愛情表現が気持ち悪い彼氏と別れた話❶
「私と、別れてください。もう無理です」
全ての感情を押し殺して、私は自ら悪者になった。
ゆきちゃんは「つらい思いさせてごめん」って
電話越しに言った。
その声が冷たくて、別の人に思えた。
そうして私たちは他人になった。
ゆきちゃんは愛情表現が異常なことがよくあった。
「眼球舐めさせて」
とか
「おしっこのませて」
とか
「使用済みのナプキンちょうだい」
とか
「鼻の穴舐めさせて」
とか。
無理矢理生理中にクンニされたり、
足の裏を口の中に全部入れようとしたり、
とにかくいつも気持ち悪かった。
私が本当に嫌で怒っても
もはやあきれて笑っててもゆきちゃんはいつもへらへら笑っているだけだった。
気持ち悪いのに別れないのは、
そういうおかしい行動をしてくる時以外はやさしくて、話がおもしろくて、私のことを大切に扱ってくれて、一緒にいて楽しくて、
矛盾しているかもしれないがシンプルに私はゆきちゃんのことが好きだったのだ。
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