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江戸東京たてもの園

(1540文字)
ゴールデンウィークにヨメさんと娘と行ってみた「江戸東京たてもの園」が思った以上に見応えがあった。
昼前に着いて、閉園間際の17時過ぎまでじっくり楽しんだ。

東京の小金井公園にある施設で、入場料は大人400円。これだけの建物を移設したり管理することを考えると、この金額は安い。

田園調布の家(大川邸)

まずは山の手通りから。
ここでは大正から昭和初期に建てられた建物を見学。
最初の田園調布の家が、思いがけず時間を取ってしまうくらいに興味深かった。

居間
台所
食堂

大正14年、分譲地の田園調布に建てられた家で、平成5年まで使われていた。
田園調布は関東大震災後に、庶民向けの住宅地として開発されていったらしいけど、この洋風な作りとオーブンまである台所など、庶民といっても、ある程度の金銭的余裕と文化的水準のある人たちが暮らしていたことを感じる。
写真の他には寝室と書斎。そして外に出るとパーゴラ屋根のある庭。
とはいえ、それぞれの部屋はそれほど広くはなく、そこが庶民的な分譲地だったことを思わせる。

そんな感じで見学していたら、このペースでいくと閉園までに全部見られないと、少しスピードを上げる。

前川國男邸
吹き抜けのサロン

建築家の前川國男邸は昭和17年築。
よく戦時中にこんな家を建てられたなぁと驚いたが、ボクとしては、生活を感じる田園調布の家の方が面白かった。

常盤台写真場

というわけで常盤台写真場、昭和12年築。
このタイプの写真館は、今でも地方都市に残っていたりする。
残念ながら現役は非常に少ないけど、当時の写真館がモダンな場所だったことが分かる。

写場
老人室
食堂

撮影する写場は2階にあってモダン。
それに対して、1階の生活空間は庶民的な雰囲気を見せる。
大正から昭和初期というのは、生活水準が高く文化的で、それが戦争によって一気に変わっていったことが感じられる。

こんなペースで紹介していると終わらないので、ちょっと駆け足で。

カフェになっているデ・ラランデ邸
カレーライス
コーヒーとデザートのセット(名前は忘れた)

デ・ラランデ邸がカフェになっている。食事はカレーとハヤシライス。どちらも美味しかった。
そしてこのデザートとコーヒーはヨメさんも娘も絶賛。

綱島邸

江戸時代中期に建てられたという農家の綱島邸など、江戸時代の建物をさらっと見学。

庚申塔

次のエリアに行くまでの道に庚申塔などの石碑が並んでいるのも面白い。
三猿が彫られた庚申塔は初めて見た。

下町中通り

そして昭和初期から中期くらいを再現した下町中通りへ。
ここは好きな人はテンション上がりますね。
銭湯を中心に、今や少なくなった看板建築の建物などが並ぶ。

子宝湯
脱衣所
浴室

ボクらの世代には懐かしい、ザ・銭湯な子宝湯。

小寺醤油店
看板建築の建物
乾物屋の軒先のたばこ屋

このタイプのたばこ販売の窓口も見なくなったなぁ。
あっても現役で使われているのは稀。
そしてボクが本当に懐かしかったのがこれ。

都電

ボクが子供の頃はコレでした。
都電はもう既に荒川線しか残っていなかったけど、三ノ輪から都電に乗ってあらかわ遊園に連れて行ってもらっていた。
小学4年くらいになって、親に連れられるではなく、友達と出かけたりもした。
ローラースケート場や釣り堀があって、そこに遊びに行った。ローラースケートが流行ってた。
遊園地で遊んでも安かったんだよね。小さな動物園もあったし。

車内

油の匂いがする木の床が懐かしい。
なぜかこの黄色くて丸い車両に乗りたくて、四角い新型が来るとガッカリしたなぁ。
その新型ももう現役を引退しているらしいけど。

そんな感じで、気がつけば17時。
5時間滞在したわけだけど、カフェや食堂もあるので、一日中のんびりできる。
なんか、そんな趣味はないのに、スケッチブック持って絵を描きたくなった。そういう過ごし方も良いかもなぁ。

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