ゆのみ

ブラックユーモアでスコシフシギなお話を書きます。

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16時27分の痛み

※本作は、実際に起きた事件から着想を得て書きました。その時の状況を連想させる描写がありますので、苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。 加害者を擁護する表現が見受けられる可能性がございますが、筆者にその意図は一切ございませんことを、予めご了承くださいませ。 「い゛でっ…!!!」 俺は咄嗟に腰をさすりながら、腕時計を見た。 「やっぱり16時27分……。もう…なんだってんだよ…」 出版社から帰ってきて、喫煙所の椅子に腰掛けた時に、その痛みはやってきた。 「イラついて

    • 入社式当日に、トラックに轢かれて死ぬ男の話

      2015年9月20日の文学フリマにて無料配布した中編小説です。 「世にも奇妙な物語」みたいな話を目指して書きました。  今俺は手術室の扉の前にいる。誰かの手術が終わるのを待っているのではない。自分の手術が終わるのを待っているのだ。  目が覚めた時、数人の医者と医療器具が、俺の体を取り囲んでいるのが見えた。俺の腹は開かれ、医者達が血で汚れた手を忙しなく動かしている。  何に使うかよくわからない器具の名前を呼ぶ医者の声と、ピッピッピ…という機械音が室内にやけに大きく響いていた。

    16時27分の痛み