拝啓 夏が似合わないきみへ
わたしのだいすきな" マカロニえんぴつ "というバンドがhope というアルバムをリリースした。
その中の1曲 " 嘘なき " の歌詞が 心に刺さりすぎて痛い。抜けないからこうやってnoteを更新してみたりしちゃっている。 だれにも話せないから、ここに記すことを許してください。
去年の6月、わたしは 夏 という男の子とTwitterで知り合った。( なんでだったかは覚えていない。)
やさしくて おおらかで いぬがすきな男の子だった。DMで毎日お話をして、日々あったことも赤裸々に話していたし 同い年ということもあって この歳ならではのつかれちゃった話とか たわいもないことで毎日、毎晩盛り上がっていた。きみは、すきな音楽をおすすめしたら、気に入ってくれたね。それがわたしはとってもうれしかった。きみのおすすめしてくれた 映画。でもわたしはそれを見ない女だったよね。いまなら素直にいえる、ごめんなさい。
知り合って2ヶ月くらいして、お互い いぬがすきだったから柴犬カフェに行こうってなった。自然の成り行きだった。
彼女がいることだって知っていた。上手くいっていないことだって、もちろん知ってたよ。友だちだから。約束したときには、やましい気もちなんてなかった。友だちだとおもってたから。
でも、いつからか、わたしはどこか少しきみのことをすきだとおもっていたんだとおもう。ほんとうの名前も、通っている大学も知らなかった。そんなきみのこと。人間って ひみつが多いほど 素直になってしまうから、さ。
わたしは1年間の叶わない恋に疲れていて、近くにいて やさしくしてくれるあなたのこと、すごく身近に感じていたんだよね、きみは会った日にそれに気づいてしまったのかな。
8月末、どしゃ降りの雨だった。この日が最初で最後だったね。
2人で柴犬カフェに行って パスタを食べて 大雨のなか 江ノ島へ向かった。ほんとうのことをいうと、話した内容とか、あんまり覚えていない。確かに覚えていることは、パスタをとってもきれいに食べていたのに、傘は上手に巻けていなかったことだけだ。
そう、会ったのはこの日だけだった。
1週間後のわたしの誕生日を祝ってくれてから、夏くんはいなくなってしまった。会ってからちょうど1週間。きらわれてしまったみたいだ。
わたしは未だに 夏くんのことを思い出してしまっていたりしている。少し照れてはにかみながら、台風のなか傘をさしてくれたひと。いつもやさしくしてくれたひと。
今ごろなにをしているだろうか。彼女とうまくいっているだろうか。就職先は決まったかな。笑って過ごせているだろうか。
夏にしかいない存在だったから 夏 って名前だったんだよね。うっすら気付いていた。
でも見えないふりをしていた。
いつかあなたともう一度会うことができたら、ちゃんと連絡先をきこう。働いているだろうから( いまの夢が叶っていれば ) 名刺を渡したりしたい。嘘がないままで。
ほんとうのわたしで いつかあなたと向き合いたい。塗り固めた嘘に泣かないように。寂しいって泣かないように。きみに会いに行きたい。
雨が降っていてもいい。だって晴れている日なんて、あなたには似合わないから。