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私の本棚

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私の物語(フィクション、ノンフィクション共に)を集めました。
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#ペンギン

泳げないペンギンは、空を飛ぶ(物語のあとがき)

 前回の、「漢字の読めない君と、声の出せない私と。」という物語は、1週間ぐらいで書いた、短いお話です。他の場所に投稿したら、思わぬ反響があったのでnoteにも出すことにしました。  このお話に出てくる、幹太くんは、クラスのみんなにはどう思われているのか分かりませんが、主人公の瑠莉さんには、「優しくて賢い」と思われています。私が別室で生活していたときに、一緒にその部屋にいた子のうちの1人で、字の読み書きがゆっくりな子がいました。その子は、教室には全く行かず、たまに、気が向いた

漢字の読めない君と、声の出せない私と。

 窮屈だなあ。 「昨日のドラマ見た?」 「見た見た!」 「ヒロインの、あの子がさ…」 「さっきの授業マジで分かんなかった〜」 「どこどこ?」 「帰ったら遊ぼ!電話するね。」 「分かった!」  運命は、平等じゃないと思う。 「疲れた〜」 「疲れたね〜」 「やべ、もう誰もいないじゃん。」 私がいるのに。 「急げ急げ!」  最後の子が教室を出て行って、ほっと息をつく。ようやく私は、帰りの準備を始める。私はあの子たちに、「いる」と認識されてないんだな。いつものことなのに、いつも同