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2021札幌地区優勝 あやせ解説

はじめに

皆さんこんにちは。
はじめましての方ははじめまして。ご存じの方はお久しぶりです。水希です。

この度、4/17に開催された2021プレメモパーティー札幌地区予選にて、あやせデッキを使用し優勝することができました。

参加者は6人と少ない環境だったものの、環境最大母数を睨んでいたダージリンと俺ガイルがいない上で環境レベルのデッキが揃う特殊な環境であったと思います。

決勝戦はこれまで直接対決を避け続けてきたイミルさん。
当日は勝ちを拾うことができましたが、明確にあやせへの回答を用意している、非常に怖い対戦でした。

今回の記事では、ある程度の文量をもってこれから地区予選に参加される方があやせデッキの使用を選択肢に入れられるだけの情報を解説していきたいと思います。

※当初の予定よりかなり時間がかかってしまいました。すみませんでした。

目次

0.あやせというデッキ選択の経緯
 ・デッキ選択までの過程
 ・札幌地区の環境読み
 ・有利不利の考察

1.デッキ構築について
 ・デッキタイプの解説
 ・4/16使用構築について
  ・水着あやせ2投理論
  ・水着加奈子採用理論
  ・デッキデスあやせ採用理論
  ・初めてのアキハバラ不採用理論

2.あやせのプレイングについて
 ・対ダージリン
 ・対俺ガイル
 ・対あやせ(同型)

3.4/16札幌地区の振り返り
 ・1回戦目 対黒猫
 ・2回戦目 対ダンまち(動画卓)
 ・3回戦目 対宮森(動画卓)

4.今後のあやせについて
 ・札幌地区以降の結果を受けて
 ・5CEXあやせの制限について

5.終わりに

0.あやせというデッキ選択の経緯

・デッキ選択までの過程

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地区大会開催が決まり、告知された3月頭。そのタイミングからデッキ選択を始めました。
開催時期的には俺妹スリーブが最新弾である環境だったので、まずはダージリンとあやせに勝てるデッキを模索。
ダージリンに対しては突破の通りがいいためショットキルの動きを通しやすく、あやせに対してはフルアタ盤面の形成で押し込み力が高く、明確に格闘あやせをメタする札を持つ由比ヶ浜が候補に上がり、地区一週間前まで調整を続けましたが、テキストの勘違いもあり、公認大会でダンまち(動画卓2回戦目の相手)に惨敗。
ここでデッキ選択の変更を決断し、手持ちの中では初春、青キス、ダージリン、あやせが選択肢に上がりましたが、練度やデッキの対応力から考えて、自分の中でもあやせが一番肌に合うと感じたのでこのデッキを選択するに至りました。

・札幌地区の環境読み

正直毎度のことながらあまり読みがあてにならなかったり、秘密主義マンが多かったりと環境読みが難しい環境ではありました。
個人的な読みとしてはダージリン、由比ヶ浜、小町、黒猫かいろはす、ダンまち、残り1枠が不明という感じで読んでいましたが、現実はダージリンも俺ガイル系も0。
確定していたダンまちと1/2の黒猫だけ当たった形となり、残りは対面練習は一応こなしたものの、それほどメインで踏むことを意識していなかったデッキタイプとなりました。
初春、あやせ、物語、2キルガイルはいないであろうことは読めていたので、そういう意味では他地区より平穏な環境だったのかもしれません。
調整段階では黒猫、俺ガイル各種、ダージリンをメインに調整していました。

・有利不利の考察
あやせを握るにあたって、まず一番ネックになるのが2キルガイルでしたが、これはおそらく(イミルさんが握らなければ)いないことがわかっていました。
物語はプールを掘り切れておらず、テキスト封印余接の存在を認識してなかったので警戒できていませんでした。

そんな中で環境読みと合わせて考えた有利不利では、

・ダージリン:対面の練度によるが微不利。
・由比ヶ浜:どれだけこちらをメタってくるかという感じ。基本有利。
・小町:調整段階では有利を感じていましたが、これも対面の練度による印象。
・黒猫:下馬評では不利でしたが実際何とかなる感じ。五分か微有利くらい。
・いろは:完璧に蓋できないと捲られる印象。相性自体は五分。
・ダンまち:アプ禁多いので有利。

といった感じでした。

また、環境読み以外のデッキでは、

・初春:この対面であると認識していればケアできる。多少相手の引き依存。
・雪乃:格闘は刺さるがこちらのアプ禁を殴るついでに封印されるので五分くらい。
・五月:基本的にはこちらのが打点が高く逆に格闘できるので有利。
・ましろ色:我慢が多いので微不利。相手の引きと、寄せれば何とか。
・物語:基本私の秘密が効かないので有利は有利。元ジャックさんの構築は無理そう。
・アンチョビ:これも対面がどれだけこちらをわかっているかという感じ。キツいけど無理ではない。
・宮森:イベ禁ショットを防げるので有利ではある。継続してクロッカーを出されるとキツい。

こんな感じでしょうか。

誤解を恐れずに言うと、ダージリンは使用者があやせ対面を重く調整してこないと考えていたので、この辺は練度で十分捲れると思っていました。
それ以外はほぼ有利か練度を上げることで勝率をキープできると思っていたので、今回はこの環境読みの中で十分あやせが通用すると考え、デッキ選択に至りました。

1.デッキ構築について

・デッキタイプの解説

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発売以降の地区予選で多くの結果を残しており、全国的に見てもかなり多くの使用者がいる、いわゆるTier1のデッキであるため、あえて改めての解説は不要かもしれませんが、簡単にデッキタイプとしての解説をします。

「あやせデッキ」とは、「ハンデスランデスLO除去バーンコントロールデッキ」のことです。

プレメモ界でタブーとされていた強力なハンデス(≒ランデス)効果と強制戦闘による盤面除去を併せ持ち、メタられづらい豊富なキャラ受けを駆使してコントロールしきって、あるいは耐久と無限修復による実質的な相手との山札差を作り出してLOで勝利するデッキタイプとなります。
LO勝利は実際には時間制限や対戦相手のサレンダーなどによって起こりにくい事象ですが、終局的に見れば勝ち筋としては存在する勝ち方です。

また、エキスパンションの多いタイトルであるため、採用圏内のプールがある程度広く存在するデッキタイプであり、明確に抱える「全体テキスト封印」への弱みについても、構築次第ではケアしうるという非常に可能性のあるデッキタイプです。

・4/16使用構築について

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構築当初は対面練習用に回していたので参考レシピの完コピにしていましたが、地区の使用デッキとして選択するにあたり、自分なりに気になった部分の変更をしました。
「あやせ」として動くにあたって、メインギミックの確立に必要な枚数などは元々確保されていたので、構築決定まではスムーズだったと思います。

基本的にメインギミックに関わる部分は触っておらず、逆に言えば触らなかった部分のカードはある程度システムとして役割が確立されており、その部分の枚数を減らす、あるいは採用をなくすというのは動作不全を起こす原因になっていると思っています。
「あやせ」は太いメインギミックが環境全体に刺さるという安定性を売りにしたデッキタイプだと思っているので、システムに関わる部分の枚数をいじるのはNGだと思いました。

さて、ここからは僕が札幌地区で使用した構築について、採用理由等を掘り下げていきます。

・水着あやせ2投理論

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純粋な3Sと違い、あやせ名称のみの3Sであり、全サーチ桐乃のキャストには貢献せず、4Cあやせのコスト問題にも特に貢献しない。
戦闘あやせの4枠目や、水着あやせ&桐乃の3枠目の方が同じあやせネームを持ちながら、ソースとしての運用がしやすい。そんなカードです。
そんな中でも今回2枚の採用に踏み切った理由は、ソースとしての運用の弱みを帳消しにするほどに、下のテキストの有用性を重く見たからです。

あやせが殴るだけで発動する拒絶効果は、多くのデッキにおいて標準で装備されている我慢持ちをノーコストで弾くことができ、焼却桐乃の使用回数を控えることができます。
焼却桐乃は3CEX桐乃を盤面に置くことで無限に使い回すことが可能になりますが、2C~3C域の我慢持ちなどに逐一使っていてはこちらのリソースが細ってしまいますし、あやせが5面殴れる状況とあやせ4面+桐乃1面で殴る状況ならあやせ5面の方が強いと考えています。

また、我慢を複数面並べるような対面にも、小型我慢を弾きながら焼却桐乃を構えることで心理的な妨害不可を付与することができますし、サポ破棄あやせでチャーチルを剥がした後にはダージリン2面に対しても有効にアプローチすることができます。

上ではソースに使いづらいと言いましたが、そもそもウェディングあやせ+ロードあやせの2ドローギミックにおいて、あやせネームというだけで対面問わず重宝し、サポートにおければ常駐1打点と腐ることもほぼありません。
サポートの打点持ち焼却に少ない環境だったので、キャストにほぼ裏目がありませんでした。
頻発する事象ではありませんが、最終的な詰めのシーンで麻奈美&京介のブリンク効果を使用することで2打点形成することができ、打点を押し込むことができたりもします。

札幌地区3回戦の宮森との試合がこれをうまく使えた試合でした。
枚数については、必要な対面には2回目以降の全サーチ桐乃のキャストでサーチが可能なことや、ソースもしくはサポートへのキャストでの運用のため、3以上は引きすぎてうるさく、上に書いた明確な弱みもあったため、2枚で落ち着きました。
1枚でも問題はないですが、次に語る水着加奈子と一緒に愉快で拾えるなどの兼ね合いもあったので、今回は2枠割いています。

・水着加奈子採用理論

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これの採用に関しては明確なメタ意識があり、今回は外れましたが、俺ガイル対面への回答としての採用でした。
俺ガイル側の構築にもよりますが、テキスト無効八幡が採用されていた場合、こちらのサポートキャラ各種の起動が封じられ、こちらの動きに支障が出る、もしくは相手への受け突破のための要求値が下がることが懸念されます。
この八幡については不採用の構築も多く出回っていますが、自分が組むのなら採用すると考えており、腐るリスクを抱えてでも、回答を0にすることの方がリスクが大きいと考えたので、今回は採用に至りました。
腐っても1C以下のシステムキャラを除去できますし、俺ガイル対面には仮にサポート封印八幡が不採用であっても、活動八幡や残ったヒット時2ドロー八幡などを除外でき、ある程度の役割を持てると考えていました。

局所メタ、というほどでもないと思っていますが、とはいえダージリン対面など明確に使わない対面もありますし、ネームも弱く2Sであるため、デッキパワーを下げる要因にはなり得ます。
適切な環境読みがあり、テキスト封印八幡採用型の俺ガイルへの回答を用意したい、という状況下でのみ、採用が検討されるカードだと思います。
僕は取りこぼしが嫌だったので採用しましたが、環境読み自体は外していますし、安易に採用できるカードでもないかと。


・デッキデスあやせ採用理論

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基盤構築にも採用されていましたが、何らかのシステムを担うカードかというと、そんなことはない。
あれば便利そうな気はするけど、明確に何の対面の何のタイミングでキャストするのかがふわっとしているカード。そんな印象を持つ方も多いと思います。
実際、明確に仮想敵を意識したカードではなく、何かのタイミングでキャストしたい、という考えがあったのかといえば、そんなことはないカードです。

このカードの役割として考えたのは2つ。
「LOプランでの勝ち筋の追加」と「ダージリンへの実質的な延命」でした。
「LOプランでの勝ち筋の追加」は、デッキタイプの解説で書いた通り、豊富な受けを利用したロングゲームプランの際に、勝ち筋として選択することができます。
ミラーでの勝ち筋にもなりやすく、それ以外の対面にもデッキ回復の採用がかなり薄くされている今、LOプランというのはある程度狙いやすくもなっています。
当然環境の高速化により、そこまで行きつかないゲームも多くありますが、逆に言えばそこまで受けで引っ張ることを狙いやすいあやせだからこそ採用できる勝ち筋です。
LOプランは基本的に相手の受けを全て貫通し、ケアもしにくい実質的なEX WINです。
ゲーム自体の高速化に伴うデッキを掘る速度の高速化やデッキ回復の採用しにくさなど、環境的にも追い風な部分も多く、プランとしての採択も現実的なレベルになってきています。

もう一つの役割の「ダージリンへの実質的な延命」は、墓地回収やデッキ回復を持たないダージリンに対して、ほぼハズレがなくデッキ破棄によって延命もしくはクロック加速を狙うことができる、という意味です。
この対面におけるデッキ破壊は、当然ながら連パンイベントを落とせばそれだけで1パン分(≒1ターン分)延命が可能になりますし、それにアクセスしうる戦車道始めます!や女子会もバリューとしては下がりますがほぼ同義です。
ケイを落とせばオレンジペコの回収を抑制でき、メインのダージリンの破棄も相手の6CEXダージリンの効果を咎めることで拒絶&2ドローでの打点追加を止めたり、束の間の場合はこちらのクロック加速につながり相対的な延命(勝利ターンの短縮)につながります。

とはいえ、当然ながら効果が不確定でピーキーなカードであり、明確にキャストのタイミングがあるわけではなく、相手のデッキ圧縮への寄与など裏目を抱える部分もあります。上に挙げたダージリン対面でも出すタイミングのない試合もしばしばあります。
相手のコストの切り方、ハンデスで捨てた札、ポイント落ちなどを確認しながら、キャストのタイミングを計り、不要だと判断したらウェディングあやせの効果コストに掃いてしまうのがいいと思います。

不要牌になりやすいカードではありますし、今回はLOプランの選択肢を消さないために採用していますが、優先して回収するカードでもなく、たまたま引けた試合のみ、タイミングが合えばキャストするようなふわっとしたカードになっています。
そういったカードが苦手な方には不採用が勧められるカードですね。


・初めてのアキハバラ不採用理論

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デッキを掘れる枚数は全サーチ桐乃を除いてトップであり、デッキの安定性を向上するカードです。
が、今回の構築では採用しませんでした。
理由としては、ほぼ全サーチ桐乃回収専用機になってしまうことが1点。
そして捌け口のほぼない1Sを増やしたくなかったことが1点です。

この構築において、このカードを用いてサーチしたいカードが全サーチ桐乃のみであり、その他はなくても、もしくは全サーチ桐乃キャスト後で間に合います。
ゲームプランとして全サーチ桐乃を駆使して毎ターン登場サーチとするようなプランは想定しておらず、全サーチ桐乃をあえて回収したいタイミングはほぼ初動でしか起き得ません。
そのため、初ターン以降役割が薄れるこのカードは、1Sなのも合間って採用の優先度が下がりました。
2減コンビやポイント入れ替え桐乃も回収できますが、別に全サーチ桐乃で済むよねってなったのも大きいです。(その全サーチ桐乃を引っ張れるので有効という見方もできますが。)
どうしても序盤中盤終盤問わず握りたいオタクというのが思いつかなかったので不採用でしたが、もっと桐乃でのアグロプランに枠を割いたり、アプ禁あやせを毎ターン起動して毎ターン引っ張らなきゃいけないような構築・環境になったら入ってくるカードかもしてません。

2.あやせのプレイングについて

・対ダージリン

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勝ち筋
相手のリソースとチャーチルを刈り取り、アンブロアンタッチャブルを形成できない状態でバーンを当て続ける。

負け筋
相手のアンブロアンタッチャブルに対応できないまま先にクロックを刻み切られること。

基本的に受けが成立しない対面であり、他の対面よりもロングゲーム化しにくい対面です。
如何に相手のリソースを削るか、トップでの回答をケアするかというのがいうのが命題になってくる対面で、これが成立しないといくらハンデスをしたところでトップから降ってくるティータイムに轢かれる試合も出てきます。

最後の一切れを採用していない場合、相手の投げてくる連パンイベントは全て受ける展開になります。
そのため、連パンイベントを6枚投げられたら、あるいはターンを挟んで5枚投げられたら、要は7回殴られたらその時点で負けです。
なのでこちらとしてはある程度の連パンは受けつつも、チャーチル破棄とハンデスを行い、アンブロ形成、アンタッチャブル形成、連パンのいずれかを咎めていくことを目標にします。

あやせは豊富な受け札で強制的に相手の速度を下げますが、受けが成立しない場合、デッキとしての速度は全く他の環境デッキに及びません。
特にダージリンは除去と受けをメインギミックでどちらもケアしてくる対面なので、他の対面と異なり、手札を刈り取ってもトップ解決や女子会ブレイクという負け筋も残してしまいます。
そのため、コントロールに固執せず、水着あやせなどを絡めて殴れるときにはさっさと殴ってしまい、詰めを狙って行くこともゲームメイクとして有効です。
ロングゲームに固執すると、噛み合いやトップで負ける試合も増えそうなので、ある程度は割り切って強い動きを第一に通しに行くことが重要だと思います。

・女子会ブレイクやポイントソースからの戦車道始めます!で相手の手札が増える場合もあります。迂闊に殴ることは控え、確実にバーンを通すターンも必要になります。
・女子会をポイントソースで打たれるなどの裏目もありますが、割り込み桐乃で新タイトルを無効にすることで、6CEXダージリンの着地を咎め、相手の打点、受け面、恒久的なハンドアドを同時に潰すことができます。
・サポ破棄あやせの効果条件が桐乃がいることであるため、場に残す管理は必要になります。忘れると無駄なキャストになってしまうので気をつけましょう。
・忘れがちですが、3CEXダージリンは手札が減るごとに妨害不能になっていきます。せっかく咎めたアンブロ付与が無為にならないよう、アプ禁制服あやせなどをメインにキャストしておき、可能な限り受けられる面を作っておく必要があります。

・対俺ガイル

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勝ち筋
相手のメインアタッカーを格闘で落としながら蓋をするように動き、テキスト封印からのショットに耐えた上でコントロールし続ける。

負け筋
序盤から点を刻まれた状態でテキスト封印からのショットで点を決め切られる。

環境デッキの中では手札の増えるカードが多く、格闘メタやテキスト全封印などこちらへの対抗札が多いタイトルで、やりづらい対面ではあります。
小町以外の3キャラはどれも点の投げ込みが得意で、テキスト全封印から5点くらい詰められることが多く、それ以外の場面で如何にダメージを軽減できるかというのが重要なプレイになってきます。

格闘メタ八幡は、EX枠がある程度かつかつな俺ガイルにおいて採用度の高いカードではありませんが、効果はメインフェイズ中の退場で3ドローというあやせメタを意識されたデザインになっています。
これがキャストされると、ハンデスをするターンと相手のクロッカーを退けたいターンで分けてプレイをする必要があり、かなり面倒になりますが、一度6Cコンビでバウンスができるとその後のハンデスで捨ててもらえたり、キャストにリソースを使ってくれたりで除去もしくはハンドアドを稼げる展開になるため有効です。

テキスト全封印雪乃は、現行プールではケアできるカードはなく、このカードのキャストは割り切って受けるしかない状況にあります。
そのため、上でも書いた通りこれをキャストされていない状況下ではなるべく点を受けないように立ち回ることを意識し、受け札3種と除去を駆使してクロック優位に立ち続けるようにします。
また、テキスト全封印雪乃はサポートキャラで登場ターンのみの起動であるため、俺ガイル側からするとキャストするのはショットを仕掛ける詰めのターンになりますが、5ポイント程度刻むには盤面を含めたある程度のリソースが必要になります。
こちらのバーン効果で相手が瀕死になる状況(≒相手が返しにショットを仕掛けてきそうな状況)を見極め、そのタイミングで6Cコンビ、格闘あやせ、水着あやせ&桐乃などを使って相手の盤面とリソースを削り、返しの蓋をするように動くことで相手の逆転の目をつむことが出来ます。

・この対面もタイトルブレイクから手札が増える可能性があります。バーンで詰めたい時には相手の手札枚数を格闘あやせなどで調整し、必要なら水着あやせ&桐乃を置いてケアしましょう。
・上でも書いた通り、テキスト封印を投げられたターンには5点〜6点食らう展開になりがちです。序盤の被ダメは死ぬ気でケアしましょう。
・盤面とリソース、どちらを残してもショットの要求値が下がってしまうので、可能な限り両方同時に削るプレイが求められます。6Cコンビで格闘メタ八幡をバウンスしてから格闘あやせを投げるプレイは頻発するので意識してハンドキープするといいです。
・テキスト全封印のプレイ自体はケアできませんが、活動京介を過信しないなどの事前準備は可能です。意識して殴らずターンを返し、不用意に相手にリソースと捲りのチャンスを与えないプレイを取る必要がある場面もあります。


・対あやせ(同型)

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勝ち筋
除去・ハンデスでコントロールの主導権を取り、マウントを取り続けて捲れない状況を作り出して勝つ。

負け筋
勝ち筋の逆。ゲーム展開として後手に回ること自体が負け筋になりやすい。

環境で溢れかえるミラーであり、お互いにやりたくない相手だと思います。
割り込み、面除去、ハンデスとお互いコントロールに対して強い動きを通しにくるので、後手が不利なマッチに見えると思います。
が、後手捲り信者の僕はそこまで後手が無理なマッチアップだと思っていません。
というのも、このマッチアップにおいては、先手には先手の、後手には後手の利がそれぞれ存在します。

まずは先手の利ですが、これは当然ながら、相手の妨害を気にせず展開が可能であり、相手より1ターン早く加奈子を起動し、1ターン早くウェディングあやせが殴り始め、相手の初動を咎める割り込み桐乃を設置できるというのが大きいでしょう。
あやせに限った話ではないですが、相手より1ターン早く動けるというのは、カードゲームにおける絶対的な利です。
「先手なら間に合ってた」というような手札、展開を経験したことはどのプレイヤーにもあるはず。

話が逸れましたが、続いて後手の利ですが、これは「相手より手札が1枚多い」という点、そして「格闘あやせを投げるプランが取れる」という点です。
相手より手札が1枚多い、は文のままです。1ハンド多い分、イベントに頼らずとも回せる可能性は増えますし、リソース的にもウェディングあやせが殴った場合とイコールになります。
そして格闘あやせを投げるプランが取れる、というのは、後手1ターン目で、相手の5CEXあやせを落とすことができるということです。
このプランは、相手の展開や引きによりますが、最大値としてはこちらのエンド時にバーンを喰らうことなく、相手に1ハンデスしながらバーンを与えることができます。
相手がロードあやせを置かなかったり、愉快を引いていたりするとバーン圏内にならなかったりしますが、それでもこちらのバーンをケアしつつ、返し以降のハンデスのケアもできるので強力なプレイです。
(ちなみに先手でバーン圏内を脱しつつ割り込み桐乃を置こうとすると、愉快が2枚要求です。)

このように、先手には先手の、後手には後手の利が存在するので、じゃんけんで勝敗が決定するようなマッチアップではないと考えています。
個人的には好んで後攻を取りたい気がします。

・ターン終了時の処理がターン終了時の誘発→ターン終了時まで有効な効果なので、5CEXあやせがテキスト無効妨害を喰らうとハンデス効果と一緒にバーン効果も消えます。見えていれば最後に殴るなどケアをしましょう。
・元々優先度が高くないカードなので、修復バジーナは出てこない場合も多いです。出てきた時には自由登場加奈子で焼却をすることで、LOプランの確立ができます。
・可能であれば相手の5CEXあやせを格闘あやせで落とした後は、手札を4枚以下に調整することで相手の格闘あやせを投げづらくできます。
・ブレイクがない対面なので、コントロールに固執せずさっさと6Cコンビを投げて点を詰めてしまうのも勝ち筋になります。どこかで5CEXあやせのバーンをケアできなくなり詰め切ることができます。

3.4/16札幌地区の振り返り

 ・1回戦目 対黒猫

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いつも公認で遊んでいただいてる方との対戦。開幕イミルさんとかミツギくんじゃなくてホッとする。
じゃんけん勝って先攻。
全サーチ桐乃がちゃんと引けて、2減コンビとEX2回収加奈子、4Cあやせも引けていたので、全サーチからドロー京介とロードあやせ持ってきて先攻でしっかり盤面形成。
ウェディングあやせのデバフドロー効果が相手の盤面なくても使えるか微妙だったので最速でジャッジ呼びました。
キャラ指定じゃなくて盤面全体だから問題ないとのこと。
無事ロードと合わせて2ドロー決められて、4Cから5CEX着地でエンド。
愉快を打ったような気がしないでもない。あと後ろに制服あやせを置いたような気がしなくもない。(うろ覚え)
返しに相手もしっかり動いてきて、格闘あやせ回収から投げられそうになったけど、一応こっちロードで常駐10/10追加で80/90です、と説明して回収後まで巻き戻しを許容。
あやせ含めてコストで6Cコンビから5CEXあやせがバウンスされ、返しにもう一回出す羽目に。
ただそれ以外はこちら格闘を投げたり焼却を構えたりでイニシアチブ握れて、5点か6点まで詰めた返しに投了もらって勝ち。
前評判で黒猫有利と聞いていたのでヒヤヒヤしてましたが勝ててよかった。

3-6(?) 勝ち


 ・2回戦目 対ダンまち(動画卓)

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いつも遊んでいただいてる方2人目との戦い。2019地区で座れなかったのでおよそ2年半ぶりに動画卓座りました。
じゃんけん負けたけど、お相手思うところがあったのか後攻。
先攻もらって、お決まりの全サーチから2減と京介回収。
着地着地から加奈子まで置いて、EX回収ウェディングともう1枚悩んだけど割り込み序盤から使わんだろうな、と思ってアプ禁あやせを回収。
余裕があれば置きたいなと思ってたけど、よく考えたらウェディングで切るあやせがいなかったのでそのまま捨てました。
盤面作って、相手アイズなのわかってたので一応修復バジーナも置いてエンド。
返し軽減からスタートだったので寝坊を起動で全ストップ。
相手3面エンドに対してこちら返しヒットドロー追加して、加奈子でアプ禁あやせと割り込み桐乃を回収してアプ禁を配置。
寝坊とダメ禁の上から4パンで3点与えて桐乃も置いて終了。
返し相手の旧タイトルに割り込みして殴れるアイズ1面止めるとコイン貯めのチャンプアタック2パン食らったのでどちらも落としてハンデスを決める。
が、バーン効果処理忘れ。
次の相手のEX2回収ヘスティアのドロー起動直前に気づいたのでジャッジに相談すると巻き戻し可能なら巻き戻して処理で、ということだったのでバーン受けてもらう。
その後愉快打ったりしながら水着コンビ、制服アプ禁あやせ、2減コンビ、EXアプ禁あやせとか追加して格闘あやせでヤバそうなアイズ落として、ってやってから2パンしたところで投了もらって勝ち。

0-5 勝ち


 ・3回戦目 対宮森(動画卓)

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僕が初めて地区に出た時に優勝されていて、その時から今まで直接対決がなかった因縁(?)の対戦。
正直この日は絶対戦うことになるんだろうなって思ってました。
普通に考えたら誰が見ても有利対面。それでも持ってきたということは、明確な勝算があるということ。内心怯えまくってました。
じゃんけん負けて後攻。
お相手手札渋めだけど埋めるわけにはいかないようでキープ。
EX2回収宮森を絡めながら盤面5、我慢1アタッカー1手札0で返ってくる。
返しこちらはいつも通りの展開に成功しつつ、愉快を2回打てたので手札枚数には余裕があったけど、引けるカードが2減コンビとドロー京介ばかりでちょっとしんどかった。
墓地あやせが3貯まってたので、制服アプ禁あやせ置いて5CEXあやせで殴って我慢受けされて1ハンデス1バーンしてエンド。
割り込み桐乃まで置くリソースがなくて置かずに返すと、ドーナツと東京観光プレイ。
ドーナツコンビ配置から6CEX宮森に殴られ手札2枚追加、エンド時東京観光で追加で7枚で返ってくる。
3枚目の愉快を拾えたのでプレイし、格闘あやせで6CEX宮森を除去、さらに圧殺で全サーチからヒットドローと水着あやせを回収し、加奈子、EXアプ禁あやせまで含めて配置。
道連れを打たれたけど考えがあったのかウェディング止められなかったので格闘あやせ拾いながら我慢宮森を拒絶して2パン。
ここでハンド少し余裕が出たので割り込み桐乃を配置。深くは考えてなかったけど、明日に向かってが止まってキツかったらしい。
返しサポート3枚除去されてSR宮森が出てきたけどお相手ハンド3枚だったので、仮にブリンクしてポイント入っても2ドロー1ディスとEX回収で増えるの2枚なはずなのでそれならそれでバーン入るしよし!と思ってアプ禁を当てるとブリンクされて殴られる。
バーンのこと考えてたはずなのに、この時ハンドに自由登場加奈子があって、ST絵麻を焼こうか迷って考えた末に出してST絵麻と焼却エリカ太郎対象!いや、やっぱりST絵麻だけで!とかやってるうちにバーン効果の処理を忘れてターンをもらう。
4枚目の愉快からまた2減出したりして格闘でSR宮森を除去。焼却エリカ太郎の誘発って言われたけど離れるの自体は退場判定だから効果じゃないのでは?ってなってジャッジ呼んで確認。効果じゃない認識でOKとのこと。
2パンで2点刻んで5点、残り2パンで落としながら2ハンデス決めて、終了時バーン当てて6点。
寝坊ブレイクと東京観光でハンド6になったものの捲れないってことで投了もらって勝ち。
コイツいつも投了されてんな。

2-6 勝ち

4.今後のあやせについて

・札幌地区以降の結果を受けて

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公開が遅れたおかげで、環境もかなり移り変わりました。
とは言うものの、俺妹がTier1な現状は変わっていません。
「あやせに勝てること」に強みを見出したデッキタイプが色々出てきて環境が動いているという感じですね。
特にダージリン、雪乃、傷物語あたりがあやせ環境に対して明確に勝ち筋を持って使用されている感じでしょうか。
ダージリンについてはある程度引き依存というか、前期から変わっていないので割愛しますが、雪乃はテキスト全封印と自由登場封印というあやせへの強いメタを2つ構えて拒絶ショットを決めるプランが有効ということで使用率が上がっているように感じます。
緊急の2キルパーツメモリーズ後も生き残り、ある意味純粋な拒絶ショットのデッキタイプとして生まれ変わった感はあります。
また、松本地区で使用されていた傷物語は、上記の2種のあやせメタ以外にも、同名イベント使用不可撫子や3枚以上ドローされてると焼却撫子など、全方位環境メタのデッキという感じでした。ガイルと異なりテキスト全封印が打点持ちであり、仮に1ターン奇跡的に耐えても再度フリーズされるのが絶望的です。

こんな感じで、環境自体は動いていますが、まだまだあやせが中心といった印象でした。
上のデッキ構築の部分でも書きましたが、あやせはどの対面にも刺さる動きを安定して押しつけられる、その安定性こそが強みのデッキなので、メタデッキ側の事故に関わらず動きを押し付け、逆転不可能な状態に持っていきます。
また、メタデッキが増えるということはそれだけ環境が多様化し、メタの対象が増えたり割り切らなければならないデッキタイプが増えたりするので、そういった意味でも、あやせ中心のメタゲームはこれからも続きそうです。

・5CEXあやせの制限について

スクリーンショット 2021-05-19 21.19.14

と、上ではすっとぼけた内容を書きましたが、本日(5/19)、新制限が公開されました。
本当なら「劣等生発売後の環境」という項だったのですが、ある程度発売後の地区の結果も出てしまっているので、あえて語るまでもないかということで、制限について書きます。

一発で、そして謎の期間限定メモリーズ。
公式の思惑としては地区で暴れすぎたあやせを規制しつつ、まぁNG!の追加がくればいい感じの環境に落ち着くのでは?といった感じでしょうか。

前回の禁止改定である2キルガイルの規制同様、地区大会開催期間中に制限を施行するのはいかがなものか、という意見が上がっているのを見かけています。
僕個人としては別にいいのでは、というか、そりゃそもそも禁止制限が出ないのが望ましいけど、禁止にしてほしいカードもされたくないカードもタイミングも人それぞれなので、刷っちゃったカードが失敗だったのなら、何かしら批判が上がるのを許容してどこかで制限をかけなきゃいけないと思っています。
それが地区期間だったら競技シーンからは批判されるでしょうが、じゃあ地区に出ずにカジュアルに遊んでる人が友達にあやせを回されていたら、早く禁止になれ!って思うと思います。(カジュアルであやせ回す人がいるのかはわかりませんが、まぁ言ってもキャラゲーなのでそういうこともあるでしょう。)
ついつい競技シーン中心に見がちですが、競技シーン以外で遊んでる人からすれば、環境影響度が高すぎるカードは早く消えたほうがいいです。
「別にフリーなんだしそっちが勝手に制限かけて遊べばいい」みたいなのもありますが、公式のレギュに乗っ取ってる以上フリーであやせにハンデスされまくっても文句は言えません。
楽しく遊びたくてゆるキャンを持って公認に遊びに行った人があやせにボッコボコにされて帰るかもしれません。そういった体験の場としては、別に競技シーンの開催時期と関係なく存在しています。
なので、早急に制限を、という考えも正解ではないにしろ間違いとも言えないと思うのが僕の持論です。

まぁ、あとは公式の決定に文句を言っても、という考えも少しあります。
当然ユーザーレベルの意見を反映してもらうために声を上げることも大事だと思っていますが。
ただ、どれだけ声を上げても変わっていない部分の方が多いです。
どれだけ言ってもかくれんぼは返ってこないしマクロひふみは禁止にならないし全サーチ加藤恵も返ってきません。冴かの♭も参戦しません。
であれば、僕らは与えられた環境の中で、最善を尽くした構築をして、最善を尽くしたプレイをすることを楽しんだ方が得策なのではと考えています。
禁止制限自体を減らしてもらうだとか、適切な禁止制限を行ってもらうだとか、そういったゲーム全体に対しての意見は上げるべきだと思いますが、特定の〇〇を禁止にしろ!みたいなのは、前例を作って聞くとそれはそれでキリがないし、どこまでが共通認識での意見なのかどこからが主観なのかとか、線引きの難しい問題にも発展します。
そんな感じで、結構難しい問題だと思います。あっちを立たせばこちらが立たぬという話。

話が大分ズレましたが、今回の制限であやせはほぼ解体されました。
一応格闘を投げながらウェディングで無限リソースを拾いつつ制服あやせでハンデス・アプ禁をする殴りの弱くなったコントロールや、空いた枠に桐乃を詰んでビート力を上げるデッキタイプも構築可能な気がしてるので、ほぼ、という表現です。環境的に戦えるのかはちょっと試してないので何とも。
何にせよ、全国が開かれるのか非常に微妙ですが、NG!も出ますし、制限の延長に関わらず新しいデッキは考えなければならなそうです。

5.終わりに

今回は、前回札幌地区で負けてからおよそ1年半ぶりの地区予選で、自分でもかなり気合を入れて参加した地区予選でした。
前回が環境読みを外して負けたからこそ、今回は余念なく様々な対面への対応を準備して参加することができました。
結果だけ見れば、環境トップを握り、苦手対面のいない環境で勝ち上がったような結果になっていますが、余裕で勝ち上がった試合なんて一つもありませんでした。
ずっとあやせを握ろうと練り込んでいたわけではなく、古くから使っていたわけでもないのでまだまだ思慮の浅い部分もあったり、突き詰められていない部分もあるかと思いますが、自分の中の一つのまとめとして、今回使用したデッキと考察を書かせていただきました。
あやせデッキ自体はとりあえず使えない環境になっていきますが、構築論や対面毎のプレイ解説など、他のデッキでも活かせる考え方をメインに書いたつもりなので、呼んで下さった皆様に、何かしらの実りがあれば幸いです。

https://peing.net/ja/0105snowsound?p=auto

ここに質問箱のURLを置いておきますので、何か聞きたいことがあれば、お気軽に質問していただけると時間を作って回答します。
あやせデッキについてはもうすぐ聞く意味がなくなってしまいますが・・・。(公開が遅くなり本当に申し訳ない・・・。)

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!
また長い記事やプレメモ以外の記事を書きますので、よろしくお願いします。

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