夢の話(寝る方の)

霧雨が降る街を眺めながらそれなりに混み合った電車の中、正午。

街並みはもう見飽きたものになっていたし、途中で止まるいくつかの駅は、なにかしらの用があって、降り立った街だから「そこの角を曲がったら、こんなものがあったな」なんてふと思い出す。

このところ電車の乗り換えが急にわかるようになった。(今更かもだけれど)「あの路線の先に確か行きたい駅だったはず」と経験が繋がって、路線同士がようやく頭の中で関わり合いつつある。

難しい駅でも迷うことが少なくなった。もちろんそれは、以前迷った経験があるからに他ならないのだけれど。ともかく「知ってる!」が増えてきたなぁと感じるのだ。

世界は広い。海外には行ったことがないし、日本だって全都道府県制覇したわけじゃない。
でも、最近自分の手の届く範囲をだいぶ埋めてきたなって思う。
なんというかビンゴカードが、もうビンゴを超えて、空いてない穴の方が少なくなっちゃったみたいな感じ。近くにあった不思議や知らないを食べつくしてしまったのかも。

だから日常の知らない世界なんて、夢の中くらいなのかな。今日見た夢もよくわからないスラム街みたいなところで、命を狙われていた。わけのわからない古代王国の話。なんだそれっていう、知らないがたくさんで、でも、それ本当はおかしくないか?って思う。

夢って本当は自分の見たこと聞いたこと感じたこと思ったこと、しかないはずで、自分の中にある物だけで構成されるだろうから。
自分の中に知らないがあるって、すごくワクワクする。

きっとどこかで捕まえた知識たちがぐちゃぐちゃになって、出力されてるのか、忘れてることがポロリ出てきてるだけなのか、そのどちらもなんだろうけど、不思議はここにあるんだな。

雨の日はいつもより眠い気がする。猫とか肉食系のやつらは雨の日に狩りができないから、体力の節約ために寝てるらしいけど、私はどうなんだろう。
気のせいなのかしら。不思議。
それじゃ、またね。

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