フリーレンアンチ

前置き

アニメ『葬送のフリーレン』第十三話を観ました。
放送開始からここまで重箱の隅をつつくようなみっともない文句を垂れ流しながら毎週視聴し続けて来ましたが、ここに来てようやく私の抱いている違和感を自覚したので、ここに吐き出します。ズバリ…

フリーレンの目標、ブレてね?

フリーレンの長いエルフ生を辿ってみましょう。

フリーレンは魔族に故郷のエルフの村を滅ぼされ、魔族を滅ぼしたいと考えるようになります。しかし、今のままでは敵わない。だからフランメを師とし、自らの魔力を隠匿する方法を会得します。

フランメの死後も何百年と修行に身を費やし、その間、歴史の表舞台に現れることはありません。これも全て魔力を隠匿し、魔族を騙して滅ぼすため。

そうして長い長い潜伏を経て、魔族を滅ぼす絶好の機会がフリーレンを訪れます。そう、勇者ヒンメル一行です。ヒンメルはフリーレンの強さに気づき、パーティへの加入を打診します。しかし、フリーレンは難色を示します。「今更だよ」「決断を先送りしすぎた」←ここがおかしい

私はここがどうにも納得いきません。修行を多く積めば積むほど、フリーレンの魔力は増加し、魔力の隠匿もより精密に行えるようになるはずです。

つまり時が経てば経つほど、魔族を滅ぼすという目標は達成しやすくなると考えられます。実際のところ、魔族も時間経過で強くなるようなので、そう単純でもないのでしょうが、時間が経ちすぎたことを理由に魔族討伐を開始せず、勇者パーティへの加入を拒んだ態度には違和感が残ります。

魔族嫌い設定、ガバくない?

フリーレンのエルフ生辿りを再開します。

勇者パーティに加入したフリーレンは、ある村に立ち寄った際に、殺されそうになると、存在しない「お母さん」の名を呼んで人間を躊躇させ、生き延びようとする魔族の姿を見ます。

ヒンメルの優しさにつけ込み、魔族はさらに被害者を増やします。フリーレンの魔族嫌いを補強するエピソードと言えるでしょう。

共に魔王を打ち倒したヒンメル一行。ヒンメルの死後、フリーレンは気ままな魔法集めの旅に出ます。
そうしてフェルン、シュタルクらと出会うのですが、魔王討伐後の残党(アウラら)を見つけ出し、滅ぼそうとする姿勢は見られません。

しかし、グラナト伯爵領の街中にて魔族リュグナーを発見した際は迷わず杖を抜いています。魔族への殺意は健在のように見えます。←ここがおかしい

この辺もなんとなくすっきりしません。勇者パーティが役目を終えた後、フリーレンは魔族を積極的に滅ぼそうとしない一方で、ひとたび身の回りに魔族が現れると、強い殺意でこれを討とうとしており、迷いは感じられません。「魔族を滅ぼしたい」という彼女の最初の思いは消えて無くなりつつあるのでしょうか? 

とはいえ、この疑問には答えが提示されているかもしれません。当初は魔族を滅ぼすためだけに旅を始めたフリーレンですが、フランメと共有した魔法の楽しさ、ヒンメル一行との旅の思い出を通して、旅の主目的が魔法集め、そして人間を知ることへと変わっていったのでしょう。それに伴って魔族への憎しみは次第に薄れ、旅の副目的へと降格したのだと考えます。

同族嫌悪は違くない?


13話の内容に入ります。

ザインは才能ある僧侶ですが、兄がザインと共に故郷に留まるために王都への栄転を辞退したことを知っているため、冒険者になれません。

また、ザインを冒険に誘った幼馴染は冒険に出て以来10年間帰ってこず、生存は絶望的です。「今更冒険に出て幼馴染を探したって仕方がない」と思うのも当然です。

そんなザインを見て、フリーレンは魔王討伐に行きかねていたかつての自分を重ね、ザインに対して同族嫌悪の情を抱きます。←ここがおかしい

まず、ザインが旅に出れない理由ですが、
①兄への義理立て
②幼馴染と共に旅に出る絶好機を逃した
③今更旅に出ても幼馴染は死んでいる可能性が高い
この三つです。

一方、フリーレンが旅に出るのをためらっていた時の状況に以上の三点を当てはめてみると、
①義理立てする相手なし
②出発の絶好期を逃したわけでもない
③時間の経過で旅の目的が達成困難になったわけでもない

つまり、ザインとフリーレンは旅に出るのをためらっていたという共通点こそあるものの、その理由については全く似ているところがありません。

更に踏み込んで言えば、「フリーレンが旅に出るのをためらっていた」という設定はこの第一三話「同族嫌悪」においてフリーレンがザインに同族嫌悪抱くというストーリー作りのための後付け設定にすら見えます。

流石にここまで来るとアンチの陰謀論でしかありません。自分でもこんなことを書いてしまったことに大変驚いており、遺憾です。

まとめ

以上のように、私はフリーレンというエルフの行動に一貫性がないのではないかと考えつき、重箱の隅をつつくような粗探しを繰り返した結果、アンチの陰謀論まがいの見苦しい作文を書き上げました。

言い訳がましいことを言ってみると、私はアニメ『葬送のフリーレン』が好きです。来週も見ます。単行本も買うかもしれません。

でも、一人であれこれと考えてみてもスッキリしないので、ノートという形を借りてここに吐き出してみました。ここまで目を通してくださる方に感謝します。

お目汚し失礼しました。








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