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京都の下町から神戸の小さな海町へ③

なんだかんだ言いながら、京都のお店の引越し、家の引越しを同時進行にドタバタと明石に上陸。

住む家はすんなり決まって引っ越せたものの、お店の物件は宙ぶらりんのままでした。

気に入っている物件はあったのですが、出る予定だった人が延び延びになっているとのこと。その間ボケーっと待っていることは社会的にも性格的にもできないのでなぜか介護の資格を取ってペルパーのバイトをしてみたり、あとは明石の古着屋さんでも余った時間でアルバイトをさせてもらっていました。

久々の雇われる感じに嬉しさ反面、不安も多し。

介護のバイトも古着屋のバイトも楽しすぎて、決まったお給料ももらえるし、こういう生活もいいのかな〜なんて、ほんの一瞬思いそうになったりして。

いやいや無理無理。これでお店しないとか、京都離れた意味なくない?



こんなことを言うのはダメなのは分かっているのだけど、私は明石のことがそんなに好きじゃなくて、それは明石市がダメではなく、(むしろめちゃくちゃ良いところ。アピールポイントめちゃくちゃある)単純に昔から馴染みのある街なのに良い思い出も別にないってとこなんですよね。

私は地元の友達が本当にいないし(関心が持てない)、地元への愛が特別ある訳でもなく、どちらかと言うと馴染めなくてなんとなく心がしんどかった記憶が多い。

みんなそんなもんなのか?

とにかく昔からこの地元が嫌で、面白くなくて出て行ったのだ。

ただ、地元の海だけは好きだった。

これは何にも代えられない。

こじれた思春期の私を解放してくれていたのは地元の寂れた海岸だった。

というか、コンビニすらない港町だったので心のオアシスはマジでそれしかなかった。

色々な条件として明石に戻って来るはめっちゃアリなのは分かっていたけど、心のどこかでモヤモヤしている自分が離れなかったのは、そういう土地とわたしの関係があった。

後は、京都で仲良くなった人たちのことがとにかく大好きだった。



明石を離れてから10年以上経って、確実にこの街が変わったことにも気付いた。

駅前は都市開発で立派になり、無印良品やニトリ、ちょっと良いスーパーやキレイな図書館、生活にあると便利なものが揃っている。(場末感が減ったのは少し残念かも)

意外とおしゃれなママさんが多いし、他府県からも移住したと言う人、そもそも人口がとても多い。

可愛い友達や面白い友達もできたりした。

あの頃より自分もしっかり大人になっていて、ここだけが全てじゃないんだと言うことを理解していた。

そしてあの頃よりもここにしかない面白さがあることにも気づけた。

それは場所も人もお店もそうだと思う。

他にはない、自慢できるものが地元に、私の中にきちんと芽生えてきたとき、やっと心の底からこの街で生活する!と言う気持ちになれた。



全然決まらない物件に少し愛想を尽かし始めた頃、多分こりゃ空かんなって雰囲気になったので、他も見て見ることに。

本当は明石が希望だったけど、ないんですよね。良いくらいの物件が。

広さ、価格、立地、、、とかはもちろんなのですが、なんとなくピン!と来る子がないんです。

実は京都のyamneの物件も、一目惚れのような直感で借りたので、他の物件を一切見てなかったのです。

なので、ぶっちゃけお店の物件を見極める能力が私にはない!

基本直感!恐ろしいもんなんです。


探し続けて疲れ始めた頃、垂水や須磨にも範囲を広げてみて、再度検索。すると出て来るわ来るわ、面白物件。


ふと、とある不動産サイトで目に留まった平屋の一軒家。

お庭が付いてて可愛くて、しかも平屋とかめっちゃ好き。

窓もたくさんあって、木も生えていて、yamneのお店のイラスト見たい。

広さも良さげ。

でも海見えへんしな〜。(めちゃくちゃ重要視してた)

しかも売り物件か〜。でも激安やな〜。いやでも買うのはな〜〜。

しかも塩屋ホットスポットやしな〜。

(ひねくれすぎてホットスポット苦手)

なんて色々脳みそを巡らせていたら、またもや旦那から一言。

「塩屋のこの物件良くない?」と見せられたのが同じ平屋物件!

まじですか、そうですか。

でも海見えないよ〜。

そんなこと言うてたら一生決まらんぞ!とお尻ペンペンされながら

とりあえず見に行きましょうということで不動産屋に連絡。

そしてやっぱり一目見て決めた。

「ここがいい!」













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