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横浜でも、「ライドシェア」始まる!!

「日本版ライドシェア」が、横浜、川崎でついに始まった。
テレビ、新聞、ネット、いろんなメディアでニュースが紹介された。内容は、こんな感じだ。

4月12日の讀賣新聞オンラインによると、「個人が自家用車を使って客を運ぶ『日本版ライドシェア』が12日、神奈川県の京浜地区でスタートした。東京都や京都府でも始まっており、タクシー不足解消に向けた取り組みが広がっている。京浜地区では、毎週、金、土、日曜日の午前0~5時台と午後4~7時台に運行する。国土交通省の許可を得たタクシー会社3社と雇用契約を結んだ個人が運行し、12日未明には14人が稼働した」とある。

ライドシェアを全国各地で実施することは知っていたが、こんなに早く横浜でスタートするとは思わなかった。
素早い動き。
そういえば、黒岩知事が神奈川県版ライドシェアをやると言ってたことを思い出した。

確かに昨今のタクシー不足は深刻な問題だ。
私が、タクシーが足りていないと肌で感じたのは、去年の忘年会シーズンである。
終電後から深夜にかけて、横浜駅、桜木町駅、関内駅、そして繁華街の乗り場には、タクシーを待つ人の列が何百人も出来て、いや、道路まで溢れかえり、あちこちで手を上げていた。
こちらも必死でお乗せするのだが、一組ずつしか乗せられないので焼け石に水。お客を送っては戻りを繰り返したが、波のように押し寄せる乗客は、いつまでも乗ることが出来ず、タクシーを待つ人の波は、明け方まで消えることはなかった。
寒い中、立って待っている乗客のことを考えると、なんとかしたいと思うが、こちらも明け方までしか稼働できないので、どうすることも出来なかった。

この時に限って言えば、これは、もう圧倒的にタクシー不足と言わざるを得ない。
タクシーを20年やっているが、これほどまでに街に人が溢れたのは初めてだった。
それは、本当に異様な光景だった。

時間帯によって、大きなばらつきはあるにせよ、はっきり言って乗車を希望する人に対して、タクシーは足りていない。これだけは間違いない。

今回の『ライドシェア』で、地域と時間を限定して始めたのも分からないではない。

現在、アプリ会社や提携するタクシー会社が、大々的にライドシェアの乗務員を募集しているが、私にはどうしても引っかかる点がある。
それは、二種免許を持たないドライバーが、お客を乗せて運転しても、本当に大丈夫かと言うことだ。

我々、二種免許を持つドライバーは、教習所で約10日間、学科と技能教習を受ける。その際に教官から、乗客を乗せて走る心がけ、運転技能を徹底的に叩き込まれ、その後、教習所で、路上運転を含む実技試験を受ける。
それも、簡単なものではないが、ようやく合格すると、今度は運転試験場で筆記試験となる。
それも一種免許より難しい問題だ。私は、一発で合格したかったので、教習所に通っている間、毎日何時間も過去問を解いた。
その後、試験場で筆記試験を受けて、合格すれば、やっと二種免許を取得出来るのである。
しかし、これだけでは、まだタクシーを運転することは出来ない。
神奈川タクシーセンターにて、講習、また、「地理試験」を受け、合格し、その後、タクシー会社にて研修を受け、晴れて、やっとタクシーデビュー出来るのである。(私の時には、神奈川県に、地理試験はなかった)
二種免許取得の費用は、会社に出してもらったが、2年間は辞められないという縛りがあった。

これだけ苦労して、30万円かけて、一ヶ月近くかけて、必死に勉強して、各種試験にも合格して、やっとタクシーの乗務員証をもらえるのである。
「ライドシェア」の名のもとに、「二種免許は必要ありません」という募集広告を見ると、にわかに憤りを感じてしまう。

私に限らず、苦労して二種免許を取得したタクシードライバーは、不公平、不平等だと怒るだろう。
現に、私の周りでも、そんな声が聞こえて来る。

あまり文句ばっかり言っても仕方がないが、今回の「ライドシェア」実施は、強引で性急すぎた。
決して100%反対しているわけではない。
これで、タクシー不足が解消されるのなら、悪い施策だとは思わない。
しかし、ドライバーの学科、技能研修の不足、そして、安全性の確保が、十分になされているのか、不安が残る。

「ライドシェア」の試みが、果たして成果がでるかどうか。
年末の忘年会シーズンで、ある程度分かるのではないか。

私が去年経験した、横浜・繁華街の衝撃的とも言えるタクシー不足の現状。
「ライドシェア」によって、改善されるかどうか、自分の目で確かめてみたい。

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