布団に沈む月末
泣いて、連絡先を開いて、そこにある敬愛している人の名前を見て、敬愛しているからこそ、私が今連絡するべきじゃないと画面を閉じて、泣いて、の繰り返しをしていた。たまに寝て、たまに外に出て。外に出ると、気分が変わるだろうと思って歩くんだけど、なんで歩いているのか分からなくなって、足が動かなくなって、30分ほどそこから動けなくなる。考えも飛ぶし、車の音が耳に響くし、自転車がすれすれを走ってきても避けられない。それでもまあなんとか動き出して、来た道とは違う道を通って、帰る。同じ道は絶対に通らない。こだわりというか、強迫観念というか。そんなもんで、靴を脱いでも全く気分は変わらずに、必要以上に疲れている。
この世の全部に謝った気がする。
物心ついてから、流行り病、事故、手術、その他諸々の経験が一切ない。インフルにも、コロナにもかかったことがなくて、小1のときに日食があったんだけど、その日にノロウイルスで倒れていて、日食が見られなかったくらい。事故はないと思う。手術もない。骨折もないし、ひどい虫歯もないし、中耳炎、捻挫、鼻炎、アレルギー、本当に何もない。視力もまだ1あるおかげで、学校検診はずっと無傷。
これを自慢したかったわけじゃなくて、(それもあるけど)18年間、胃腸と肌が弱いだけだったの。体に関しては。
なんでなんだろう。
こんなに大切にしてもらっているのに。
何が不満?
傲慢なだけ?
私にはもったいないほどに優秀な体は、私が大事にされてきた証だ。命を脅かされたことがない。だから、「大切だよ」って言われても響かないのかも。それが当たり前だと思っているから。
布団に沈んで、何も感じなくなるまで寝ていた。
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