見出し画像

Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル   18 ノートのとり方  その2

 8項目を紹介し、少し【解説】を加えます。

1️⃣ 早く視写するときと、丁寧に視写するときの違いと方法を知る。
  【解説】

 発達に凸凹のある子どもは、いつでも丁寧に書くか、いつでも乱暴に書くか、書かないかのタイプに別れます。そうではなく、臨機応変に、書く丁寧さや書くスピードを調整して欲しいのです。
 それが、できないのが凸凹タイプの特性です。だから、ルールとして覚えてもらいます。そして、最終的には「知識として臨機応援を身につけて」もらいます。つまり「今は、早く書くときですよ。覚えて」「これは、丁寧に書きます。覚えて」とやっていくわけです。
 早く書くときと、丁寧に書くときの例を上げておきます。
  
 ・早く書くとき ➪ 連絡ノート 各種連絡メモ 下書き 百ます計算
           クイズなど遊びのときの答え 
 ・丁寧に書くとき➪ 板書 テスト 漢字の練習 習字 体育の白線
           公の書類(図書カード 健康観察カード)

 低学年では「今から丁寧に書きます」指示して、時間を取って丁寧に書かせる取組をします。しかし、急いで読めるくらいの字で書く練習はあまりしません。連絡ノートで練習したらいいのですが、練習ノートでさえ「丁寧に書きましょう」と言ってしまいがちです。


2️⃣ 黒板をある程度覚えてから、書くことができるようになる。 【解説】

 凸凹タイプの中には、黒板とノートの間を何度も視線を往復させながら書いてる子がいます。板書を覚えようとしないで、文字や単語単位で写している姿です。
 そいう子どもには「板書を覚えてから、書くようにしましょう」と教えます。その時の【セリフ】を社会の例で書きます。

【セリフ】「やりとり」を使っています

「黒板を、何度も見ているね。」
「はい。」
「黒板を写すときは、少し覚えた方がいいんだよ。分かった?」
「どうするんですか?」
「今、写している2行目は『トラック輸送の特長は、工場から店まで直接運
 べる』と書いてあるでしょう。あなたは、『トラック』だけ見て書こうと
 しているね。」
「そうです。」
「そうではなく『トラック輸送の特長は、工場から店まで直接運べる』と全
 部覚えるんだよ。覚えて言ってごらん。」
「トラック輸送の特長は、工場から店まで直接運べる」
「そう、言えたね。じゃ、今、言ったことをもう一度言いながら、書いてみ
 て。すごく早く書けるから。でも、声に出してはだめだよ。」

唱えながら書く。

「本当だ。早いです。先生。」
「そうでしょう。いいこと教えてあげた先生に『ありがとう』を言ってくだ
 さい。」
「ありがとう。」
「どう?◆◆先生はいい先生でしょう?」
「◆◆先生は、いい先生です。」

(注 ⇨ 最後の方は、凸凹タイプの社会性を上げながら、その子との愛着
     を形成するスキルを使っています。詳しくは、下記の記事参照)

 どうしても、板書を覚えられない子どももいます。生まれつき、視覚短期記憶の容量が少ないの子どもです。【セリフ】では、先生が読んでいますが、実際は自分の目で見て覚えるからです。
 そいう子どもには、支援が必要です。板書と同じものを印刷で作り、ノートの横においてあげるのが効果的です。遠くのものを見て覚えないで済むからです。


3️⃣以降は「その3」に書きます。


本好きです。本を買います。余暇のための本ではなく、勉強のための本を買います。よろしくお願いします。