ANDH フットアライメントデザインを解説
今回はANDHから販売されているフットアライメントデザインについて解説していきます
本作は細かくチューンナップ、症状別や悩み別で使い分けられる足部トレーニングツール
自分に合った使い方が出来ると大変有用なので、記載します
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今回ANDH様の方でご活用いただけるとのことで、記事を無料公開しております。
製品の概要
製品については前~中足部と中~後足部の2枚の木製ボードが、連結されている仕様です
このそれぞれが動くボードに、裏側にポイントを設置することで、足部の特定の動きを引き出すというのが特徴
動きを引き出して可動域を高めたり、過度に動かされるのを耐えることでバランスをよくしたり
足部の細かな問題に対処しやすいツールなのが、このフットアライメントデザインです
製品は送料含めると約8000円程度
基本的な足部の問題は大体対処できる、有効なトレーニングツールとなっています
サイズは縦前側プレート175mm、後側プレート105mm
横幅は120mm、厚みは8mm程度
重量はポインター込で200g前後くらい
ポインターは高さ15mm、直径30mm程度
マジックテープ式で、ボード裏に張り付けられるようになっています
ちなみに、本家でいうとドイツのブラックボードが類似製品として該当すると思います
こちらも大体仕様は同じですが、価格が16000円前後とそこそこするのがネックですね…
使用するポイント
可動性改善 関節軸に合わせて置く
使用するポイント、可動域改善についてなのですが、関節軸に合わせて使うのがひとつキーになります
例えばショパール関節の縦軸は上記画像のようになっているのですが
関節軸上に近い形でポイントを設置することで、この関節の動きを引き出しやすくします
斜軸というのもあるのですが、こっちだとこういう関節軸になります
こちらの動きを引き出したい場合は、この位置にポインターを置くことで引き出すことが可能です
他にも、足首の関節である距腿関節軸や、踵骨の関節である距踵関節軸もあります
加えて、足部にはPIP、DIP、MP関節、リスフラン関節などなど、主要なものでもこれくらいはあります
足にはもちろん個人差があるので、必ずこのような関節軸になっているという訳ではありません
しかし、概ねはこんな感じになっているので
ざっくりこういうイメージでポインターを配置すると、これらの関節が動きやすくなる、という感じです
例えば上記の動画のように配置した場合、かかと側はロック
前足部が左右に傾きます
なので、内側に傾けば前脛骨筋が伸びて反応しやすいですし
外側に傾けば長腓骨筋が伸びて反応しやすいです
また、ゆっくり行って可動性を出すのも可能ですし、バランスをとるように行って足部の安定性を出すこともできます
ただ、ここまで関節軸を考えてやらなくても、だいたい縦横に置くだけで狙いの動きは出やすいです
大まかに回内、回外、屈曲伸展、内転外転が複合的に起こっていることが分かっていれば、効果的に使えるかと思います
ちなみにいくら可動性を作るといっても、皮膚下、筋腱部などが癒着してると動かしにくいです
また、関節がうまくハマっていないと、動きにくさが出ます
基本的にはリハビリをしっかりするのが大前提ですが、腕のいいトレーナー、治療家にいつでも会えるという人ばかりでも無いと思うので
セルフでやるなら、足関節ならコンプレフロスは使いやすいと思いますし
関節面でいうなら、bauerfeindのスポーツアンクルサポートダイナミックあたりを使うのもアリだと思います
※距腿関節の底背屈がやりやすくなります
怪我予防 弱点部分にポイントを置かない
怪我の予防という意味では、先程とは逆で
弱点になっている部分にポイントを置かない、というのがキーになってきます
ポイントを置く=荷重がかかる、安定する部位になるので
ポイントを置かないことで、不安定にし、自身のもつ筋力などの力で保持するようにします
例えばこのパターンだと、後足部は内側が落ちるを防ごうとすれば、主に後脛骨筋へ作用していきます
また、内側から足指へ通っていく長母指屈筋、長趾屈筋も機能しやすいと思われます
一方で人によっては、前足部外側を浮かせようとする長腓骨筋も働くかもしれませんし
長趾伸筋あたりは確実に動いてくると思います
このように安定させたい部分、下方向への力を入れやすい部分にはポイントを置き
不安定で自分の力で安定させたい部分には、ポイントを置かないという方法がベーシックになってくるかと思います
悩み別の使用方法
基本的な使い方は説明書や、Instagramなんかに動画で解説があるのですが
トレーナーの方や治療家の方はこれで十分わかると思うのですが、一般のプレーヤーがセルフで使うとなると難しいと思うので
僕の方でもさっと思いつく悩みのケースに合わせた、パターンを解説しておこうと思います
内反捻挫
基本的には縦にポインターを置いて使うことが多いと思います
痛めたのが前距腓靭帯か、踵腓靭帯か、更には踵腓靭帯もなのか、そのどちらもなのかによっても変わるとは思いますが
このフットアライメントデザインを用いるなら、
この前足部外側へ動くような配置か、後足部外側へ動く配置にして、動かすことで可動性を引き出します
これは主に、怪我の後、安静にしたことで動きが悪くなっている場合に行うケース
可動性を取り戻したら、筋肉での補強、神経の反応も必要になってくるので
先程と同じ位置で、片足でバランスをとってみたり
あえて少し内側に置くことで、外側に傾かないようにバランスをとるような配置も良いかと思います
立った状態で出来たら、今度は軽くスクワットしたり、ランジにしてみたり
徐々に動きを加えていけると、なお良さそうです
ちなみに反応という意味では、足底部に刺激も欲しいので
あるのであれば、Nabosoなどと組み合わせても良いと思います
扁平足&有痛性外脛骨
こちらはポインターを縦にも、横にも使うかなと
特に後足部、後脛骨筋へアプローチするなら、かかとに縦置きが多くなるかと
仮に後脛骨筋の機能不全などであれば、かかとに縦方向に置いてバランスをとったり
かかと外側に縦に置いて、倒れないようにするのが良いかと思います
内側縦アーチ部分に関しては、後足部と同じように、中央か外側に縦置き&バランス保持がメイン
加えて、慣れてきたら後足部、前足部もスクワットやランジ等の動作を入れていくと良さそうです
また、違う方法としては、横に置いて使うというのもありかなと思います
主に足趾や、足底部全般、内在筋によって保持しやすくなるはずです
有痛性外脛骨であれば、後足部だけ内側に倒れるようにし、動かして後脛骨筋をストレッチすることや
先と同じ、横において足趾、足裏で引き寄せるトレーニングはアリかと思います
足底腱膜炎&シーバー病
こちらは今までとは逆で、ポインタを横に使うことが多いと思います
予防という意味では足底部の柔軟性、そして筋力が必要になると思うので
横置きで傾斜を作り、その上で足裏のストレッチを行う、というのは一つ使える方法になるかと思います
トレーニングという意味では、先の足裏、足指で引き寄せる動きが役に立つかと思います
シーバー病でも同じで、横向きにポインターを置き、足裏、ふくらはぎのストレッチなんかは効果が出やすいかと思います
後は踵骨の外反、扁平足だとよりアキレス腱付着部に負荷がかかるので、扁平足系のメニューも入れて良いと思います
第五中足骨骨折
第五中足骨骨折、ジョーンズ骨折は繰り返しによる疲労骨折ですが、腓骨筋が強く働きすぎる事でも発生します
アーチ部への負荷が強いという場合は、先の足指、足裏を引き寄せるトレーニングが役に立つでしょうし
もし外側に荷重が過度に乗る場合は、母指球にポインタを置いてのスクワット、ランジなんかも良いと思います
それだけで全部OK、という訳ではないですが、やって損はないかと…
まとめ
・基本は縦か横に置けばOK
・前足部と後足部で、動かしたい方向にはポインタを置かない
・可動性も筋力もどちらも鍛えられる
といった所が本製品の良いところかなと思います
トレーナーの方や治療家の方であれば、こんなの見なくてもわかる&出来るでしょうし
逆に一般の方、プレーヤーだと難しいと思うので、近くにいるトレーナーさんに聞くのが一番いい使い方だと思います
他にも斜めにして使ったり、足裏以外は力を抜くのが重要だったりと、結構扱うのが難しいフットアライメントデザイン
ただ、ピンポイントでアプローチしやすい製品なので、興味のある方は購入を検討してみてもいいかもしれませんね
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