愛情表現が気持ち悪い彼氏と別れた話 ❸
「俺、こうしていないと寝れないんだ」
ゆきちゃんが私の両手をとって、自分の顔を包み込むような形に手を添えさせる。
これがいつもの寝方だった。
おやすみ、と言い合うとゆきちゃんは5秒くらいで眠りに入る。
「母さん…」
ゆきちゃんはたまに寝言でお母さんを呼ぶ。
その日もそうだった。
「大丈夫?」
声をかけて体を揺するが、起きる気配はない。
「口の周りパランパラン…」
なんだその寝言
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