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西瓜は金曜日に買ってはいけません

「ほおお、西瓜か、今年も西瓜の季節が来たんだな。ひとつ買って帰って喜ばせてやるか」

スーパーの、果物売り場で見つけた西瓜を抱えて帰り

「珍しいものがあったから買ってきたよ」

「あら、大きな西瓜、どうされたんですか?」

「だから、君が喜ぶと思って買って来たんだよ」

「今日は、何曜日がご存じですか」

「今日は、えーと金曜日だ。なにか関係でもあるのかい」

「この団地の、もえるゴミの収集日は月曜と木曜です。西瓜の皮や種などの生ゴミを月曜の朝までキッチンに置いておくの」

「ふーん、西瓜を食べるだけでもそんなことを考えるのか」

「西瓜だけではありません。生の魚やお肉も、ゴミをいつ出せるか考えています」

「食べたいときに食べたいものを食べればいいんじゃないのか」

「食べたければ、お店に行けばいくらでも食べられます。我が家では、おネギ一本でも焼き物、和え物、味噌汁の具、豆腐のあしらいにと、考えてから買います。
貴方が、たまに料理をすると、アレコレ材料を買い込み、残ったものは知らぬ顔、わたしに言わせればあれは料理ではなく、単なる道楽です。
それでも、美味しいと言わないと、機嫌が悪くなるから言ってあげているだけです。
その上、キッチンはゴミだらけで、油を触った手で、他のものにも触るからなにもかもがベチャベチャで」

「ストップ。わかった、今日はそのくらいにしてくれ。ところで西瓜はどうする」

「美味しそうだからいただくわ。よく冷やしてくださいね」

明日は、ゴミ出しルーチーンワークについて学びます。







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