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【だ】 台石 <旧石器電子辞書>

台石【だいいし】とは、石器製作や調理、他の作業となる台となった、石器である。作業の受けとなる台部分は、一般的に平坦であり、作業痕跡(切ったり、たたいいたりしたキズ)が、残され、考古学的に台石と判断される。
写真は、神奈川県海老名市柏ヶ谷長ヲサ遺跡、第Ⅷ文化層の台石とみられる石器(中央の扁平な大きな礫)。ただ、台に使われたと考えられる細かなキズは、石器表面には検出されなかった。
この扁平な大型礫の回りには、石器製作の際のたたき石、石核が置かれ、石器製作の際の台石と推定した。
姶良Tn火山灰(約30,000calBP)より上位で、Ⅴ層段階の石器群とされる。1981年の調査の折には、輪郭をラバーで型取りした。
遺物は現在、海老名市教育委員会が保管している。
台石とみられる石器の出土例は、あまり知られていない。

故中村喜代重を発掘調査団長に、諏訪間順、堤隆らが発掘に参加した。
台地の大規模全面発掘として希有な事例である

報告書は、遺跡リポジトリより、全編がダウンロードできる。
堤 隆編 1997『海老名市柏ヶ谷長ヲサ遺跡』 柏ヶ谷長ヲサ遺跡調査団

https://sitereports.nabunken.go.jp/88753 (前編)
https://sitereports.nabunken.go.jp/88754  (後編)

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