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麻雀プロとしての生き方

この15年の麻雀業界の変化

麻雀プロになってから半年が過ぎた。年齢的には30歳半ばでもう若者とは言えなくなっているが、プロとしてはまだ青二才。コロナの影響もあってまだ雀王戦リーグ以外の対局機会がなく、覚えなければいけない麻雀業界のマナーやルールなども数多くあるのだが、いつの間にか今年度後期のプロテストがすでに行われ、もう研修まで始まっているらしい。光陰矢の如し。歳を取ると歳月は一瞬で過ぎ去っていき、じっくり人生を見つめることもできなくなる。

さて本題だが、Mリーグ効果もあって近年麻雀プロを目指す人が増えてきている。実際私もその1人なのだが、麻雀プロになることを考えたのは今回が初めてではなく、それは15年ほど前にさかのぼる。当時私は雀荘の従業員をしていたのだが、そこには多くの麻雀プロも在籍していて、その人たちに誘われたのだ。しかし結果的に私はプロ試験を受けることなく、雀荘も辞めて、そこから10年ほどは麻雀の世界とはほとんど関わることがなかった。

それには当然理由があった。当時麻雀プロの地位は高くなく(今でも決して十分とは思っていないが)、麻雀の実力においても段違いにプロが強いわけではなかったし(強いプロは確かにいたが、同様に強いアマもいたし、弱いプロもいた)、そもそも夢がなかった。毎月リーグ戦に参加して少なくない時間とお金を使い、何らかの大会やリーグ戦で優勝したとしてもせいぜい麻雀専門の雑誌に載るくらいだったからだ。それでいて実力を証明できないプロはアンチ麻雀プロ勢からバカにされたりもしていた。

そんな状況の中、まだ20歳前後だった当時の自分にとって、(麻雀好きだけのコミュニティーに入ることは楽しそうで、それに対しては心を動かされたが)麻雀プロになること自体にメリットを感じることは結局なかった。毎日何時間も打ち続けられるほど没頭していたにも関わらず、である。そしてただの高卒フリーターであった僕はこの「夢のない」麻雀(業界)を見限ったのだが、当時の状況を知っている人がいればそれも無理はないと言ってくれると思う。

もし当時、今のようにMリーグや放送対局が数多くされていたのなら(当時も放送対局はあったかもしれないが動画サービスが今ほど普及しておらず、僕自身見る機会は全くなかった)、おそらく僕もその時にプロ試験を受けていただろうと思う。ただやはり麻雀以外にもやってみたい事があったし、麻雀界の将来に希望を見出せなかった自分にとってはこの選択は避けられないものとなった。そして雀荘を辞めてからはアジアをバックパッキングしたり、留学を通じて海外に興味を持っていく中で、徐々に麻雀界との距離は広がっていった。

しかし僕が麻雀から離れている間、麻雀界はじわじわと社会的な存在感を高めていき、Mリーグを契機として麻雀の価値は一気に上がることとなった。また必然的に麻雀プロも、「ただ麻雀が強いおじさん」や「ダンディーな勝負師」へと変貌を遂げ、今となっては若い女の子に「〇〇プロのファンです」などと公言してもらえるほどにまでなった。そして恥ずかしながら僕も、一度は見限った麻雀ともう一度真剣に関わろうと、協会の門を叩く決断をした。ただ以前の状況を知っているだけに、仕事などを捨てて麻雀に全てを捧げようというリスキーな選択をするには至っていない。ただそうしたいという思いとの間でジレンマがあるのも事実である。

前置きが長くなったが、今回の記事ではそんなジレンマを解決しようと、まずは麻雀業界の現在の状況やその不安要素を整理することを試み、人生を麻雀と共に生きるという選択肢について考えてみたいと思う。そしてどのような生き方が麻雀プロに残されており、それには何が求められるのかについても探りたい。よく考えれば、プロになりたてで込み入った業界事情を知らない自分が扱っていい話題でもないのだが、逆に外からの視点で麻雀業界を見るという意味ではこれが最後のチャンスなのでこの際記事にして残すことにした。
(*だいぶ長くなってしまったので興味あるところだけ読んでください。)

麻雀業界の不安要素

まず麻雀業界の不安要素について論じたいが、主に3つの面で課題があると考えていて、それは①経済・生活面、②社会・人気面、そして③ゲーム・組織面である。

課題①経済面・生活面

麻雀プロになろうとしている人でこの事実を知らない人はいないとは思うが、麻雀プロは食えない。ただ食えないと言っても麻雀に関する仕事はある。つまり麻雀という競技オンリーで(賞金や対局料のみで)生活費を稼ぐという事がほぼ不可能という意味だ。最近はMリーグが発足して「食えるプロ」がようやく出てきたものの、約1500人いるプロの中で30名しかMリーガーがいない(全体のたった2%)ことを考えれば、やはりそれは狭き門のままである。更にそのMリーガーでさえ1年契約のため将来にわたって麻雀が生活の保証をしてくれるとは限らないのだから、麻雀プロは依然厳しい状況に置かれている。

また、副業的に麻雀プロ活動を行なっている者ならまだいいかもしれないが、雀荘などでメンバーをしながらプロ活動をする者にとってはより厳しい状況に置かれている。大手の麻雀店では改善されつつあるものの、いまだに社会保障や待遇の面で他の一般企業に遅れを取っている店も少なくなく、長時間労働や不安定な給料システムなどによってなかなか余裕のある生活スタイルを送れない人も多い。更に現在のコロナショックによって雀荘経営は大きな被害をこうむり、麻雀店が内包している脆弱性が予想もしないところから起こりえることを思い知らされた。

課題②社会面・人気面

第二に、社会的な面でもまだ不安が残る。Mリーグ効果によって麻雀は依然と比べて段違いにポジティブなイメージを持つことになった。「賭けない」麻雀(健康麻雀・競技麻雀店)も増え、「天鳳」や「雀魂」を代表としたネット麻雀もすそ野を広げる上で麻雀界に大きく貢献していて、約600万人の麻雀人口(日本人の5%)が何らかの形で麻雀をプレイしていることがわかる。また、現在ではほとんど麻雀のルールを知らない人でもMリーグ観戦をしていることから、以前に比べれば麻雀業界への敷居は低くなっていると感じる。

これを見ると麻雀業界や麻雀プロの将来は非常に明るくなるだろうと楽観視したくもなるのだが、いまだ解決されていない問題も残っている。それはやはり「ギャンブル」という法律的にグレーな部分の問題である。Mリーグ人気の一方で「黒川検事長の賭けマージャン問題」がワイドショーを賑わし、「賭けない」麻雀店がまだまだ少ないことを考えれば、やはり「ギャンブルとしての麻雀」のイメージを払拭するのは簡単ではないと言える。現在のようなグレーの状態でも麻雀人気が保たれているのは一つの安心材料ではあるものの、例えば人気Mリーガーの誰かが賭けマージャンなどに興じていることが発覚でもした場合、この「いい流れ」が止まってしまうのではないかとの懸念は残る。

不安はギャンブル問題だけではない。サッカーや野球などのスポーツ同様に、麻雀をエンターテイメントとして成立させるには、①(Mリーグなどのメディアで)それを観戦して、②(ネット麻雀やゲームセンターなどで)実際にやってみて、③(雀荘などで)友人などと一緒にプレイしたり、麻雀プロと対戦することで更に麻雀に興味を持ち仲間を増やしていく、というふうに<①←→②←→③>がうまく循環することが必要だが、それぞれの段階においてまだビギナーを十分取り込めるほどのキャパシティはないと考えている。

具体的に言うと、麻雀の複雑なルールを新しいファンに簡単に教えられるツールはまだ少なく、その難解さを乗り越えられるほどの魅力を一人一人のプロ・麻雀ゲーム・団体が与えているかというとそれも十分ではなく、ルールを覚えたとしても女性一人でも気軽に入れるような雀荘はまだまだ少ない。悲観的過ぎるかもしれないが、ラグビーや女子サッカーがそうだったように、スポーツやゲーム人気は水物であると考え、Mリーグ人気がまだ続いている今のうちに個々のプロや団体が麻雀人気を維持・成長させる努力・工夫をすることが欠かせない。でなければ麻雀業界も以前のような状態に戻ってしまう可能性も十分考えられる。

課題③ゲーム面・組織面

最後に、繰り返しになるが、麻雀独自の複雑なゲーム性がやはり業界を発展させる上で障害となる可能性がある。麻雀プロの主要5団体(日本プロ麻雀協会、最高位戦日本プロ麻雀協会、日本プロ麻雀連盟、麻将連合、RMU)でもそれぞれの団体(更にはそれぞれのタイトル)でルールやシステムが異なっているので、初心者はわかりづらい、参加しづらいという難点がある。それぞれの事情はあるにせよ、Mリーグが発足したのをきっかけに、より相互間での交流が活発になり、何か共通ルールや共通リーグなどの道筋が定まれば麻雀人気の維持につながると思う。

初心者の参加のしやすさに加えて、共通システムのメリットは他にもある。それは真に麻雀が強いプロの可視化である。今の状況ではその団体内で最も強い麻雀プロを測り知ることは可能だが、違う団体の選手と比べるのは難しく、それはやはりルールやシステムの相違が原因に他ならない。様々なルールが混在するゲーム性はそれはそれで面白い部分もあるが、Mリーグ同様、共通ルールで全ての麻雀プロが参加できようなリーグがあればファンにとっては分かりやすく、応援しやすい。Mリーグのようなエンターテイメント性重視でもなく、最強戦のような短期決戦でもない、実力主義的なランキング戦を長期的に行えるシステムがいずれ出来れば、麻雀業界がより活性化するとは思うが、実現にはまだ課題も多いように感じる。

麻雀プロの生き方と求められる能力

以上のような不安要素が挙げられる中で、麻雀プロの1人となった自分はどんな存在なのだろうか。すでに述べた中でお気づきだと思うが、麻雀プロになったからと言って、プロ団体に給料がもらえるわけでもなく(逆に登録料などを支払わなければならない)、職業として成り立っているかどうかも不明瞭である。また、活躍するための教科書やロールモデルもないに等しい現在、麻雀プロ自身が自分で考え行動することが要求されている。

ではそんな現在の麻雀業界で、どのような道筋が麻雀プロに示されており、どのような道をたどれば自己実現を果たすことができるのだろうか(どんな方法で充実した競技プロ生活を送れるのだろうか)。ここでは3つの生き方(立場)を考えたい。それは「勝利を目的とした麻雀プロ」、「趣味としての麻雀プロ」、「収入を得る手段としての麻雀プロ」であり、それぞれの立場を自分なりに理解して越境的に使い分けることで後悔なく麻雀プロとして活動したい。

①勝利を目的とした麻雀プロ

当然の話だが、第一義的に麻雀プロというからにはプレーヤーであって、麻雀のリーグ戦や大会に定期的に参加し、勝利することで自己実現する生き方がある。プレイヤーとしての麻雀プロの目的は、①アスリートのようにリーグ戦などで長期的に成績を残すこと、②そしてできる限り多くのタイトルを獲得することであるが、第一の生き方はそれを達成することで自己実現をはかるというものだ。

ただ当然そのためには多くの大会やタイトル戦に参加する積極性が必要で、同時に参加費や時間を確保できることも条件となる。また短期決戦でもしっかり勝ち切る集中力や、決勝でも緊張することなく力を出しきれる精神力の強さなど、様々な能力が要求される。

またそれと同時に、麻雀プロとして周りからも認められるには普段からある程度の実力が伴った存在でなければならない。麻雀のようなランダム性が高いゲームでは、短期決戦において時折アマチュアに負けることは避けて通れないものの、少なくとも参加しているリーグ戦や仕事やプライベートでよく行く雀荘などでは勝ち越すくらいの実力は最低限必要だろうと思う。だがその強さを周りに認められれば、麻雀プロとしてはこれ以上ない充実感を味わえるはずである。

では勝つために何ができるのか。それはやはり日々の努力で、麻雀戦術書や牌譜研究などで麻雀理論や定石を勉強することは外せない。次に実戦練習があり、気軽に何試合でもこなすことができるネット麻雀と、実際の対局のように牌を持っての練習という意味でリアル麻雀も打つ必要があるだろう。

したがって、第一義的な麻雀プロの役割と言えば「麻雀で勝つこと」「勝つために努力すること」であり、それはおそらく多くの麻雀プロの理想像であろう。ただ前述したように「プレイヤーとしての麻雀プロ」はそれだけで生活する(賞金や対局料だけで生活する)ことはほぼ不可能で、それ以外で収入を得る必要があるのも事実である。それはつまり「②趣味としての麻雀プロ」になるか、「③収入を得る手段としての麻雀プロ」のどちらかに属さなければならないことを意味する。

②趣味としての麻雀プロ

「麻雀というゲームだけでは生きていけない」ということは既に見てきたが、その理由もあって、麻雀プロの中には、麻雀プロを「職業」としては扱わず、「趣味」という一つのアクティビティとして扱う者も存在する。実際、麻雀プロ活動で収入があることは少なく、大会参加費などで支出が出てしまうことの方が圧倒的に多いので仕方がない部分もある。そしてリーグ戦や大会に行く時も、仕事というよりは楽しみの追求として参加している側面もあることから、個人的にこの「趣味としての麻雀プロ」という生き方は悪くないと思っている。麻雀好きだけで集まって対戦し、勝利すると褒め称えたれ、その後の打ち上げなどでは同じ仲間と親睦を深めることができる、そんな生き方もまた理想的と言える。

確かに「麻雀プロなら生活の全てを麻雀一色にしたほうが成長できる」という意見も当然あると思うが、前述のように経済的な安定という意味で雀荘での勤務はまだ不安要素もある。そこでもし給料や勤務時間が悪くないのであれば、雀荘業ではなく別の仕事をして、(当然対局での試合は本気で臨んだ上で)麻雀を趣味として割り切った方がいいかもしれない。その方が逆に心身の健康によく、成績も残せるという考え方もあるからだ。僕のその1人だが(給料は決して高くないが時間は比較的余裕がある)、毎日麻雀を打つ仕事よりは別の仕事の方が、リーグ戦に臨むうえで緊張感を持てたり休息を取れたりで、比較的いい状態で麻雀に集中することができたと感じている。

また雀荘に勤務したからといって雀力が上がるとも限らない面もある。以前働いていた経験もあるからこそ分かるのだが、勤務時間内ということで絶えず客や雀荘全体のことを考える必要があり、100%麻雀に集中することはできないと考えた方がいい。ともなればどうしても麻雀が雑になり、それがリーグ戦にまで伝染してしまったり、毎日麻雀を打つことでモチベーションが低下したりすると本末転倒である。

③収入を得る手段としての麻雀プロ

しかし、である。やはり十分なモチベーションや常に麻雀のことを考えていたいという気持ちが維持できるのであれば「麻雀で生活する」あるいは「収入を得る手段としての麻雀プロ」としての生き方をするのも選択肢の一つだろう。つまりそれは「麻雀(に関すること)を仕事とする」という立場だが、これはいくつかの種類があるので、更に「雀荘業(常勤orゲストプロ)」「タレント業」「その他(執筆業、大会運営、ネット麻雀運営)」の3種類に細分化したい。それぞれにはメリット・デメリットがあり、要求される能力も異なってくる。

⑴雀荘業(常勤orゲストプロ)

まず雀荘業であるが、これまで言及した通り様々なメリット・デメリットが存在する。まずデメリットから言うと、やはりその待遇面や時間的な余裕のなさだろう。一般的に雀荘は他の一般的な企業と比べて社員の毎日の労働時間は長く、給料や社会福祉面での待遇もあまりよくないことが多い。また社員でなくゲストプロの場合も、時間的な問題は自分で調整は可能である一方で、立場としてはアルバイト扱いになるため給料が安定しないという不安が残る。一方、メリットとしては、やはり麻雀の対局機会(実戦)を常に持つことができ、他のプロとの交流も増えることだろう。もし真剣に打てる機会が多くプロ活動をしっかり応援してくれる企業であれば、麻雀プロとして成長するために雀荘メンバーも悪くないように思える。

ではそんな雀荘業に求められるスキルとは何だろうか。当然麻雀に関するスキル(フリー雀荘に何度か行ったことがあって特に問題なく対局できる程度の雀力・マナー)や接客スキルは必要である。ただ基本的能力だけでは仕事は続けられても十分な給料をもらえるという保証にはならない。やはり給料を十分残すためには雀力の高さは必要不可欠で(プロになった時点でそれを持っていなければならないのだが)、さもなければ少なくともその雀荘の平均レベルになるまでは雀荘勤務は避けるべきだと思う。

⑵タレント業(雑誌、テレビ、YouTube)

次に「タレント業」だが、これこそが現在最も社会に求められている「麻雀プロ」ではないだろうか。麻雀が今の人気を獲得・維持できているのは麻雀のゲーム性に加えて、そのエンターテイメント性であると考えている。RMUの多井プロを筆頭に、今求められているのは麻雀の強さプラスαである。それはトーク力であるかもしれないし、容姿の端麗さかもしれない。とにかくエンターテイメントとして動画サービスや雑誌などで視聴者・読者を引き付けられる何かが必要だと言える。

現在でも、Mリーグや様々なYouTubeチャンネルでは真面目な対局風景を放送する一方で、それ以外の様々な企画(クイズ、トーク番組、桃鉄ゲームなど)も放送している。そのような麻雀をはっきり知らない層でも理解できるコンテンツに登場させられるような、タレント性・エンターテイメント性を持つ麻雀プロは今後麻雀業界が広がるにつれてますます必要とされる可能性が高い。特にYouTubeで活躍しているのは現在のところアマチュア勢が多く、麻雀警察のようなバラエティーよりの攻めた企画では仕方のないことかもしれないが、レクチャー系でも麻雀プロ勢は遅れをとっている。つまり牌効率や理論を教える分野は麻雀プロの得意分野であるはずなのに、未だアマチュア勢に負けているのは問題だが、逆に言えばまだまだ参入のメリットは大きいというのも事実である。だがそのような存在になるためにはどんな準備をするべきなのか。

当然麻雀で何らかの結果が出てからの話にはなるが、タレント業に必要な項目としてまず考えられるのは見た目の華やかさである。たとえ本来の顔立ちが地味目であっても服装やメイク、髪型で改善できる部分は多くあり、加えて卓内外での所作や行動などをうまく調整できれば少なくとも現在の一般的な麻雀プロよりは華やかになれる。またトーク力も重要なスキルで、現在では麻雀番組での解説やYouTubeのバラエティー企画などで、麻雀プロが話す機会はますます増えている。当然面白くて視聴者を引き付けられることが最も重要であり、多少他の出演者より雀力が劣っていたとしても視聴率を稼げるのであれば仕事は増えるし、もし可能であればyoutuberにさえなれるのだ。

華やかさとトーク力を軸として、更に何かのスキルや特徴・経験があればより仕事の幅が広がる。それこそ最近では麻雀プロ桃鉄最強戦が行われたし、他にもゲーム企画や身の上話を話すだけの番組もある以上、そこで披露できるような何かを普段から意識・準備しておくことは麻雀以外での仕事を獲得する上での必要要素である。特に女性は麻雀プロになったばかりでも容姿やキャラクター次第で様々な仕事が舞い込んでくる可能性があるので、最初から何らかのスキルを用意しておくメリットは大きい。

⑶その他(麻雀講師、執筆業など)

麻雀プロが収入を得る手段としてはこの他にも様々なものがある。例えばカルチャースクールなどでお年寄りを中心とした生徒に麻雀を教える講師業がその筆頭だろうか。高齢化が進み、アンチエイジングや認知症の予防としてアクティビティーの一つとして麻雀が採用されたり、Mリーグ人気から麻雀を覚えたいという若者が増えつつあることから、麻雀講師という仕事も一つの選択肢だろう。これも麻雀人気に左右される分野ではあり、安定性という意味では少しリスキーな選択肢だが、知名度があれば副業として取り組んでもいいかもしれない。麻雀を体系的に理解していることとそれを効果的に教えられるコミュニケーション力が求められるが、仕事であると同時に自分の雀力アップにもつながる利点がある。

次に執筆業だが、これもある程度の知名度が必要不可欠となる。書いた本が最高の出来だったとしても、全く無名なプロでは売れるはずがない。となればまずタイトルなどを獲って知名度を上げることが最優先になるのだが、それを見越して自分の考えを整理し文章にしておくことも、講師業と同様に自らの雀力アップにつながる利点がある。また、麻雀自体の記事を書かなくとも、麻雀業界のニュースを書くことも一つの方略ではあると思うが、団体に迷惑をかけることなく面白い記事を書くとなると特別な才能や工夫が必要となる。

この他にも、麻雀団体や、麻雀雑誌の出版社、ネット麻雀の運営など、麻雀に関わる仕事は様々あるにはあるのだが、それにはまた人脈や特別なスキルが求められるためここでは割愛したい。

まとめ:自分のプロ活動について

ここまで長々と書いてきたが、これらの不安要素や生き方のカテゴリーを概観した上で、最後に自分の麻雀プロとしての活動について簡潔に述べたい。現状を考えてみると、しばらくの間は今の仕事を続けながらプロ活動を行なっていくのが最も有意義な形ではないかという結論になると思う。やはり現在の状況で麻雀業界に関わる仕事となれば雀荘しかなく、そうなれば時間や生活費の問題が浮上してしまい、リーグ戦で成績を残したりタイトルに挑戦したりすることに支障が出る可能性もある。プロ活動を休日に限り、リーグ戦以外の空き時間を戦術書などでの勉強、天鳳などでの実戦、そして自分の中で整理した思考を記事として残すこと、現時点ではそんな活動をすることで麻雀プロとしての職責を果たしたい。そしていつか何らかの実績を残すことができた時点で、また何らかの決断ができればいいと考えている。

最後に、自己満足の極みのような記事にもかかわらず付き合っていただきありがとうございます。これからもプロ活動を行いながら、気づいたことや天鳳での振り返りなどを記事にしていきたいと思います。またフォローや「スキ」をしていただければ励みになりますのでよろしくお願いいたします。それではまた!


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