迷子らくだはアラカルト

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誰しも自殺したぼくを許しはしなかった。

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      こころの中が喋りだした。それをしばらくは俯瞰していよう。なるべく喋りに参加しないように。 わりあい静かな喫茶店でひそひそ話をする隣りの席の二人組の声が神経に触る。 ぼくはおそらくノイローゼなのだう。差しあたり、安易に病名を付けるだけ付けて、居心地の悪さを片付けようとする癖はたぶん子どもの頃から。 兎に角、逃げないと。不愉快さからこころを逃がさないと。息を止めるのと同じくらい。時としてぼくは人といっしょに居ると酸欠になる思いがある。 「旅に出ます。探さないでください。」 その置