ガミガモ

アイコンは若かりし頃の自分です。パートを二つ掛け持ちしている男です。 小五の時に「ネ…

ガミガモ

アイコンは若かりし頃の自分です。パートを二つ掛け持ちしている男です。 小五の時に「ネス湖の恐竜見たいな、見たいな、あー見たい、絶対見たい」というふざけて書いた詩を担任の先生に絶賛されてから、詩を書くようになりました。

最近の記事

カレーの日⑤

冷蔵庫にはレタスとベビーリーフ いつも使うトマトとキュウリを 今日は使わないでおこう そして僕はスーパーへ 赤いパプリカを買いに行った これで彩りがよくなる そろそろカレーを起こさなくちゃ さっきより美味しくなってるか 確かめたいけど 無理やり自分を 納得させようとしなくても いいんじゃないかと思った 天気がよかったから そして確信したのは 僕はカレーが好きで 食べるのも作るのも好きだということ

    • カレーの日④

      隠し味は幾つかのスパイスを ほんの少しよりもっと少なく 誰にも気付かれないように 夕方の風は 少し冷たく少し強い 人が早く家に帰るように 大自然の中に仕組まれているのだろう 鳥たちはみんな正直者だから 帰りはいつも急ぎ足だ カレーは思ったより早く出来上がった火を止めて寝かしておこう カレーも昼寝をしたら 美味しくなるだろう おっと サラダを作り忘れていた

      • カレーの日③

        挽き肉しかなかったので キーマカレーにした 玉ネギと人参をみじん切りにして炒め ニンニクをひとかけ刻み入れ 挽き肉を入れて煮込む 米を研いで炊飯器にセット サラダ用に玉ネギとニンジンの スライスは冷蔵庫に ドレッシングも作っておく ここまでで二時間過ぎていた この二時間を 寝転がりに使っていれば どんなにシアワセだったろうか 落ちるように寝てしまってたら どんな気持ちよさだったろう でも快楽的なシアワセより カレーを作るという創造の方が 遥かに大きな幸せをくれると 僕は

        • カレーの日②

          それにしてもこの 心地よさはなんだろう 春の乾いた風がリビングに入っては あちこちの軽いものを ゆらして出ていく 今は心配事もなくて 僕の心は軽いんだろう ゆらりゆらりと ゆらされている 昼寝したらきっと いい夢が見られるだろう 寝ないまでも 寝転がったりしたら どんなに気持ちいいだろうか でもそれより 玉ネギの皮を剥かなくちゃ

        カレーの日⑤

          カレーの日①

          朝に 今日の晩ごはんは 僕がカレーを作るよと 考える前に言ってしまった 天気がよかったから それで午前中は どんな手順で作ろうかと 思案するもまとまらず 午後になって 家じゅうの窓を開けると あまりにも気持ちいい このまま夕方まで ぼんやりしていられたら どんなにシアワセか だけど僕は取り敢えず 玉ネギをみじん切りにして 炒めなければならない こんな日もあるよね

          カレーの日①

          朝早くに

          何故か朝早く目覚めた いつもならごろごろと まどろむうちに二度寝なのに 何故かすくっと起き上がった リビングのカーテンを引くと 控え目な朝焼けが ストレッチとかするうちに陽が登り 何故か歩きたくなった 堤防から眺める川面は いつもよりなめらかにうねっている この何故かまみれの朝はなんだろう 自分の中の僕じゃない自分が 考える前に行動している 感じるままに動く自分が 僕の二歩先を行ってる 何故かの先に 今の僕に理解出来るものは 何もないと理解出来る だったら

          朝早くに

          元気過ぎる人

          元気な人と一緒にいると 前向きな気分になるけど 元気過ぎる人と一緒にいると 置いていかれたような 気分になってしまう 心は落ち着かず 考えは浅く 時間が空回り さてどうしたものか 空気をいっぱい吸い込んで 天井を突き破らないくらいに 大きくなるか 空気をいっぱい吐いて 見えるか見えないかくらいに 小さくなるか 上手に折りたたんで 誰にも気付かれないくらいに 透明になるか 今の僕ではどれも無理だ

          元気過ぎる人

          憂鬱の訳

          雨が降ってたら嫌だなと その人は言った 来る時は降ってなかったけど 帰りを心配していた だけど天気予報を信じて 傘は持って来ていた だったら いいじゃないですかと言えば 角が立つ 雨も度を越さなければ 好きなんです僕は とも言えず 雨の日は少し憂鬱

          憂鬱の訳

          落葉

          常緑の木でも この時期は新芽の成長の為に 古い葉を落とすことがある 木にとっては 当然の自然の営み だけど人間の場合は 自分を見えてなかったり 周りを見えてなかったりで 今の位置にしがみついて 時には新しい芽を摘んでしまう 落ちた葉を拾う時 なんとも言いようのない 不思議な気分になる はらりとまた一枚 降りてきた葉に 肩を撫でられた

          ユウちゃんとマナブくん

          遠い昔の話 僕らはビー玉で遊んでいた ユウちゃんがズルしたと マナブくんが言うけど してないとユウちゃんは言い張る 僕はユウちゃんがズルしたのを ちゃんと見ていたけど マナブくんはイヤな奴だったので 僕は見ていないと言ったから マナブくんのお気に入りの 青い模様の入った白いビー玉は ユウちゃんのものになった 後でユウちゃんは僕に 何も言わなかったから 僕に見られてたを知らなかったと思う そして青い模様の入った白いビー玉は ユウちゃんの一番の お気に入りになったけど

          ユウちゃんとマナブくん

          きっちりくっきりはっきり

          君は頭では分かっているのに 彼と別れられないで悩んでいると言う 別れるということで 答えは決ってるんだから 方法を選ぶだけ 悩むことはなにもない 嫌いで別れるんじゃないから そんな糸を一本残して 自分を甘やかすのはいけない 知ってると思うけど 男は馬鹿で単純なんだから きっちりくっきりはっきりと別れなよ だけど君は別れられないと思う と言うと君は黙ってしまった

          きっちりくっきりはっきり

          植え替え

          植え替えた幾つかの鉢を眺めて 違うなって思って ああしよう こうしようと仕事中に考え 考えられない失敗をした そういや昔 仕事中にモニターを眺めながら ずっと枝毛を気にしてる人がいたけど 仕事は出来る人だったな 雨が降ってきて 植え替えは出来なくなった 何も考えずぼんやりしてると 雨が上がった 植え替えを考えてたら よかったな あの人は今どうしてるだろう

          植え替え

          車線変更

          大きな出来事じゃなく 横すべりみたいに 人生が車線変更するような時は 前ぶれやサインが幾つもある それが今 だけど じっくり思い出して ゆっくり考えてみると 前ぶれもサインも 自分で作り出してた そういうことなんだと 今になって やっと気付いた きっとこれが ベストのタイミング ということなんだろう

          車線変更

          特別な日

          君と初めて会ったのは 四月のこんないい天気の日だった 僕はカウンターの中にいて お客の君は目の前の椅子に座って 何を注文されたのかはもう 君も僕も覚えていない きっと最初の三年くらいまでは お互いしっかり覚えていて 七年くらいしたら 覚えている君が忘れている僕を やわらかくなじって笑い合った 十五年もすれば 君は子育てに忙しくて 話題にも上らなくなった そして出合って三十三年目の今日 君の好きなドーナツを買って 子供たちに昔話をしようと思う

          特別な日

          屋上で空を#50

          まだらグレイの空 白が多過ぎて眩しい 遠くで船の汽笛 もっと遠くで飛行機の音 すぐ近くで鳥の声 不思議だな 空はこんなにグレイなのに 目を瞑れば瞼の裏に色んな色が 現れては消える さっき長男が作った昼ご飯に 色んな味を混ぜ過ぎ 足してばかりじゃだめ 引くことを覚えないと なんて偉そうに言ったけど 僕自身にも言ってた 素直に耳を傾けた君は すごいなと思う

          屋上で空を#50

          ロールプレイングゲーム

          マイナスをゼロに 戻してくれる人がいる 気持ちが没んでいても 顔を見るだけで こわばっていた身体が 軟らかくなる ゼロをプラスに してくれる人もいる なんてない一日でも 同じ場所にいるだけで 元気をもらって 一歩前に出る気持になる 勿論それらの逆の人もいて その辺をうろうろしているから まるでロールプレイングゲーム 自分の役柄は何なんだろう

          ロールプレイングゲーム