ボクたちはみんな花束みたいな恋をして大人になれたのか?
色々途中まで書いては止まってしまって結局1年で一つしか書き上げてません。これは無事に書き切ることができるのでしょうか。今年はちらほらアップしていきたい。
そんなわけで。観ました。花束みたいな恋をした。公開から1年経つこのタイミングで。(2022年1月7日)
書ききれてなくまだアップできてませんが、去年の秋に、ボクたちはみんな大人になれなかったを鑑賞して俄然観てみたかった本作。
待てど暮らせどNetflixやアマゾンプライムで配信にならないのでこのタイミングで我慢できずレンタル(何年ぶり)して視聴。
あらすじは省いて早速感想をダラダラと書いていこうと思うのですが、前段として元々昔からAwesome City Clubやフレンズが好きで、勿忘でブレイクするまでの紆余曲折や、せっかく売れてきた中での、ひろせひろせ脱退とかそれだけでも色々書きたいくらいの所謂サブカル男35歳としては、どこか懐かしくまた同時にもしこれを大学時代に観てたらきっと
最高の映画!絶対観た方がいい!
と周りに勧めてんだろうなぁなんてどこか他人事のように俯瞰しながら観たわけで。
何故ならあの頃思い描いていた理想がこの映画の前半にはいくつも散りばめられているから。
同じ靴を履き同じ音楽や趣味を持った有村架純のような女の子と出会えるなんて…(これは女性側からしても菅田将暉と出会えるなんてと置き換えられるだろう)
大学時代、基、社会人になる前の社会に対して斜に構えた姿勢というか、周りに理解されなくても自分が好きなものに好きなだけ没頭出来たあの時間の中で同じ匂いや嗜好をもつ相手と出会ったらそれはもう運命と思ってしまうよねと共感するしかない前半をみてふと物思いにふける。
物語の2人が付き合っていく光景をみて自分の中に置き忘れたあの頃を思い出した。
今から15年前。mixiのコミュニティで知り合い、駆け出しのスウェーデンバンドの来日公演で初めて会った人がいる。
その人とは世間から見ればマニアックな音楽の趣味はもちろん、服の趣味や好きなもの笑いのツボ、はたまたモノの考え方全てが合った。今だから言えるが普通にこちらはタイプだった笑 こんな人が存在するのかと唸った。連絡を取るのがとにかく楽しかった。もっと色んな話をしたくなる。止まらないあれこれをぶつけ合う、くだらなく、愛おしい時間。
しかし付き合う事はなかった。もっと言えばそういう素振りをお互いみせなかった。それが故にお互い結婚した今もやりとりをして家族ぐるみで仲がいい。
あの時なにかをキッカケに付き合ったりしたら何か違っていたのか。一瞬そんな事が頭をよぎりそうになるが、この映画が終わる頃それは杞憂だったと突きつけられる。
麦も絹もステージが変わると価値観や時間が合わなくなっていく。あれほどまでに一緒にいて同じ時間を心で身体で感じていたのに、些細なズレから心の距離が離れていってしまう。身体がそばにあるのに心が離れていくことほど寂しいものはない。
そうなんだ。どんなに趣味や音楽、色んなものが奇跡的に合っていても100%一緒はない。
普通でいたくないというモラトリアム全開の頃であればその違いを新しい自分の幅を広げるきっかけになりうるし、それで共感する事で更に2人は惹かれあっていくのだろう。
しかし社会は残酷だ。とりわけこの日本という国は特に。普通でいたくないと思っていたのに、普通でいる事すら大変で難しい。そこに目を向けると自分という個性を削りながら社会に適応しようとする。その変化を目の当たりにしていた絹の気持ちは辛かっただろうし、そりゃオダギリジョーと浮気くらいしちゃうよなぁって思うし、麦の立場になっても、夢を追いかけて挫折した事で2人でいる為に頑張ってやりたくもない仕事をして安定を求めた事は理解できる。
そうなんだ。きっとあの頃の2人は一緒である事の喜びよりも、怖さが先に来てしまっていたんだろう。こんなに一緒だからこそ、男女の仲になってしまう事で変わっていき壊れてしまうかもしれない事への怖さ。一歩踏み出す事への怖さ。
それはそこまで歩んできたお互いの恋愛がそうしたのかもしれないし、就職活動真っ只中だったからかもしれない。
付き合うという事がゴールであるなら間違いなく最高なハッピーエンドを迎えるのだろうけど、現実はゴールではなく一つのスタートにしか過ぎない。そしてそのスタートを切ればもしかしたら、そこがピークになるかもしれない。
劇中に、出会いは別れの始まりと言っていた。まさにそうだ。出会いには必ず別れがついてくる。
ならばその別れをいかに穏やかに迎えるか。
麦と絹はもう戻れないあの頃を悟り別れを受け入れた。お互いを嫌いにならずに別れた。それは紡いできた5年間をいい思い出としてとっておくために。感謝を持って。
別れてからの2人の仲をみていて、これで良かったんだなと思うし縁があればまた2人は出会えると思わせる内容で非常に救われた。
あの時、ここまで深くは考えてなかったであろう2人が肌感覚で感じ取った一線のお陰で今がある。それでいい。充分だ。これがベストであるといえる。
15年越しの答え合わせが出来たようでどこか清々しい気持ちにもなれた雪が残る金曜の夜。
書き切れたー。ボクたちはみんな大人になれなかったも書き切らねば!
駄文にお付き合いくださりありがとうございます。またお時間ありましたら寄ってみてください。
#映画 #花束みたいな恋をした #awesomecityclub#フレンズ
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