娘と見る花
月曜から金曜まで仕事をすると、週末はぐったりする。朝は10時間以上オフィスにいて、仕事では人の人生のうち、生老病死の「生」以外の面に触れることもある。今や24時間どこでも繋がってしまう時代、いつ大事なメールが飛んでくるかもわからない。いつも何か大事なタスクを忘れていないか気になっている。ニュースを見れば紛争、災害、事件、事故、スキャンダル、悲劇、批判の声・・・。みんなどうやって心身の健康を保っているのだろう。
だから週末の娘と過ごせる時間は、自分にとって最大の癒しの時間だ。論理的なことや難しいことは関係ない。時間も気にしないで良い。ちょっと前におむつが外れた娘から難しいタイミングで「トイレ」と言われて冷や汗をかくこともあるが、平日の緊張感に比べればおやすいごようだ。
今日は妻と娘とスーパーに買い物に行く。スーパーへの行きすがら、娘が花を見つけた。
「花の形が袋みたいだね!」
「なんていう花だろうね」
こんな風に道端に咲く花についてなんでもない会話をする時間がとてもいとおしい。自分と娘の間にまた語り合える謎が残るように、あえて花の名前も調べずにいる。
今日はテレビ東京で「きのう何食べた?」劇場版を放映していた。何かとうまくいくわけではない人生の中で、毎日の食事を美味しく楽しく誰かと味わえる日常を大切にしたいというメッセージが伝わってくる。
そんな時間が過ごせない5日を迎える日曜の夜はせつない。ただ、自分が働く5日が、他の誰かにとってそういう時間を作り出せることにつながっていたら、うれしい。