見出し画像

Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル   16 「今、何を聞くべきか」を自動的にできる その2

 6つの補助項目を紹介し、少し【解説】を足します。なお、「発言者」はクラスメイトのことです。

1️⃣ 先生(発言者)が話し始めたら、してることは全部やめて先生(発言
  者)の方を見る。 【解説】
 

 先生が話し始めても、平気で話している子がいます。先生が「静かにしなさい」とか「大事な話をするので、先生の方を向いてください」と指示を出します。それでやっと、話を止めて先生をの方を見ます。

 これで「子どもが育っている」気になってはいけません。先生が話し始めたら、自動的に先生を見るのが普通なのです。平均タイプの子は、それが普通にできます。先生が話し始めても、まだ話している子は凸凹タイプなのです。先生に指示されて、仕方なく話を止めて先生の方を向いているのです。これでは、クラスの規律が乱れ、雰囲気も壊れてきます。

 つまり、凸凹タイプを話を止めさせて先生の方を向かせるためには、先生の指示が毎回いるということです。先生が話すたびに「静かに」と「こっちを向て」がいるのです。これは、育てているのではなく「支援」です。

 だから、「育てる」ためにはこれをルール化し、平均タイプの協力を得てみんなでこの項目を唱えるのです。知識として与え、ルールとして守ってもらうのです。すると、先生が「静かに」とか「こっちを向て」とか言う必要がなくなってきて、クラスの規律の整った、いい雰囲気のクラスになります。

2️⃣ 身体は先生(発言者)の方に向け、手をひざに置くかイスの後で手を組  む。 【解説】

 先生の話を聞いていても、手足が動くとそれに引きずられて注意集中が切れてしまいます。手が机の上にのっていると、文房具を触って遊んでしまったりもします。
 だから、身体を先生の方に向け、手を膝かイスの後ろに組むように教えます。すると、注意集中が先生に方に必然的に向きます。手をイスの後ろで組むことを「イスの後ろで鍵して」と、教えている先生もいます。

3️⃣ 先生(発言者)の話を、理解しようという心づもりで聞く。 【解説】

 凸凹タイプのこの中には、先生の方を見て手を膝の上においていても、頭の中ではぜんぜん違うことを考えている子がいます。だから「理解しようと思って聞いて」と敢えて指示します。

 凸凹タイプの中には、クラスメイトが小さい声だけど頑張って発表したのに「聞こえません!」と平気で叫ぶ子がいます。「理解しようと思って聞いていたら、どんな小さな声でも聞こえます」と言うためにもこの項目があります。

4️⃣ 相手の話は最後まで聞き、途中で絶対口をはさまない。 【解説】

 凸凹タイプの子どもは、自分の言いたいことがあったり、途中でいい意見を思いついたら話したくてたまらなくなります。抑制も弱いので、他人がまだ話しているのに、話し始めりします。
 だから「どんなに言いたいことがあっても、最後まで人の話を聞きなさい」とルール化します。


5️⃣ 頷いたり、アイサインを送ったり、感想を考えながら聞く。 【解説】

 人の話を聞くときは、話している人に「聞いていることを知らせる」のがマナーです。だから、頷き方を教えたり、アイサインの出し方を説明したりします。

 「あとから感想を聞くから、~君の意見を考えながら聞きなさい」と言うと「これは、発表を聞いていないといけない」と思いしかたなく聞く、凸凹タイプの子どももいます。

 また、これはノートの取り方のところで出てきますが、メモする力に繋がっていきます。


6️⃣ 校内放送や集会場面でも同じようにする。   【解説】

 「人が話し始めたら、話をしている人の方を見なさい」と教えていると、「校内放送は、人が話しているのではなくスピーカーが喋っている」から、「見なくていい、聞かなくていい」と考える凸凹タイプの子どもがいます。
 
 集会場面(全校朝礼など)は、人の話を聞く場面だと思っていない子もいます。だから、これらのことも、きっちりルールとして教えておく必要があります。


本好きです。本を買います。余暇のための本ではなく、勉強のための本を買います。よろしくお願いします。