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猫が糖尿病になった話 ~ 強制給餌

半日入院から帰ってきた福はよれよれ、でした。
注射や点滴で数値はよくなったかもしれないけど、結局病院でも食べなかったそうだし、狭いところで何時間もじっとしていたのだから当然といえば当然。
しかも、福は超のつく内弁慶で、知らない人ばっかりの慣れないところ(いつもの病院ではありますが)に置いて行かれて、しかも自分にはシャーシャー言う元気もなくて、どんなにか心細かったか。

うちについてから、ウエットフードを差し出したけど、目もくれず、ソファの陰に引きこもり。
そっとしておいてあげたい気持ちはありつつ、とは言っても病院に行く前にちゅーるを食べさせてからなんにも食べていないわけで、水分補給もかねてぷるリッチを強制給餌しました。
吐かなかったのでひと安心。
その後、さらに総合栄養食のちゅーるを、強制給餌で1本完食。

強制給餌、というのは文字通り強制的に食べさせることで、福の後輩猫であるさび猫の七緒さんを保護したときに、やり方を病院の先生に教えて頂きました。

保護した翌日の七緒さん

七緒さんは保護したときに生後2か月ほどで、離乳済のはずなんだけど、子猫用のフードを全然食べてくれませんでした。
保護直後に病院に連れていき、猫風邪がひどいので飲み薬を目薬を出してもらって、目薬は暴れられながらもなんとか点させてもらったものの、飲み薬はフードに混ぜても食べてくれない。
体重は減るし、薬は飲ませられないし、と大弱りで病院に連れて行って、食べさせ方を教えてもらったのでした。

まず、お腹は空いているんだけど風邪のせいで鼻が利かず、目の前に置かれたものが食べ物だと気づいていないということであれば、鼻先にちょっとフードを付けてあげれば、それを舐めて食べ物だと気付いて、お皿から食べる。
鼻先に付けたフードを舐めても食べない場合は、体調が悪くて食欲がない可能性があるけど、大人の猫と違って生後2カ月の子猫が自発的に食べるのを待ってるわけにもいかない(大人の猫でもそうできない場合もあって、このことは次の機会に)ので、そのときは無理やり食べてもらう。
やり方としては、口を開けさせて、上顎にフードをこすりつけるというもので、具体的には片手(右利きの私の場合は左手)の親指と人差し指でわっかを作るように左右の牙のところに差し込んで口を開けさせて、もう片方の手の人差し指の腹にフードをのせて、上顎にこすりつけてあげる。そうすると、上顎についたものを舌で舐めとって飲み込んでくれるという仕組み。
人口授乳をしていたとか、シリンジを嫌がらない子なら、シリンジにクリーム状のフードを仕込んで、牙のところに差し込んで食べさせる手もあるけど、個人的にはシリンジのほうが難易度は高いと思う。

フードに混ぜた薬が効いて、食べて元気になれば、自分で食べるようになる、と信じて食べさせて早7年、七緒さんは今も私や福と一緒に暮らしています。
そして、今度は福に食べさせることになりました。

元気になった七緒さんとちょっかいを出していた福

福も私が保護した時には推定生後2カ月くらい、とのことでしたが、保護したときから快食快眠快便で、強制給餌はしたことがなく。
病院に行った前後は、食べた後は気持ち悪い様子で気の毒だったけれど、食べると元気になるよ、元気になって、と言い聞かせながら食べてもらいました。
実は家で看病すると決心できたのは、病院に行く前日から強制給餌ができていたから、というのが大きい。
病院で先生のお話を聞いて、食べさせることができるんなら住み慣れた自宅のほうがストレスも少なくて、回復も早いんじゃないかと思ったのでした。
さいわい福は強制給餌だけど食べてくれているし、あとは私のがんばりだと腹を括りましたが、強制給餌できない子や飼い主さんには絶対おすすめしません。

なぜなら、食べさせられないとインシュリンの注射ができないので。

次回はインシュリンの注射について書きたいと思います。

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