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Ⅱ 低学年で覚えて欲しい対人スキル 30 人に正しく親切にする方法 その3

4️⃣ 自分がして欲しいことを相手にしてあげる。自分がされて嫌なこと
  はしない。 【解説】

 トラブルのときに、子どもに説明するのにこの4️⃣のルールを設けておくと便利です。「やるべき行動と、やってはいけない行動の基準」が分かりやすいからです。
 「あなたがしたことを、あなたはされたいですか?」と問いかけることで、自分のしたことを考えやすくなるからです。放っておくと、凸凹タイプの子どもは「相手が悪かったら、何をしてもいいんだ。相手は悪者なんだから」と考えてしまう子が多いのです。

 相手をほうきの棒で入院するくらい殴ってしまった子どもが、こう言っていたことがあります。

「こいつは、悪い怪獣だ。僕は、正義の味方のウルトラマンだ。だから、怪
 獣をやっつけるためにスペシューム光線で焼き殺しても構わないんだ。今
 日は、棒で殴るだけにしてやった。」

 相手に悪い所があっても、コミュニケーションするべきで、暴言や暴力をするべきではありません。
 
 例えば「ドッジボールのボールの取り合いで、殴ってしまった子」に説明するときの【セリフ】を書きます。

【セリフ】「やりとり」を使っています。ボールを取った子どもには、間違ったことをしたとを、すでに叱ってあります。

「どうして殴ったの?」
「僕が先に触ったボールを、横取りした。」
「自分のボールを取ったから、相手悪いと思ったんだね。」
「僕のが先だ。」
「それは、分かりました。じゃ、自分に同じようなことが起こった時
 あなたは、殴って来られるのがいいですか?それとも『僕が先に触ったか
 ら僕のボールだ。取らないでよ』と言ってこられるのがいいですか?
 どちらの方がいいですか?」
「言ってくる方がいい。」
「そうですよね。自分が悪くても、殴られるのは嫌ですよね。」
「今回も、あなたのボールだと言うのはそれでいいですが、だからといって
 殴るのはおかしいと思いませんか?」
「・・・」
「さっきは、相手の子が『ボールを取ってごめん』と言ってくれたよね。
 今度は、あなたが『殴ってごめん』と言えますか?」
「言える。」
「『言える』じゃなくて、『言えます』だよ。これから、何かをしようとし
 たとき『自分がして欲しいことを相手にししてもいいが、自分がして欲し
 くないことはしない』と覚えておいてください。分かったら、1回言って
 おいてださい。」
「自分がされて嫌なことはしない。」
「よく覚えました。それを守ってくださいね。」


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