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マスターデュエル実装に備えてティアラメンツを知ろう!①〜【烙印ティアラメンツ】編〜

 皆さんこんにちは。皆さんマスターデュエルをお楽しみでしょうか?私は捕食植物の新規が収録されて以来毎日楽しんでおります。
 さて、そんなマスターデュエルですが、《斬機サーキュラー》の実装が最近何かと話題になっています。

オリカかな?

 目を疑うような強力な効果を持つこちらのカードですが、見ていただきたいのがカードイラストの少し下「POTE」の文字です。
 そうこのカード、あの悪名高い「POWER OF THE ELEMENTS」のカードなのです。

 悪名高いこのパックですが、そもそもなぜそんなに悪名高いのか。それはかの有名な【スプライト】【ティアラメンツ】というテーマを輩出し、発売後僅か9ヶ月で禁止カード1枚、制限カード5枚も輩出していることにあります。
 特に【ティアラメンツ】については公式の大会で40分を2ターンで使い切ったり、大幅規制を受けてもなお環境トップに残っていたりと何かと話題に上がります。
 そこで今回はマスターデュエルにおける【ティアラメンツ】実装に備え、OCGにおいてティアラメンツが歩んできた足跡を辿っていきたいと思います。
 ちなみに私は【ティアラメンツ】デッキを握っていたことがないため、にわかを晒してしまう部分があるかと思いますが、ご容赦下さい。

烙印ティアラメンツ【POTE〜輝石の決闘者編まで】


 さて、こちらがPOTE発売直後の【烙印ティアラメンツ】デッキになります。
 今デッキレシピをご覧頂いた方は違和感があるかもしれません。そう、《ティアラメンツ•レイノハート》以外のティアラメンツモンスターがそれぞれ1枚ずつしか入っていません。勿論この時点では登場まもなくですので、《ティアラメンツ•シェイレーン》は制限カードではありませんし、《ティアラメンツ•ハゥフニス》も準制限カードではありません。
 では、なぜレイノハートを除くティアラメンツモンスターが1枚しか入ってないかと言いますと、この頃のティアラメンツデッキの特長がいわゆる【イシズティアラメンツ】以降のティアラメンツデッキと異なっていたからです。
 ティアラメンツデッキと言うと多くの方がデッキからカードが何枚も墓地送りになり、何枚ものカードが発動する、みたいなある意味ギャンブル的なデッキ(尤も実際には非常に高い確率で効果がヒットするためギャンブル要素は薄い)を想像するかもしれません。
 しかし、この頃の【烙印ティアラメンツ】デッキのコンセプトはむしろその逆で「豊富な1枚初動から妨害を建てることができ、さらに多くの自由枠に手札誘発を多く積むことができる」ことを強みにしたデッキでした。イメージとしてはドランシア現役時の【十二獣】に違いでしょうか。
 このデッキの基本的な動きとしては
1.《ティアラメンツ•レイノハート》を召喚する。

2.レイノハートの①の効果で水族のティアラメンツモンスターを墓地に送る。

②は水族のティアラメンツの共通効果

3.墓地に送った水族のティアラメンツモンスターの②の効果で自身と場のレイノハートをデッキに戻し《ティアラメンツ•キトカロス》を融合召喚する。

4.《ティアラメンツ•キトカロス》の効果でデッキから《壱世壊に軋む爪音》をサーチしセットする。


5.相手ターンに《壱世壊に軋む爪音》を発動。相手モンスター1体を裏側守備表示にする。その後デッキから水族のティアラメンツモンスターを墓地に送り、墓地に送った水族のティアラメンツモンスターの②の効果を発動。自身と場のキトカロスをデッキに戻し、《捕食植物ドラゴスタペリア》を融合召喚する。(この際、レイノハートを《壱世界ペルレイノ》からサーチしていればペルレイノの効果で相手のカードを破壊でき、3妨害になる。)



 以上がこの【烙印ティアラメンツ】の基本的な動きになります。
 要するにこの【烙印ティアラメンツ】においては「水族のティアラメンツ」モンスターは②の融合効果のみを目的として採用されていました。それぞれ名称ターン1があるため、複数種類は積まれていたものの基本的にはデッキに1枚、さらに下記の烙印融合が絡む展開の際に手札に1枚確保できていればよかったため、最低限の枚数確保できればいいということでこの採用枚数となっていました(尤も扱い安いシェイレーンが2枚、メイルゥが0だったり、後のティアラメンツよろしく固有効果を目的とした複数積む構築も存在しました。)。
 さて、この動きを見たときにこう思われるかもしれません。「確かに1枚初動から2妨害立つのは良いけど月の書+モンスターのみの発動した効果無効って質は微妙じゃね?」と。
 しかしこのデッキが活躍できたのはいくつかの理由がありました。
 1つは1枚初動の枚数が半端ではなく多かったことにあります。上の基本的な動きでレイノハートからのキトカロス成立をスタートとしていますが、このレイノハートを手札に用意する方法が実に多くありました。上のデッキレシピで言いますと「レイノハート自身×3」「《壱世壊ペルレイノ》×3」《テラフォーミング》×1」「《融合派兵×2》」「簡易融合(キトカロスSS)×1」と10枚もの初動があります。さらに初動を増やしたい場合は《増援》や《絶海のマーレ》(自身の効果で水族のティアラメンツを墓地に送り、水族のティアラメンツの②の効果で自身と水族のティアラメンツを融合素材にキトカロスを融合召喚する。)を積むことで15枚もの初動カードを用意するができます。
 さらに、上記レシピでいえば《烙印開幕》×2、《デスピアの道化アルベル》×2、《烙印融合》×3でも手札コストこそ必要なものの《氷剣竜ミラジェイド》という妨害が確定札1枚で成立します。
 仮に上記のカードをリミットレギュレーションの範囲内で最大数積んだ場合、28枚もの1枚初動を積むことができます(尤もさすがにそれほどの初動カードは供給過多であるため、大概はアルベル&烙印開幕と絶海のマーレはどちらしか積まれませんでした)。
 前環境トップの【烙印デスピア】が1枚初動10枚(烙印融合×3、アルベル×3、烙印開幕×3)、【天威勇者】【ふわんだりぃず】は基本2枚初動であったことを踏まえれば、この1枚初動の枚数が以下に破格であるかがわかります。
 2つ目は月の書効果&ドラゴスタペリアによる妨害が非常に環境にマッチしていたことがあります。この時ティアラメンツ以上に環境に蔓延していたデッキ、それが同期の【スプライト】でした。

①はメインモンスター共通効果

 今回は【ティアラメンツ】の紹介なので【スプライト】についての詳細な説明は省きますが、【烙印ティアラメンツ】以上に環境に蔓延していた【スプライト】に対して【烙印ティアラメンツ】の上記の妨害が非常に有効だったのです。
 「スプライト」モンスターは上記の《スプライト•ブルー》の①の効果「レベル2またはランク2(リンク2)モンスターが自分フィールドに存在する場合、手札から特殊召喚できる。」という効果を共通効果として持ちます。この共通効果故にフィールドにレベル2モンスターがいれば特殊召喚し、ブルーやジェットの②の効果で後続をサーチし連鎖的に展開を広げることができます。また、1体のサーチ効果を無効にしても、手札の別のスプライトモンスターの「自分フィールドにレベル2モンスターが存在する」という特殊召喚条件を満たしているため、特殊召喚してX召喚やリンク召喚に繋がることが可能であるため、手札の「スプライト」モンスターの数がそのまま手数になってしまいます。故に生半可な妨害は貫通して、展開することが可能となります。
 しかし、逆にいえばフィールドにレベル2モンスターが存在しなければ手札のスプライトモンスターは全て特殊召喚効果を使えないということになります。そこでこの【烙印ティアラメンツ】の基本妨害が刺さります。
 まず、サリークの効果で最初に召喚したレベル2モンスターを裏側表示にします。するとそのモンスターがレベル2であるという情報が消えるため、手札の「スプライト」モンスターは自己特殊召喚効果を発動できません。
 しかし、仮に最初に召喚したモンスターが《深海のディーヴァ》や《鬼ガエル》のように別にレベル2モンスターを呼べる場合、または《スプライト•スターター》を相手が握っている場合、更なるレベル2モンスターの展開を許してしまいます。

もう1体のディーヴァを召喚

自己特殊召喚効果
インチキ

 そこで役に立つのがドラゴスタペリアの効果です。ドラゴスタペリアは①ターンに1度フリーチェーンで捕食カウンターをモンスターに置く効果と②捕食カウンターが置かれたモンスターの発動した効果を無効にする効果をもちます。
 つまり、①の効果でカウンターを置くことで②の効果で発動した効果を無効にすることができるのです。
 しかしこの①の効果(正確には捕食カウンター)には実は(捕食植物使い以外には)隠された効果があります。捕食カウンターの乗ったモンスターのレベルは1になるのです。
 この普段は全然役に立たない効果が対スプライトに役に立ちます。相手がサリークを貫通して展開したレベル2モンスターをもレベル1にすることでスプライトモンスターの更なる展開を防ぐことができるのです。
 このように一見すると質が低そうな【烙印ティアラメンツ】の妨害も環境に蔓延した【スプライト】には非常に効果的だったのです。
 また、スプライトがいる環境という点でいえば「スプライト」に(比較的)効果的と言われた手札誘発を致命的に受けなかったという点も強みとして挙げられます。
 スプライトは手札誘発に対する貫通能力も高かったですが、唯一《増殖するG》のみを苦手としていました。
 

尤も《スプライト•レッド》や《スプライト•キャロット》で多少のケアはできた。

 また、《幽鬼うさぎ》《原子生命ニビル》も他の手札誘発との重ねがけならば有効とされていました。

 しかし、【烙印ティアラメンツ】はこれらの手札誘発カードを重く受けません。つまりは【スプライト】を意識して積まざるをえないカードを死
に札とすることができたのです。
 以上の点が【烙印ティアラメンツ】の強みだったと言えます。

そんなティアラメンツだが…

 さて、そんティアラメンツですが環境においてはどのような活躍だったのでしょうか。
 結論からいうと【スプライト】に大きく離された環境2番手という形でした。
 原因としては2つが挙げられると思います。《烙印融合》が絡まない場合のリソース、キル力の乏しさです。
 この【烙印ティアラメンツ】は上記の1枚初動の展開以上に強い展開として《烙印融合》が絡む展開が挙げられます。

条件:手札に《烙印融合》「ティアラメンツ」モンスター

1.《烙印融合》を発動。デッキから《アルバスの落胤》と水族のティアラメンツモンスターを墓地に送り、《神炎竜ルベリオン》を融合召喚する。

2.手札の水族のティアラメンツモンスターを捨てルベリオンの効果を発動。さらに、融合素材として水族のティアラメンツモンスターの効果発動。自身とコストとした水族のティアラメンツモンスターをデッキに戻し、《ティアラメンツ•キトカロス》を融合召喚。さらにルベリオンと墓地のアルバスをデッキに戻し《氷剣竜ミラジェイド》を融合召喚。

3.キトカロスの①の効果。デッキからメタノイズをサーチしセットする。

結果:ミラジェイド、キトカロス、メタノイズの3妨害を用意できました。さらに相手ターンに《烙印竜アルビオン》か《深淵竜アルバ•レナトゥス》をコストにミラジェイドの効果を使うことで次にターンに再び烙印融合を発動することで複数の融合モンスター並べることが可能であり、1ショットキルを狙うことが出来ます。
 しかし、逆に烙印融合を握っていない場合はどうでしょう。こちらの場はスタペリア1体であり、手札に2枚目以降のレイノハートを握っていても自ターンに供給できる融合モンスターは基本的に1体になります。メタノイズでもスタペリアでも相手のモンスターを除去したわけではないですから、相手の場には1〜2体のモンスターが存在することになります。そうするとワンショットキルを決めるのは困難であり、相手にモンスターが残ってしまえば2ターン目以降に展開を許してしまうのです。
 また、初動の細さも弱点として挙げられます。
初動の枚数こそ多いものの、その実レイノハートと(特に)キトカロスの効果を通すことが必須であり、キトカロスの効果が通らないと烙印融合が絡まない限り、0妨害となってしまいます。
 この初動の細さ、キル力の弱さは特に後攻で影響が出ます。【スプライト】も手札誘発は15枚ほど積めましたから、手札誘発1〜2枚+基本展開による3〜4妨害を貫通するのはかなり困難です。
 これらの弱点から【烙印ティアラメンツ】は【スプライト】に及ばず、環境2番手に甘んじていました。数こそそれなりにはいたものの、【スプライト】1色環境に飽きたプレイヤーが使っていた側面もあり、各大会の入賞は【スプライト】が大半を占めていたように思います。

さいごに

 正直1記事でティアラメンツ変遷を全て書こうと思っていたのですが、このペースだと3万字くらいいってしまいそうなので、何回かに分けたいと思います。
 次回は【イシズティアラメンツ】についてです。

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