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[PJCS2021本戦使用構築] 砲撃カメックススタン [最高最終レート1567][最終25位]

はじめに

さとちん(@kisseasura468)です。今回ポケモンジャパンチャンピオンシップス2021本戦で使用した構築をまとめました。決勝のライブ大会への出場はできませんでしたが、25位に入ることができたので是非最後まで読んでもらえたらと思います。

結果

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レンタルチーム

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構築経緯

 この構築の源流はふるほわさんという方がシーズン2ダブルランクバトルで結果を残された、三幽獄炎武神という構築にあります。

簡単に説明すると、キョダイリザードンのキョダイゴクエンで削り、高火力先制技でスイープしていくという構築です。
2020年6月頃のエキスパンションパスでキョダイカメックスが実装された当初から、このコンセプトをカメックスにも当てはめ、キョダイホウゲキで削り、先制技を中心としたスイープ能力の高いポケモンで一掃するというコンセプトのもとでずっと組んできました。
 コンセプトの次はカメックスの型を決めました。カメックスには構築の軸としてメインアタッカーをはってもらいたいのですが、いかんせんC種族値が85と低いので持ち物は火力の底上げができるいのちのたまに決定。そこそこ高い耐久を活かしたいので努力値はHCSベースとなりました。このあたりは過去に考察記事で詳しくまとめてたりします。

コンセプトを実現するためのとりまきですが、決める際の重要な要素として、
① 高火力先制技が使えること
② 水タイプに高い打点が持てること
③ 草タイプに高い打点が持てること

の3つを特に意識しました。①に関してはコンセプト通りなので割愛します。
②に関して、キョダイホウゲキのスリップダメージは水タイプには効果がありません。加えて、カメックス自身が相手の水タイプに対して打点が持ちづらく苦手としています。したがって高速でそれらを処理できるポケモンが必要だと考えました。
③に関しては、一方的に不利ではないにしろカメックスが苦手としていることに変わりはないので必要だと考えました。
これらを満たすポケモンとして、最終的にゴリランダーエンテイをチョイス。エンテイに関しては最初はエースバーンだったのですが、耐久の低さが目立ったことや、その他紆余曲折を経てエンテイになりました。
 次にカメを初手から動かすためのサポート要員が欲しいと思いました。特にレジエレキに対してのある程度の行動保障が必要でした。ここで重視したのは以下の3つです。
① レジエレキなどのカメックスを1撃で倒しうるポケモンに対して、カメックスがある程度の行動保障を得られること
② S操作技が使えること
③ 攻撃に参加できること
①に関して、カメックスが1回でも動いてキョダイホウゲキを撃つのが仕事なので必須。相手のレジエレキの上からかいでんぱを入れたいです。(わがまま)
②に関しては①に通ずるところがあり、相手の上を取れることはすなわち行動保障であるため。
③に関して、カメックスの隣に並ぶ際、どうしてもカメックス1体だとパワー不足になる場面があると思い、ある程度の攻撃性能も欲しい。
これらを加味し、最初は最速かいでんぱエレキネットレジエレキを採用し、最終的にいたずらごころ化身ボルトロスとなりました。ボルトロスはそれぞれ、①かいでんぱ、②こわいかお、③無振りでもC実数値145あり相手の水タイプに弱点をつける、と満たしています。また、レジエレキと違ってSを伸ばす必要がなく耐久を伸ばすことができて場持ちが良いのも評価が高いです。
 5枠目として、上の4体では打点が不足しがちなポリゴン2やメタグロスに厚くするため、高いスイープ性能を持ちふいうちが使える悪ウーラオスを採用しました。バトルレジェンドのときから使用しており、先発カメックスの後発にウーラオスがいることで格段に詰めやすさが上がることがわかっていたのですぐに決まりました。
 ここまでの5体は1月のシーズン14時点でほぼ完成しており、納得できる並びになっていました。
 最後の枠を考えるにあたって、この5体できつかったフシギバナ軸とガラルファイヤー軸に戦えて、電気の一貫を切る補完枠が必要だと考えました。
フシギバナ構築は晴れによりカメックスの一貫が阻害され、そもそもカメックスがフシギバナを苦手としており、エンテイが過労死気味になること、ファイヤー構築に対してはボルトロスのかいでんぱが通らず、カメックスでは殴り負けてしまう展開が多かったこと、が問題として挙がっていました。
加えて電気の一貫がやばいので、このゆびやサイチェン、ねこだましでボルトロスのかいでんぱがかわされると、ダイマックスレジエレキがどうしようもなくなります。
そこで、
① ダイマックスをきってでもいいから数的不利を取られずにフシギバナとファイヤーのダイマックスをしのげること
② 電気の一貫を消し、電気技ぶっぱにはそれなりのリスクをつけさせること
③ ②で地面タイプを選ぶ場合、グラスフィールド下でも威力を落とさない地面技が使えること
を意識しました。
①は、これまで対戦してきた中で、バナとファイヤーは数的不利を取られずにダイマをしのげばなんとかなるという感触がありました。
②は、あわよくば相手の深読みを誘ってカメックスに電気技を撃たないということも狙っています。
③はゴリランダーと一緒に出すことも考慮しています。
チョッキ特殊霊獣ランド、チョッキ特殊化身ランド、ライチュウ、アナライズかいでんぱサイチェンポリ2など、色々試しましたが、最終的に最も扱いやすく、汎用性の高かった耐久チョッキガブリアスとなりました。

 全体として採用したポケモンには火力の高さと耐久の高さを重視しています。この構築はいわゆる初手ダイマックス構築に当てはまりますが、相手の後ろからまくり返そうとする動きに対して1発攻撃を耐え、返しの攻撃を入れやすくなっています。たとえ相手に耐えられてもこちらには豊富な先制技があるのでダメージレースをかなり有利に進められます。

個体紹介


カメックス

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特性:げきりゅう 持ち物:いのちのたま 性格:ひかえめ
実数値(努力値):169(116)-*-121(4)-150(252)-126(4)-115(132)
:しおふき/ふぶき/ねっとう/あくび
配分意図
H:10n-1 BとD:余り C:最大 S:準速61族+2
耐久(すべてダイマックスしたときのもの)
特化メガネレジエレキの10万ボルトが90.5%~106.5%
臆病磁石レジエレキのダイサンダー(130)が94.6%~111.8% 68.7%乱数1発
臆病いのちのたまサンダーのダイサンダー(130)が79.2%~94.6%
特化ゴリランダーのグラスフィールドタイプ強化グラススライダーが49.7%~58.5%

もともと素早さは114で使っていたのですが、この数値に設定しているポケモンを見かけることが多くなったので115にしました。
技構成はダイマックスでなくともちゃんと戦えるようにしました。
まず、サブウェポンがふぶきだけの理由ですが、草タイプに対してダイマックス前提で撃つために採用しています。それ以外の技は威力がしょぼく、あまり負担はかけられないと思い採用していません。ラスターカノンベ-スのダイスチルで耐久を上げたり、あくのはどうのダイアークで相手のDを下げることもできますが、カメックスにそこまでの仕事を求めているわけでもなく、それらを撃つよりタイプ一致威力150ある水技を撃っているほうが強いと考えています。
次にメインウェポンですが、ハイドロカノンは安定した威力こそ魅力的です。しかし次のターンに隙を晒し、連続で使えない点が弱いと思ったのでしおふきにしています。また、しおふきはダイマックスしないプランを取るときでも相手2体を削ることのできる強力な打点になります。
HPが削れた際はねっとうを使用し、ダイウォールとなる変化技にはあくびを採用しました。この2つは特に状態異常が狙えることから、ダイマックスが切れて圧力のなくなったカメックスが起点にされるのを防ぐためにも入れています。


ボルトロス

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特性:いたずらごころ 持ち物:オボンのみ 性格:ずぶとい
実数値(努力値):186(252)-*-114(108)-145-119(148)-131
:10まんボルト/かいでんぱ/こわいかお/みがわり
配分意図
B:ようきハチマキウーラオスのあんこくきょうだを75%で耐える D:おくびょういのちのたまレイスポスのダイホロウを93.8%で耐える

この構築の核となる最強ポケモン。うざさに更に磨きがかかっています。唯一無二の盤面コントロール性能を持っていると思います。
かいでんぱは採用理由そのもの。こわいかおは、中速の多いこの構築において相手のSを2段階下げるという効果が非常にシナジーがあります。でんじはでない理由は、ランドロスにも撃ちたかったこと、味方にも撃てることを評価してこわいかおにしています。
みがわりについて
ボルトロスをずっと使ってきて、倒されると大いに困るが、裏に引けないという状況になることがよくありました。相手の裏にいるポケモンにかいでんぱやこわいかおを当てたいが、次のターンに縛られているという感じです。この構築は対面構築で、サイクルをすることはあまり考慮していません。また、役割対象のレジエレキですが、ブリザポスと同居していることが多いポケモンです。したがって、選出したいけどブリザポスの餌になることを恐れて出しにくいといった感じになっていました。そこで相手の攻撃を数ターンしのいでなんとか倒されないようにできないかと考え、みがわりという技に注目しました。いたずらごころにより先制ではれるため、上を取られていても問題ありません。主にブリザポス構築のトリックルームとダイマックスを消費するために採用しましたが、想像以上に汎用性が高く、ボルトロスへの殺意を感じたらとりあえずみがわりをはり、隣のポケモンに倒してもらうといった動きもできます。これだけだとまもるでいいような気がしますが、まもると比較して連続で使える点を高く評価しています。


ゴリランダー

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特性:グラスメイカー 持ち物:きせきのたね 性格:いじっぱり
実数値(努力値):198(180)-194(252)-110-*-90-115(76)
:グラススライダー/はたきおとす/まもる/ウッドハンマー
配分意図
H:あまり A:最大 S:準速61族+2

カメックスとめちゃくちゃ相性の良いポケモンその1。
だいたいのレヒレの上を取りたかったため、このSラインに設定。カメックスとSをそろえることでカメックスに繰り出されやすいレヒレのSを特定し、倒すプランが立てやすくなります。カメと同速になってしまいましたが、不都合を感じなかったのでこのままにしました。
技に関しては、フィールドが取られている状態でもレヒレをワンパンしたいのでウッドハンマーを採用。サブウェポンとして今回はポリゴン2やメタグロスに撃てるはたきおとすにしました。この枠は割と自由で、ねこだまし、ばかぢから、10まんばりきなどでもいいです。


エンテイ

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特性:せいしんりょく 持ち物:シュカのみ 性格:いじっぱり
実数値(努力値):190-183(252)-105-*-102(52)-146(204)
:せいなるほのお/しんそく/じだんだ/まもる
配分意図
A:最大 D:あまり、カメックスと並んだときにダウンロードでAが上がる S:最速80族+1
火力
せいなるほのお
H252ゴリランダーに対して90.8%~108.2%
H252ブリザポスに対して66.6%~79.2%
無振りテッカグヤに対して97.6%~116.2%
しんそく
H252ゴリランダーに対して24.6%~28.9%
無振りウーラオスに対して26.2%~31.4%
無振りサンダーに対して32.1%~38.1%
無振りレジエレキに対して50.9%~60.6%
耐久
1段階アップA特化ブリザポスのダイアースがシュカのみ込みで79.0%~93.1%
A特化霊獣ランドロスのダイアースがシュカのみ込みで79.4%~93.6%

あと1歩火力が足りないのでいじっぱりのA特化で採用。じだんだは、ダイマックスしたときに強く使えて場持ちもよくするために採用。以前はダイナックルとなるきしかいせいを入れてたりしました。
フシギバナやブリザポスに対してより安定させるためにシュカのみ。地面技をサブウェポンとして持っているポケモンが多いので発動機会はそこそこあります。


ウーラオス

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特性:ふかしのこぶし 持ち物:きあいのタスキ 性格:ようき
実数値(努力値):175-182(252)-121(4)-*-80-163(252)
:あんこくきょうだ/ふいうち/インファイト/みきり
配分意図
ASぶっぱ
火力
H252メタグロスに対してあんこくきょうだが89.8%~105.8%
無振りレジエレキに対してふいうちが66.4%~79.3%

カメックスとめちゃくちゃ相性の良いポケモンその2。ホウゲキのスリップダメージが入ることで多くのポケモンがウーラオスでワンパンできる圏内に入ります。ビートダウンするのにじゃまな壁やまもるを軒並み無視できるのも非常に強力です。
こいつがダイマックスするときはカメックスが横に並ぶことはないだろうと思い、キョダイ個体にしています。


ガブリアス

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特性:さめはだ 持ち物:とつげきチョッキ 性格:いじっぱり
実数値(努力値): 209(204)-200(252)-115()-*-112(52)-122()
:じしん/ドラゴンクロー/がんせきふうじ/じだんだ
配分意図
H:6n-1 A:最大 D:あまり、カメックスと並んだときにダウンロードでAが上がる 

求めているのは耐えて相手を削ることなので、すばやさは不要と判断しました。各技の威力がしょぼいのでA特化。
技は採用理由のじだんだ、ボルトロスと並んだときに強いじしん、ダイドラグーンとなるドラゴンクロー、ランドロスやファイヤー、リザードンなどに刺さるがんせきふうじです。

選出と立ち回り

全ての選出パターンにおいて、相手にカプ・レヒレがいる場合はゴリランダーを出したいです。

基本選出

先発:カメックス+ボルトロス
後発:ゴリランダー、エンテイ、ウーラオス の3体の中から刺さってる2体

ボルトロスでカメックスを通せる状況をつくり、キョダイカメックスで攻撃していきます。カメのダイマ中に1体でも多く相手のポケモンを落とすことを心掛けます。当たり前に聞こえますが、裏のポケモンにスリップダメージを入れたいので重要なことです。後発ダイマックスで打開を狙ってくる相手には、ボルトロスの存在が重要なので簡単に落とされないように注意します。先発の2体が倒れたあとは裏のポケモンで残りのポケモンを倒し切りましょう。目の前のポケモンを殴っているだけで勝てるビートダウン展開が理想です。そうでなくとも耐久が比較的高く、後発に置くポケモンは全員がまもるを持っているのでダメージレースを有利に進めることができます。

対メタグロススタン

先発:カメックス+ボルトロス
後発:ウーラオス+エンテイ or ゴリランダー

やることは基本と変わりません。メタグロスは基本ウーラオスで処理しますが、カメックスで倒せそうなら倒してしまいます。
弱保ギミックの場合、1ターン目はじならし役にこわいかおホウゲキを集中します。

対ブリザポス軸

先発:カメックス+ボルトロス
後発:ウーラオス+エンテイ or ゴリランダー

よくあるブリザポス構築の場合、相手の選出はほぼ
トリル役+ガオガエン or レジエレキ
ブリザポス+カプ・レヒレ 
でくるはずです。ここではポリゴン2を想定して話を進めます。ガオガエンの場合はガエンにホウゲキを撃ち、ポリ2に10まんボルト、エレキの場合はかいでんぱを入れ、ポリ2にホウゲキを撃ちます。1ターン目にエレキに攻撃しないのは、ボルチェンでレヒレに引かれるとアドが取れないこと、居座ってトリルをはられれば次のターン以降いつでも倒せるようになるからです。サイチェンエレキダイマは考慮しません。負けです。火力アップアイテムを持ってないのを祈りましょう。
ブリザポスが出てきたらボルトロスはみがわりを連打し、カメはポリ2にかいでんぱを入れられてしまいますが、主にポリ2を殴っていきます。ポリ2を落とせたならほぼ勝ちなので、2度目のトリルをはらせないように立ち回りつつポリ2を倒すことを狙うか、ポリ2以外を倒し詰めることを狙います。なお、ブリザポスのつららばりは考慮しません。負けです。

対フシギバナ軸

先発:ガブリアス+ボルトロス
後発:エンテイ +カメックス or ウーラオス

ダイマエンテイを止められるポケモンがあまりいないことが多いので、基本後発エンテイダイマを狙いますが、余裕があれば臨機応変にガブにダイマをきってもいいです。相手にランドロスがいなくてバナダイマが見えるのであれば、初手からガブダイマでもいいです。
1ターン目はバナにかいでんぱ、ガブはじしんを選択。数的不利を取られないように立ち回りつつ相手を削り、エンテイかガブにダイマを切って押し切ります。

対ガラルファイヤー軸

先発:エンテイ or ガブリアス+カメックス or ボルトロス
後発:ガブリアス or エンテイ+残りの3体から出せそうなポケモン

初手にファイヤーが出てきた場合はファイヤーにあくびを入れ、カメの隣がエンテイだったらファイヤーの隣を殴り、ガブを出した場合はがんぷうをファイヤーに撃ちます。適宜起点にならないように注意しながら相手を殴っていきます。ダイマックスを切るタイミングですが、数的有利を取れそうなときや押し切れるプランが見えたときです。選出した4体全員の中からHPが残っていたり通りのいいやつにきります。必要であればボルトロスにもダイマックスを切ります。

対コントロール系統

先発:カメックス+エンテイ
後発:ゴリランダー、ウーラオス、ガブリアス の3体の中から刺さってる2体

壁+あくびから入ってくるような構築を想定しています。しおふき聖炎をあくび役に集中し、削っていきます。できる限りこちらのポケモンが寝ないように頑張ります。きつい場合はなるべくカメックスを寝かせるようにします。相手のエースが出てきたらできればカメであくびを入れたいです。ダイマを切る基準は対ファイヤー構築と同じですが、相手のエースポケモンを大きく削れるチャンスが来たときにも切ります。

まとめ

ここまで読んでくれてありがとうございます。なるべく僕の約1年間の試行錯誤の結果を言語化してまとめようと思ったので長くなりました。

オンライン開催という例年とは形式が違う中で、決勝ライブ大会進出こそかないませんでしたが、初の全国大会である程度上の順位で終えられたことは嬉しいです。VGC2021はカメックスと心中しようと思っていたので、過去に3回も全ダのカメの記事を公開していましたが、持ち込むことに迷いはありませんでした。むしろずっと使い続けただけに練度に自信のあるこの構築1択でした。あとひそかにカメックス全一を目指してました。僕より高いレートでカメックス使ってた人がいたらこっそり教えてください。

最近カメックスが少しずつ注目され始め、使う人が増えてきていると感じています。この構築がカメックス構築のアーキタイプの1つとして残り、誰かの参考になれば幸いです。

誤字脱字、質問などありましたら気軽にさとちん(@kisseasura468)までよろしくお願いします!
それではここまでお読みいただきありがとうございました!


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