Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル   12 並び方、集合の方法  その1

この項目には、3つの補助項目があります。まず、それを紹介し【解説】します。

1️⃣ 集会などのとき、自分の並ぶ場所が分かる。指示がある前に並ぶ。
  【解説】

 平均タイプの子どもは、感覚で集会のときの並ぶ場所が分かります。小さいときから遊びで培った感覚で、なんとなく分かるのです。しかし、凸凹タイプには、並ぶ場所が分からず困ってしまう子がいます。遊びや学びが、偏っているため、並ぶための感覚が育ってないのです。
 それが、ウロウロしているように見えたり、曲がっているように見えたり、キョロキョロしているように見えたりして、先生に叱られてしまいます。

 そのため、集会で並ぶ場所を覚える必要があります。やり方は、3つです。2つは「長期記憶に頼る方法」です。残る一つは「頼む方法」です。

  ・自分の前後左右の子どもを覚える。
  ・自分の場所から見える遠くの目印を、前後左右覚える。
  ・自分を連れて行って、並ぶところを教えてくれるよう、前後のクラス
   メイトに頼む。

 小学校では、先生が前に来て話し始めたときには、並んでいないといけません。つまり、先生が前に来て「並びなさい」という指示が出たときはもう遅いのです。先生は、怒っているのです。
 だから、時計などを見て集会や体育が始まる前、先生がやって来る前に並べるようにならないといけません。これは「チャイムがなる前に教室に入る」のと同じスキルです。

2️⃣ 前になれ・右へなれ・右向け右・左向け左・回れ右・気をつけ・休めができる。  【解説】

  これらは、先生が集会等で指示する内容です。それぞれに意味があります。集団生活で集団で並んだり移動したりするために、どうしても必要なスキルです。「やりたくない」「できない」「分からない」と思って違うことをすると、集団が混乱しケガに繋がります。だから、どうしても獲得しないといけないスキルです。

   ・前になれ ➪ 前後の列を揃える。前後の人との距離を取る。       
   ・右へなれ ➪ 横の列を揃える。左右の人との距離を取る。         
   ・右向け右 ➪ 集団で右に移動するため2秒で方向を変える。
   ・左向け左 ➪ 集団で左に移動するため2秒で方向を変える。
   ・回れ右  ➪ 集団で後ろに移動するため3秒で方向を変える。
   ・気をつけ ➪ 前に立った人に対する礼儀 注意集中を前に向ける
   ・休め   ➪ 立ったまま長い話をい聞く
 
 凸凹タイプは、これらができるとまっすぐ並ぶことができます。そして、人とぶつかってトラブルになったりしません。感覚ではなく、後付の知識として学ぶからです。
 しいては、人との距離感を掴む練習にもなります。最終的には、心理的距離感もつかめます。だから、必ず獲得させて上げたいスキルです。


3️⃣ 1列から2列になる、2列から4列になるなど並び変えができる。
  【解説】


 これも、学校でよく使われるスキルです。やり方は、小学校に入ってから練習します。前向きに並んだあと、このようにして作ります。

  ・1列から2列 ➪ 前から番号を言う 
            偶数番が右前に出て奇数番と並ぶ
  ・2列から4列 ➪ 前から左端の人が番号を言う
          ➪ 偶数組の二人が右前に出て奇数組と並ぶ

 これを作る意味は、大きく2つあります。
  ・集団の列を短くする
  ・ペアや4人組を作る

 学校でしか使わないスキルですが、学校では結構使われます。もたもたしていると、叱られやすいシチュエーションです。凸凹タイプの子どもは、奇数、偶数が分からなかったり「右にでる」に困難を感じるようです。また、この隊列は、集団を小さくするので、体をくっつけるようにして並ぶのも好まないようです。
          

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