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ゼロイチ1期生インタビュー「社会課題の解決のために、自分なりに行動はしていた。その一方で、突き抜けられていないと悩み、相談できる仲間を求めていた。ゼロイチで出会った仲間に刺激され、挑戦し続けられる自分になった。」

ゼロイチ1期生・桐谷晃世さんへのインタビュー
こうせいが取り組むテーマ:小規模事業者の後継者不在問題

(ゼロイチではお互いをニックネームで呼ぶため、本記事でも「こうせい」と表記します)

こんにちは!『ゼロイチ』社会的起業家アクセラレーションプログラム運営事務局です。社会を変える新たなイチを生み出したいと、昨年ゼロイチに参画したゼロイチ1期生による挑戦やゼロイチエントリー時の様子をお伝えします。

ゼロイチとは?

経済産業省とJETRO共催の、若い世代を対象とした社会的起業家アクセラレーションプログラム。約7ヶ月間にわたる集中プログラムを通して、社会課題を解決するサービス/プロダクトを形にするサポートを行う。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000198.000071241.html) 昨年度の2月に第1期生10組12人が卒業し、現在は第2期生を募集中。

こうせいのプロフィール

大学入学後、別府の小規模事業者が後継者不在によって廃業する現実を目の当たりにし、事業承継のWEBメディア事業への参画、別府市の観光支援を目的とした学生団体の立ち上げ等を実施。ビジネスアイデアを実行力の高いプランにし、別府市の廃業件数を1件でも減らすべくゼロイチに応募。現在は別府の小規模事業者を若者や移住者が事業承継できるような事業承継支援事業のPoC(実証)を進めている。


対峙する社会課題を解決すべく「事業を起こしたい」という強い思いがあった

--ゼロイチ以外に、アクセラプログラムへの参加経験や情報に触れる機会はあった?

いや、ありませんでした。何か障壁があったわけではないのですが、自分は参加するレベルに至ってないのかなって。ちょうどゼロイチ1期生を募集していた時期は、僕が高校生の時から関心を持っていた「事業継承の課題」を解決するために、別府の飲食店や観光地を紹介するSNSメディアを立ち上げて、独自に活動するようになった時でした。
そのほかにも、事業継承に関するWebメディアを運営している会社やM&Aの仲介会社でインターンを前からしていました。そこでは上司や社長から毎日のように指導してもらえるけど、ひとりで活動するようになった途端、誰からも意見をもらえなかった。

そこにすごく危機感を感じていました。「これでは自分が成長できる環境がないな」と。
そうして「コミュニティに入りたい」と思っていたので、SNSで何度も流れてきたゼロイチプログラムの広告が気になるようになりました。

--迷いはなく「プログラムにエントリーしよう!」と決めた?

めちゃくちゃ正直に言うと、僕はエントリー書類の提出〆切が23時のところを22時55分ぐらいに出してるんです…。
でも、ぎりぎりの提出になったのには理由があって。

そもそも僕は「社会的起業」や「ソーシャルビジネス」という言葉を一切知りませんでした。ある時、SNSでゼロイチの広告を見ていたら「僕が解決したい課題である、情報格差や後継者不足って社会問題だな」って気づいたんです。そう思うようになってからは「自分がしたいのは起業ではなく社会起業なのかな」って考えるようになりました。
実はエントリーシートを書こうとしたときに、書く内容の多さに愕然として「まあいっか。」と一度書くのをやめています(笑)。だけどその時に、カレンダーには【ゼロイチ締切日】と入れておきました。

さっきも話したように僕にとって、ゼロイチ1期生の募集期間中だった6月は、誰からもフィードバックを得られなくて怖くなっていた時期でした。
だから、一度はエントリーシートを書くのをやめたけど、しばらくして「やるだけやっておこう」と思い始めたんです。そのうちに、登録しておいたカレンダーのリマインダーが来て、それから一気にエントリーシートを書いて応募することにしました。

エントリーシートには経験ややりたいことを書く必要があったのですが、僕は自分がやってきたことが明確だったので、すぐに書けました。基本的には自分が思ってることを正直に書きました。

--こうせいがちょうど他者からの意見を求めている時期だったんだね。ゼロイチへの応募動機は、フィードバックがもらえることが大きかった?

事業承継をテーマに起業がしたいという強い思いがあって、過去にインターンや学生団体で似たことはしていたけど、本質的には取り組む社会課題の解決に向かっていないなって思っていました。難しいテーマだから大学生の自分にはムズイだろうと勝手に思っていた。でも、社会的起業っていう言葉を知ってからは「結構自分に合ってるんじゃないか」「これに参加したら知見が増えて、本質的なアプローチができる人間になれるかも!?」と考えるようになりました。だから、エントリーを完了することができたのかなと思います。

ゼロイチを通して思うのは、コミュニティを見つけられて本当によかったということです。仲間を見つけるのって難しいと思うんです。ぱっと見つかる人もいると思うんですけど、大抵の人はすぐには見つからないんじゃないかな。

ゼロイチの仲間、メンター、事務局みんなのおかげで今がある。だから、みんなに還元したいと僕も思えた

--プログラム中、大変なこともあったけど「頑張るぞ。やり抜くぞ」と、こうせいを奮い立たせたものって何だった?

【ゼロイチの仲間】です。プログラム中のみんなを見ると、前につき進みながらも、いろんなでかい壁にぶち当たっているのが目に入ってきました。
仲間が、大きな壁にぶち当たりながらも果敢に挑戦し続けているところを見ていたら、自分も感化されたんです。

1人でやっているとすぐ怠けちゃうし、誰からもフィードバックをもらえないと向上心も保てない。でも、ゼロイチのメンバーがいることによって、自分も頑張ろうと思えた。僕はそれまでに起業を目指す人や、社会課題に取り組む人に会ったことがなかったけれど、ゼロイチに入ってからは「挑戦する人ってかっこいいな」って思うようになりました。そして「僕も頑張ろう」と思えるようになった。だから一番思い出深いことといえば【ゼロイチの仲間】になります。

あと、メンターの細野さんがすごく良くしてくれたのも思い出深いです。
年始の時期はすごく精神的にも追い込まれていました。年末年始って、ほかのゼロイチ生は、PoCをしていた時期なんです。でも僕は、別府のカフェを事業承継した以外に、PoCはやっていませんでした。みんなは、つぎつぎにPoCをし終わってるような状況だったのに。
その時にメンターの細野さんがめっちゃ僕を気遣ってくれたんです。毎週のようにミーティング組んでくれたり、本当なら僕から細野さんに壁打ち依頼をすべきなんですけど、細野さんから僕に「こうせい大丈夫か?」って言いながらミーティングリンクを送ってくれたりして。年始の一番きつかったときに、細野さんからそういう言葉をもらえた。だから頑張れたし、やる気に繋がりました。僕にとって、細野さんが伴走してくださったことが本当に思い出深いことです。

最後に事務局のJさん。これも同じく年明けのことです。そのころ僕は、ビジネスコンセプトの立案に迷っているときで、ソーシャルコンセプトから考え直そうかなと思っていました。そんな僕を見かねたJさんが「オフィスに遊びに来なよ」って言ってくださって、たまたま学校が休みだったので2週間行ってきました。毎日Jさんから事業案についてフィードバックをもらったり、他の起業家からもミーティングとかロープレの練習を見せてもらったり。そこで僕は社会的起業をしてる人たちの空気感を感じて「僕もこうなりたい」と確信するようになりました。

ゼロイチに入ってからは、社会課題を独自性高く、革新的なアイデアをもって突き進んでいる起業家に多く会いました。僕が今までに関わったことのない人たちでした。みんながみんな、当事者意識を持って寄り添ってくれました。

エピソードを共有すると。夏合宿時に、いろんな業界の起業家やゼロイチに関わる大人が、拝島の合宿所に来てくれたんですけど、その時に会った人に悩みを打ち明けると「こうせい、この後話そうよ」って声をかけてくれて。そのまま夜中の2時・3時までずっと話を聞いてくれた。「俺にもそういう時期あったから」っていいながら経験をもとにフィードバックをもらえたことが、1度ではなくたくさんありました。社会課題に向き合う人たちは、みんな寄り添う力を持つ人たちだなっていうのを感じました。


--ゼロイチにはこうせいが当初求めていたものがありましたか。

いや、本当にもう、求めていたものがドンピシャでありましたよ(笑)夏合宿のときから感じていました。

夏合宿はゼロイチ生全員が、ひとつ屋根の下で1か月過ごしたんです。事業づくりをするために。*
部屋が隣同士のメンバーが、夜中まで相談に乗ってくれたり、逆に事業づくりに関するフィードバックを求められたりしました。それが僕にとっては、めちゃくちゃ嬉しかった。
その時に初めて、相手が立ち向かう社会課題への挑戦を自分事化できて、僕から何をアドバイスできるかを考えました。
フィードバックって言葉で言うのは簡単だけれど、相手が僕のために本気で考えてくれるという証拠僕もその分を相手に還元しようと考えるようになったのは、ゼロイチに入ってからです。めっちゃ勉強になりました。

* 今年度の夏合宿は1週間実施し、その後に1週間の海外視察がある。

ゼロイチプログラム中に参加したONE BEPPU DREAM AWARD 2023でファイナリストに選出

妥協しちゃいけない。妥協せずに常に行動するということをゼロイチから学んだ

--ゼロイチを通じて自分の考え方が変わったなと思うことはある?

んー、そうですね。。
ゼロイチに参加してからは、何かに挑戦することが超楽しいなって思うようになりました。一つのテーマにとことん向き合うことの楽しさを感じながら過ごせた。今、事業承継以外のどんな小さなことにも手を出すようになったのは、僕がこのプロジェクトで得られた経験や知見があったからだと思います。

もともと僕は、あまり物事を継続することができないタイプでした。
一つのことに真正面から突き進めるようになったのは、ゼロイチの経験のおかげです。ゼロイチ卒業後の今も学生団体にて、SNSメディアを使った情報格差の解消や、大学や自治体と連携した、商店街の事業者さんのSNS・DXによる業務効率化などの支援をしています。ゼロイチを通じて実施している事業開発ももちろん継続して行っています。今みたいに向上心を持ってガツガツと社会にいい物を生み出していこうと、ゼロイチを通して考えるようになりました。

「今に満足しちゃいけない」とゼロイチを通じて学んだ

これまでは「できるだけコスパよくやっとけばいいんでしょ」って思いながら、小さな壁が立ちはだかったくらいですぐに諦めていた。だから継続もしないし本気で向き合ってもいなかった。
そんな時にゼロイチやそこに関わる社会起業家に会いました。みんなは口をそろえて「自分は今に満足していなくて、僕はこういう世界を作りたいから全然まだまだなんだ」って言うんです。その話を毎日のように聞いていたら、こんなにすごい人たちがそう思うんだから、僕も現状に満足していたら恥ずかしいって思うようになったんです。

それからは、僕も今に満足しないで、常にビジョンや作りたい社会像を描くようになりました。この人のためにどうすればいいんだろうと考える癖もついた。最近は、寝るとき以外は常に何かを考えています。癖がついたのかわかんないですけど、考える回数がめちゃくちゃ増えた。日常にWhyを突きつけて、「これってなんでこうなったんだろう」「なんでこの人たちはこの課題に陥ってるんだろう」ってよく考えるようになったのはゼロイチのおかげです。

妥協しちゃいけない。妥協せずに行動するようになったのが、参加する前と後で自分が本当に変わった部分だと思っています。

自分が何者でもなくても、情熱があるなら誰でも成長できるプログラム

--これからプログラムに挑戦しようとしている学生に向けてメッセージを送ってほしい。

去年参加した12人全員が口を揃えて言うのは、「ゼロイチに参加してよかった」っていうことです。ゼロイチってプログラム期間が長いんです。でも、みんな本気で取り組んでるから、拘束時間が長いとは思っていなくて、自分をサポートしてくれる時間だと捉えている人が多かった。最後のファイナルピッチの次の日には僕はもう号泣でしたよ。

もし今、少しでも社会課題解決のために何かをしたいという思いがあるなら、ゼロイチに参加した方がいいと強く思います。
というのも、自分がやりたいことに対してこんなに真摯にサポートしてくれたり、解決したい課題に対して、人生をかけて取り組む仲間と出会えることなんて大学生の時にはなかなかないと思うんです。
だからエントリーシートは、とりあえず出すだけ出してみてもいいんじゃないのかなって思います。エントリーシートを書くことは、自分の経験を整理できるし、やりたいことを言語化できる機会でもあるので、そんな観点でもシートを書いたら面白いよってことを言いたいです。
もう少し言うと、何かに取り組んでいる経験があることは評価されるとは思うんですが、面接を通じて感じたのは、取り組む課題に対してどれだけの強い思いを持ってるかという点が最も評価されたんじゃないかなと思っています。

自分が何者でもなくても、何かやりたいっていう情熱があるなら誰に対しても成長させてくれるし、前に踏み出せるプログラムだと思います。「これ、自分に出せんのかな」とか「自分に合ってるのかな」って悩むくらいなら、その思いをぶつけてみてください。

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7/31 18:00-19:30 オンライン開催

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