継承語を教えて~外国ルーツと一括りにいうけれど


外国ルーツという言葉がつかわれるようになってどのぐらいたったでしょうか。海外で日本語を教えていると外国ルーツの子どもの継承語の教育を頼まれることがあります。平たく言うと外国育ちで現地校やインターに通っているから親の母語である日本語が出来なくなってしまったので家庭教師を頼まれるわけです。帰国子女の日本語とは似ているけれどだいぶ違いますね。

お父さんインドネシア人、お母さん日本人

の中学生を教えています。小さいころから頻繁に日本へも里帰りし、家庭でも漢字ドリルや日本語での学習教材で勉強してきたようで、日常会話は殆ど不自由がなく、ひらがな・カタカナもスムーズに書けます。


学習課題

1.語彙と表現力を増やす
家庭内での会話で日本語習得をしてきたので、年齢相応の敬語や大人の文法や語彙を増やす必要があります。

2.漢字
本人も苦手意識があり、漢字が読めないから日本語を読み下すことができない、問題集に取り組んでも平易な問題でも読むのに苦労する。

付きっきりで問題集

いろいろと試してみましたが、本人は問題集を学習しながら達成感を得ることに喜びを感じているので、JLPT(日本語能力試験)3級の問題集をしています。読めない漢字がたくさん出てくるので、付きっ切りで一緒に読みながら進めます。この本が1冊終わったころには、目に見える成果が表れるでしょう。最初にプレースメントテストをしなかったので、数量的測定ができませんが.…「学校がつまらない、高校なんて行かないで家でママとゆっくり過ごしたい」って言っていたお嬢さんが、夏の進学を控えて高校への希望を楽しそうに話してくれるようになっただけで、家庭教師としてはありがたいことです。花の名前を持つ闊達な中三が高校生になる日が待たれます。

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