私は、数ゲーム後に七段に昇段することになる。私が七段昇段を決めたアガリが、コチラ ↓

安全牌「白」を3枚確保し、ネックとなるドラカンチャンをチーで捌いた、鳴きの理想形。2着目(上家)の仕掛けに「東」を勝負できたのも、白暗刻のおかげ(字一色がない)

 もちろん、2着目・3着目の場合には、ラス目のとき以上(ラス目の場合は、緊急回避として、南入やむなしとなるケースも多い。点数状況次第では、南入のみを狙う戦略もある)に「南入条件」を意識することになる。トップ目が放銃した際に30000点を割らないよう、自分のアガリ打点を下げる工夫(わざと赤ドラを捨てるなど)も必要だ。
 「トップを捲るチャンスが広がって、ラッキー」という発想は、天鳳ではnonsense以外の何物でもない。南入しているということは、全員が僅差ということ。誰かに「ロン、7700」と言われた瞬間に、貴方はラスになるのだ。逆転のチャンスさえ与えられないまま。まさに「sudden death」だ。


 以上、細かい内容になったが、ここまで細かく考えなければ登れないのが、東風六段坂ということでもある。少なくとも、私はそうだった。
 参考までに、七段昇段時点での私の成績を載せておく。これまでの話が反映されているのが、お分かり頂けると思う。

六段再昇段時と比べ、平均順位・和了率・リーチ率が下がっているのが分かる。


⑤六段坂を登り終えて

 本記事の最後に、現在の私の思いを述べる。英語習得と重なる部分もあるので、「麻雀の話はサッパリ」という読者は、ここだけでもお読み頂きたい。


・途中で止めなくて良かったよ😭
 いつも言っていることだが、「諦めたってイイ、止めなければ」。天鳳のアプリを削除 → ダウンロードして再挑戦(IDはメモしてある🤣)を繰り返した私の言葉には、説得力があるでしょ?

・自分の弱さに向き合うことが大切
 麻雀打ちは往々にして、自分の麻雀を過信しがちである。それは必ずしも悪いことではない。だが、数字を突き付けられた時、誤魔化すのか向き合うのか、その姿勢によって未来が変わる
 私は「英語ができない」と認めた時と同じように、「麻雀が弱い(少なくとも、天鳳に向いていない)」と認めるところから始めた。

・目標や目標達成の難易度は人によって異なる
 私にとって地獄の作業だった「六段坂攻略」だが、「登れて当然」という人もいるだろう。「七段なんて雑魚」という論調を、5チャンネルなどで何度も目にした。それも1つの真実だろう。
 しかし、麻雀が好きだが麻雀センスのない私にとって、六段坂を攻略できたことは素直に嬉しい。それだけのことだし、それで良いと考える。目標は人それぞれだし、目標達成の難易度も人それぞれだ。
 10年前、私は英語ができない自分に涙していた。そんな私を、「英語ペラペラ」の女子高生達は憐れみ(侮蔑?)の眼差しで見つめていた。何もおかしくはない。何かができるorできないとは、そういうものなのである。


・時間をかけて達成した目標は素直に喜べる
 英語を「言語」として習得した際の感情 ↓ と似ている。こうして記事を書いている途中にも、自然と笑顔(ニヤケ顔?)になる。歩いた道のりが長ければ長いほど、道中に遭遇した困難が大きければ大きいほど、達成したときの喜びは増すのである。
 貴方が大きな目標に向けて歩いているならば、これだけは胸に留めておいてほしい。目標を達成した未来の貴方は、もがき苦しんでいる現在の貴方に感謝する

 最後に。「スマフォで六段坂攻略」を謳ったはいいが、私はパソコンで天鳳をプレーしたことがないため、比較ができない😅。両方プレーしたことがある方には、是非とも違いをお教え頂きたい🙇‍♂️🙇‍♂️。

 それでは、次回記事「英語はなぜ難しいか? 音声実践編③」でお会いしましょう。サヨナラ!


どうやって山に登るかって?
登りながら考えるよ。

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