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映画インターステラーの世界観が凄すぎる

インターステラーはクリストファー・ノーラン監督によるSF映画だ。

地球が環境の変化などの影響で食糧危機に陥り、滅亡の危機を迎えた人類が新たな星を目指す姿がつづられるストーリーである。

私はこの映画が好きで何回も見ている。

映像の美しさや台詞の秀逸さが目を引く本作だが、SF映画にもかかわらずストーリーが物理学に反していないように作っているところが私は凄いと思っている。

この作品にでてくるストーリー構成はすべて理論物理学者キップ・ソーンが監修をつとめている。

キップ・ステファン・ソーン(Kip Stephen Thorne、1940年6月1日 - )

アメリカ合衆国理論物理学者。ジョン・ホイーラーの弟子で重力の理論や、相対論的宇宙論の分野に貢献した。

重力理論、ブラックホール宇宙論の歴史と理論を解説した一般向けの著書『ブラックホールと時空の歪み アインシュタインのとんでもない遺産』(原題:Black Holes and Time Warps: Einstein's Outrageous Legacy)によって一般にも有名となり、映画『インターステラー』のエグゼクティブ・プロデューサーとなるなど、研究の傍らも最先端の科学知識の普及に努めていることで知られる。

ウィキペディアより

通常、SF映画では物理学に反する描写も多い。例えば、次元の狭間から過去にタイムスリップするとかがそうである。

しかし、インターステラーはSF映画にも関わらず、すべてが理論上起こりうる可能性があるストーリーとなっている。

例えばこの映画内で、ミラーの星に降り立つシーンがある。この星はブラックホール(ガルガンチュア)の軌道上にあるため、重力が強く時間の流れが非常に遅いのが特徴だが、これによってこの星での1時間は地球上で7年に相当する設定になっている。

実際には、これほどまでに時間の流れが遅い星は現在確認されてないが、地球よりも時間の流れが遅い星は存在している。すなわち、理論破綻はしていないのだ。(監修したキップソーンはクリストファーノーランから「地球の7年が1時間になる星にしてほしい」と頼まれてこの設定にしたらしい)

また、この映画の後半で主人公がブラックホールに入り、過去の自分が経験した情景を見るというシーンがある。

ブラックホールが吸い込む速度は光速度を超えるという理論があるので、これもブラックホールを生きて通り抜けることができれば、理論上こういう世界があってもおかしくないといえる。(もっとも、ブラックホールに突っ込んだ時点で死は免れないだろうが)

そして、ラストシーンで主人公は老婆となった自分の娘と再会するわけだが、これも現実的にあり得るのだから面白い。

我々は地球という星に住んでいるため、時間の流れは常に一定のように思ってしまうが、絶対的だと思っていた時間でさえも相対的なものであるということがこの描写でわかる。

全ての概念は相対的であり、絶対的なものなど存在しないということをクリストファーノーランは伝えたかったのだろうか。

地球がいずれ住めない星になるという設定もリアルだ。全てが近未来で起きる可能性があることを示唆している。インターステラーはSF映画なのにリアリティがあるのだ。だから、ストーリーにどっぷりと浸かることができる。

インターステラーは上映時間2時間49分の大作だが、全くもってその長さを感じさせないのが不思議だ。(名作と言われる作品はみなそうなのかもしれない)

また、本作は字幕付きで観るのがおススメだ。一つ一つの台詞が本当に美しくできていて、余分なところが全くない。

SF映画の枠にとどまらない名作、インターステラー。まだ観てない人はぜひ観てほしい映画だ。

#映画にまつわる思い出

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