若さと老いについて。

なんというか、大概の文章は電車の中で書いている。しかもだいたい立っている時。目の前の流れる風景と差し込んだり、途切れたりする光を視界の端で捉えながら携帯を眺めている時。

流石にもう23にもなったので、自分の得手不得手がそれなりにわかるようになった。
青年期、みたいなものを抜けている、抜けかけている、そんな歳になった。自分の感覚器官が少しずつ、鈍く硬くなっていくのを感じながら、それでもあまり悲しくなることもなく、そういうものなんだろうなと、諦めを抱えている。

なにかを思ったり、感じたりする部分。それこそ未成年の時は、熟れた桃みたいに、鋭敏で触れたところから、黒ずんでいくように、世の中に反応していた。
今はソフトエンビくらいの、力を込めれば歪むかもしれないけれど、力を入れなければ、形を延々保っているような、そんな感じ。

だから、昔からならこうだったろうに、という事にさほど精神が磨耗しなくなった。
自分の属する社会が大人になった、とも言えるし、踏み込まれなくなった、のかもしれないけれど。

それでも若い感性を見ると、眩しく、瑞々しく、綺麗で、尊いものだと思う。羨ましいと思う。
昔の自分の物事の捉え方をたまらなく切ないものだと思ったりする。若いってそういうもんなのかな。擦れていない、何も知らない、だから柔らかく、魅力的だ。

今この瞬間が1番若いことだけは間違いないので、1番瑞々しくあれる文章をここに記す。
でも、私は私が大人になって、学び成長する未来も同じくらい貴重で価値があると、信じてもいる。
だれしも。

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